テーマ図

手順 ▲56歩△63銀▲24歩△同歩▲同角△23歩▲46角△23歩。

今回は矢倉で、▲56歩と突く将棋を検討したい。▲56歩と突くのは少数派の指し方だ。将来△54歩ー△52飛と5筋が争点になるので、▲56歩を保留して駒組する将棋が主流になっている。

▲56歩を保留する指し方はこちらの記事で検討した。

先手は▲79角と引き、2筋の歩交換をしつつ手順に▲46角と設置できた。しかし駒組が進むと、▲46角が追われる展開になりやすい。

後手はいくつか駒組が考えられるが、今回は△44銀と繰り出す将棋だ。

△44銀と銀を繰り出す

手順 ▲48銀△54歩▲36歩△42銀▲69玉△53銀▲37桂△44銀。

△44銀と銀を繰り出す順を見ていきたい。次に△55歩▲同歩△同銀を目指し、▲46角を直接咎める指し方だ。

△85歩を保留しているので、△85歩の一手を中央に回すことができる。

▲59金の変化

手順 ▲59金△55歩▲同歩△同銀▲79角△52飛▲88角。

次の△55歩が見えているので、▲59金と陣形を低くして待ち構える。

△55歩▲同歩△同銀に、▲79角ー▲88角と戻るのが面白い手だ。▲79角に△65桂にも▲88角と戻し、△77桂成と銀を取ることができるが、▲同角△52飛▲35歩△同歩▲45桂で先手良しになる。

この戦型において銀桂交換は先手むしろ歓迎だ。

▲88角と戻った局面はこれからの将棋。勢い△56銀と出たいが、▲68銀△88角成▲同金△65桂▲66角△33角▲78金で難しい。△56銀と出る前に△75歩▲同歩を入れるなど工夫はあるが、具体的にどう得するかは微妙なところ。

▲59金に代えて▲79角の変化

手順 ▲79角△55歩▲同歩△同銀▲88角△52飛▲68銀。

△44銀に▲59金と寄った変化で、最後▲88角に△56銀の筋を警戒するなら、▲59金より先に▲79角と引くのが有力だ。

同じように進んだとき、▲68銀を優先して指せる。これなら△56銀と進軍がない。

最終図以下△56歩と押さえて、これからの将棋。

▲79角に△55歩と仕掛けずに駒組する

手順 △85歩▲46歩△52金▲58金△53銀▲47銀△65桂▲66銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛。

▲79角と引くのは△55歩を警戒した手だが、△85歩▲46歩△52金▲58金△53銀と駒組になる可能性がある。

以下▲47銀には△65桂が成立する。▲68角の格好なら△65桂に▲66銀とかわして8筋の歩交換ができないのだが、この場合は一歩交換できる。

先手としても△55歩▲同歩△同銀と引き付けから▲79角と引ければ嬉しい。

手順 ▲24歩△同歩▲23歩△44角▲24角△65桂▲15角。

▲59金と寄る変化に戻る。さっきは△55歩▲同歩△同銀に▲79角から▲88角と戻る変化を検討したが、▲24歩と積極的に行く手も有力だ。

△24同歩▲23歩に△同金は、▲24角△32玉▲68角と引いて、△24歩は▲同角として先手ペース。△24歩に代えて△44角▲24歩△22金とする変化は難しいが、2筋に拠点が残るので後手が気持ち悪い格好だ。

▲23歩に△44角とかわし、▲24角△65桂には▲15角と引いて次に▲26角のぶつけを狙う。

▲53桂のキズがあるので、銀桂交換は先手歓迎の姿勢だ。△65桂に▲68銀は△27歩▲同飛△26歩▲28飛△14歩で後手良しになるので銀が逃げれない、という理由もあるのだが。

△25歩と打つ

手順 △25歩▲同飛△77桂不成▲同桂△14銀▲26角△25銀▲53桂。

▲15角と引いた局面は後手の手が広い。△25歩は▲26角のぶつけを消して、▲25同飛なら△77桂不成▲同桂△14銀と両取りをかける意図だ。

後手うまくいったようだが、▲26角△25銀▲53桂と切り返して形勢は難しい。

最終図以下△52玉▲44角△同銀▲61桂成△同玉▲73金△89飛が一例の進行だ。後手からの反撃も早い攻めなので、先手の攻めはギリギリだ。

△25歩に代えて△57歩もあるが、▲68銀△56銀▲77桂△同桂成▲同銀△75歩▲26角で、形勢は難解だが後手陣がバラバラでまとめきれない。

△55歩と仕掛けずに△14歩

手順 △14歩▲66銀△62金▲75歩。

△55歩と仕掛けずに△14歩と待つとどうか。

▲16歩と返してくれれば、△55歩▲同歩△同銀のとき▲24歩△同歩▲23歩△44角▲24角とはやりづらい。▲15角と引けないからだ。▲24角に△65桂と跳ねて後手指せる。

△14歩に▲79角△55歩▲同歩△同銀▲88角と戻る順は一局。より積極的に行くなら、▲66銀△62金▲75歩と仕掛ける順だ。

最終図以下△85歩▲74歩△同銀▲64角△63銀▲46角△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛が予想される進行だ。

△55歩と仕掛けずに△52飛

手順 △52飛▲66銀△62金▲77桂△14歩▲16歩△33角▲68金上△51飛。

中央に駒を集める△52飛も自然な一手だ。一方で△85歩の伸ばしが怖くなくなったので、▲66銀と上がりやすい。△55歩は清算して▲66角が痛い。

△62金と上がって次に△65歩を狙うが、▲77桂で受かる。こうなるとお互い手を出しづらい。膠着状態だ。

最終図はお互い何を目指すか難しい。

△55歩と仕掛けずに△52金

手順 △52金▲68角△55歩▲同歩△65桂。

△52金と上がるのも有力な手。△52飛と回るスペースがなくなるが、▲53桂のキズを消して価値が高い手だ。

対して▲79角△55歩▲同歩△同銀▲88角は一局。

▲68角として△55歩▲同歩△同銀なら、▲35歩△同歩▲同角△44銀▲24歩△同歩▲23歩△31角▲24角と攻めることができる。これは▲79角のときでもできたが、▲35歩に△65桂▲34歩△75歩と変化されたとき▲68角の方が先手陣が固い。

▲68角に△85歩と△55歩の仕掛けを見送ると、▲46歩△65歩▲45歩と銀を追われる。これはこれで一局だが、▲68角の格好で△53銀と引く展開は先手の主張が通る。

▲68角には△55歩▲同歩△65桂が有力だ。▲79角と格好なら△65桂に▲66銀△55銀▲88角と対応できるが、▲68角だと最後▲88角がない。

▲79角と▲68角の場合とで、後手は指し方を変えるのが良い。

▲59金の局面で、すぐ△55歩と仕掛けるか、△14歩や△52金のように手を入れるかは好みによるだろう。

持久戦になって一局に落ち着くと、先手番の良さが消えそうなので先手は何か主張を通したい。

▲46角と設置する手に、△44銀と繰り出す順は後手有力の作戦だ。

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