テーマ図
手順 △33銀▲15歩。
今回は▲15歩と突き越す形を検討したい。▲16歩に△14歩と受けるのは自然だが、1筋を受けると後手は、先手からの▲45桂ポンの仕掛けを警戒する必要がある。
具体的にはこちらの記事のような形だ。
△14歩と受けなければその分駒組できるので先手の急戦には対応しやすいが、持久戦になって△22玉と囲う展開になったときは玉が狭い。よって後手は早い戦いを目指したい。
今回は「▲38銀と上がる前に▲16歩と打診する理由」について考えていきたい。
△73桂から△65桂ポンの先手の対策
手順 △72銀▲78金△74歩▲48銀△42玉▲46歩△94歩▲96歩△73桂。
手順中▲48銀と上がるのがポイントだ。中央を守ることで△65桂ポンを警戒している。テーマ図▲16歩に代えて▲38銀とすると△33銀▲16歩に手抜かれて△65桂ポンを狙われる可能性がある。
先手が▲45桂ポンの攻めをやるときは▲38銀型の方が金銀の連結が良いので、△14歩と受けたら▲38銀と上がる。▲16歩に△14歩なら▲38銀。△33銀なら▲15歩と突き越して、のちに▲48銀と上がって後手の攻めに備える。という理屈だ。
▲16歩に対する後手の応手を見てから銀の位置を決める。
話が逸れるが、▲16歩△14歩と受けた手に対し、▲46歩とあくまで銀の動きを保留し後手の手を見て▲38銀か▲48銀かを決める、という指し方もある。
詳しくはこちらの記事で検討した。
△73桂と跳ねて次に△65桂を狙う場合、最終図での先手の指し手が重要になる。
▲68玉だと△65桂が成立
手順 ▲68玉△65桂▲88銀△86歩▲同歩△同飛▲66歩△95歩▲65歩△96歩▲98歩△81飛。
▲68玉は自然だが、この場合はやや危険。△65桂のジャンプが成立する。
△65桂に▲66銀は△64歩と支えておいて次に△86歩から一歩交換できる。△64歩に▲55角と打っても△73角で受かる。
▲88銀と引いて△65桂を取りに行きたいが、△86歩▲同歩△同飛から暴れてくる。
△86同飛に▲87銀は△81飛▲86歩△55角▲66角△64角で、次に△86角を狙う。
△86同飛に▲66歩は△95歩と突く。▲95同歩は△同香▲同香△98角で後手指せる。△95歩▲65歩△96歩▲98歩と進んだ図は、先手の桂得だが歩切れ、という構図だ。
最終手△81飛では△76飛と欲張る手もあるが、じっと△81飛と引いて次に△86歩を狙っても後手まずまずだろう。
▲68玉に代わる駒組を考えたい。
△73桂に▲58金と備える
手順 ▲58金△65桂▲88銀△86歩▲同歩△同飛▲87銀△81飛▲86歩△55角▲66角△64角▲47銀△86角▲48玉。
▲68玉に代えて▲58金と備えるのが勝る。同じように△65桂▲88銀△86歩▲同歩△同飛とした場合はどうするか。
△86同飛に▲66歩は△76飛▲87銀△66飛▲55角△44角として後手指せる。
△86同飛に▲87銀が考えられる。以下△81飛▲86歩△55角▲66角△64角となったとき、▲47銀△86角▲48玉と右側にいける。8筋9筋が戦場なので▲68玉の格好よりも先手が得している。
最終図から△64角と引きたいが、▲56銀と出て桂を取ることができる。
手順 ▲68金右△44角▲66角△76飛▲77桂△64歩▲87金。
▲87銀では▲68金右も有力だ。
▲68金右にすぐ△76飛は▲87金で後手の飛車が狭い。以下△46飛には▲55角と打てる。
▲68金右に△44角▲66角△76飛とすれば、▲87金には△66角。▲44角△同銀▲87金には△46飛と回れる。△44同銀の格好になったので最後▲55角がない。
▲77桂△64歩に強く▲87金と上がって飛車を取りに行った最終図は、先手を持って指したい。ただ金が上ずってバラバラなので怖いところもある。
駒組になった場合
手順 △64歩▲68玉△63銀▲36歩△81飛▲47銀△62金▲37桂△54銀▲29飛△44歩▲48金△31玉▲56銀。
▲58金に△65桂の攻めは無理気味だったので△64歩から駒組するが、▲68玉と上がって一安心だ。以下はお互い駒組だ。
一例の進行だが、最終図まで進めば先手不満ない。お互い腰掛け銀の駒組になると、▲15歩の位が生きる。
次のテーマ図
手順 △73銀。
△73桂に▲68玉なら△65桂が成立するが、▲58金と備えられると△65桂と跳ねづらい。△65桂と仕掛けずに駒組になると▲15歩の位が生きる展開になる。
持久戦になると▲15歩の位が生きる。早い動きを目指す後手にとって、お互い腰掛け銀の駒組は好ましくない。
戻って、△73桂に代えて△73銀と早繰り銀を目指すのが有力だ。これが次のテーマ図だ。