テーマ図
今回は▲26歩型角換わりを検討したい。
お互い腰掛け銀を目指した場合、テーマ図が想定される。ここから分岐する。
テーマ図から△31玉、△41玉、△52玉、△44歩、△44銀、△63銀と手が広い局面だ。今回は△44歩と突く変化をメインに考えたい。
序盤の課題
手順 ▲96歩△94歩▲37桂。
テーマ図に至るまでの手順で、△33銀と上がった局面が、先手の序盤の課題だった。
▲37桂には△73銀。▲48金には△73桂を選ぶことができる。そこで先手は一回▲96歩と突き、△94歩と受けさせて▲37桂とする順が有力だ。
理屈についてはこちらの記事で検討した。
後手が△73銀の早繰り銀を選ばなかったら、テーマ図になりやすい。
△44歩と突く
手順 △44歩▲45歩△同歩▲同銀△同銀▲同桂△44銀▲63銀△61金▲74銀成△72歩。
△44歩と突く変化だ。対して▲45歩△同歩▲同銀は、△同銀▲同桂△44銀とかわして先手の攻めが細い。▲25歩と突いてあれば▲24歩△同歩▲22歩のように攻めていけるのだが、▲26歩型なので飛車が使えない。
▲63銀△61金▲74銀成には△72歩と受けておいて大丈夫。
最終図以下▲46歩は、△47銀▲37金△48銀不成▲38金△57銀不成と攻めていける。最後△57銀成は▲59飛が気になるが、△57銀不成なら▲59飛に△46銀成とできる。
△44歩は▲26歩型を咎める指し方と言えそうだ。
▲88玉に△31玉の変化
手順 ▲88玉△31玉▲45歩△同歩▲15歩△同歩▲35歩。
▲45歩の仕掛けは成立しないので、▲88玉と入る。対して△65歩は、▲69飛△66歩▲同銀△65歩▲55銀左で手順に攻めることができる。以下△同銀▲同銀△44銀とぶつけるのが形だが、△44歩と突いてあるのでできない。
▲88玉に後手も△31玉と囲ったら、▲45歩から仕掛ける。
この仕掛けが▲26歩型でも成立するかどうか。
手順 △35同歩▲45桂△44銀▲25歩△43歩。
△35同歩が考えられる。素直な手だが、しっかり受けようとする手だ。
▲45桂△44銀▲25歩にすぐ△45銀直は、▲同銀△同銀▲63銀△61金▲44角で先手指せる。
△43歩と打っておいて次に△45銀右を狙うのが良さそうだ。
最終図から▲46歩と支える手には、△16歩と逆襲してどうか。たくさん攻められるので後手怖い格好だが、先手が攻め切るのも容易ではない。
手順 △86歩▲同銀△65歩▲25桂△22銀▲13歩△同香▲44角。
△35同歩の他に、△86歩▲同銀△65歩と攻め合う順も有力。
▲25桂△22銀と引いた局面でどう攻めるか難しい。▲34歩の取り込みは自然だが、△44角が好ポジションになる。
▲13歩△同香に▲44角は奇妙な攻め方だが、一つ考えられる。△44角と打たれる前に逆に打っておこうという意図だ。
最終図以下△43金は▲55銀。△43銀は▲55角と引いておく。ギリギリの攻めだ。
先手の仕掛けを警戒する△41飛
手順 △41飛▲67銀△81飛▲56歩△31玉▲59飛。
△31玉の変化も難しいが、先手の仕掛けを警戒するなら△41飛もある。▲45歩△同歩▲同銀は△同銀▲同桂△44銀で攻めが細い。
先手が仕掛けを諦めて駒組すると、▲67銀△81飛▲56歩△31玉▲59飛が予想される進行だ。
▲25歩型だと将来△35歩の桂頭攻めがうるさい。▲26歩型なら▲25桂と跳ねることができるという主張だ。
最終図から△22玉と囲うか、△65歩と仕掛けるかの分岐になる。この変化は次回検討したい。
▲18香の変化
手順 ▲18香△81飛▲45歩△同歩▲同銀△86歩。
▲18香と上がる手も考えられる。△31玉なら▲19飛が狙い筋になる。
▲18香に対して後手の手が広い。△72金や△52玉とする変化もある。
△81飛と回る手は▲19飛に△65歩を見ていて、強い一手だ。▲88玉に△65歩と仕掛けるのは▲69飛△66歩▲同銀△65歩▲55銀左で先手指せると紹介したが、▲18香と上がっているので△65歩▲69飛に△27角で後手良しになる。
次に△65歩を見せられているので、▲45歩△同歩▲同銀と動きたい局面だ。
▲45同銀に△同銀▲同桂△44銀は、▲63銀△61金▲74銀成△72歩▲46歩で先手指せる。△44歩にすぐ▲45歩と仕掛ける変化と比べて、▲88玉と入城しているのが大きい。
▲45同銀に△86歩が用意の反撃だ。
手順 ▲86同銀△45銀▲同桂△44銀▲63銀△同金▲72角△86飛▲43歩△同玉▲86歩△62金▲83角成。
▲86同銀とさせてから△45銀▲同桂△44銀とする。以下▲63銀△同金▲72角に△86飛と切る。これが△86歩▲同銀を入れた効果だ。
△86飛に▲43歩と打診する。△43同金なら▲63角成△76飛▲77歩△75飛▲52金△31玉▲53桂成で先手指せる。
△43同玉とさせてから▲86歩△62金▲83角成とすることで、次に▲41飛が残る。
最終図は先手駒損で選びづらい変化だが、際どい勝負だ。
手順 ▲86同歩△85歩▲54銀△同歩▲85歩△31玉。
▲86同歩とした変化はどうか。これには△85歩と継ぎ歩する。
▲85同歩は△45銀▲同桂△85飛で十字飛車がかかるので、▲54銀△同歩としてから▲85歩と戻すが、じっと△31玉が好手。
最終図以下▲25桂は△85桂▲86銀△55角のコビン攻めが嫌。▲63銀は△同金▲72角△41飛が痛い。すぐに攻めるのは後手の反撃が厳しいので、▲84歩や▲86銀打のように手が入りそうだ。
形勢は難しいが、後手が主導権を握っている展開だ。
まとめ
テーマ図から△44歩と突いた変化を検討した。他にもいろいろ指し方があるが、△44歩に▲45歩と仕掛けづらいので、▲26歩型を咎めた指し方と言えそうだ。
△44歩▲88玉と進んだ図は、△31玉と△41飛の分岐になる。
△31玉は▲45歩の仕掛けを誘うので、△41飛が主流の指し方だ。
△41飛に対して、▲67銀か▲18香の分岐になる。▲18香は△81飛と回る手が有力で、後手が十分戦える。
▲67銀と引いて駒組した図が次のテーマになる。
△22玉と駒組するか、△65歩と仕掛けるか。