テーマ図

今回は▲26歩型の角換わりについて検討したい。

手順中△34歩▲68銀に△44歩と止める展開もある。△34歩▲88銀△44歩なら先手は矢倉や3手角が予想され、▲68銀△44歩なら先手は雁木や右四間飛車になりやすい。

△77角成▲同銀なら角換わりの将棋になるが、▲26歩型を生かされる可能性がある。

△72銀にしているのが細かい工夫だ。

テーマ図で先手が何を指すか、先手の課題になる。

▲37桂を見たら△73銀

手順 ▲37桂△73銀▲66歩△64銀▲56銀△44銀。

テーマ図で先手がどの手を選ぶかが重要だ。先手は▲48金ー▲29飛の格好を目指したいが、△73銀にも対応できる手を選びたい。例えば▲68玉は7筋に近づくので△73銀が気になるところだ。

▲37桂と跳ねたら△73銀の早繰り銀がやりやすい意味がある。

▲66歩ー▲56銀の対抗するのは形だが、△44銀が好手。次に△35歩や△55銀左を見て、後手が主導権を握る。

△44銀に代えて△75歩は▲65歩△76歩▲64歩△77歩成▲63歩成△78と▲64角と踏み込んで先手指せる。

手順 ▲68飛△73桂▲38金△31玉▲58玉△62金▲69飛△14歩▲16歩△84飛。

▲56銀に代えて▲68飛と回る将棋も考えられる。以下△73桂から駒組になる。

最終図までは一例の進行。どこかで△75歩の仕掛けがあるし、後手番なので待つ作戦もある。一局ながら、後手に不満がない展開だろう。

手順 ▲48金△64銀▲25歩△52金。

▲25歩と突けばよくある将棋に戻る。

最終図以下▲29飛△44歩▲58玉の展開か、▲56銀△75歩▲同歩△同銀▲24歩△同歩▲25歩の展開になる。これはかなり難解な将棋になる。

ただ▲26歩型が生きない。

▲37桂と跳ねると、先手の作戦の幅が狭まる。理屈はこちらの記事に通ずる。

先に▲48金はどうか

手順 ▲48金△73銀▲56銀△64銀▲66歩△44銀▲47金。

▲37桂を見ると後手は△73銀から早繰り銀を目指しやすい。▲37桂を保留して▲48金と上がる手はどうか。

▲48金に△73銀なら▲56銀ー▲66歩(どっちを先に指しても一緒)と対応しやすい。△44銀には今度▲47金と備えておいても問題ない。△35歩のキズがなく、金の受けも間に合う。

▲48金を見たら△73桂

手順 △73桂▲68玉△65桂▲88銀△86歩▲同歩△同飛▲58金△44角▲66角△76飛▲44角△同銀▲87金△75飛▲86金△87歩▲同金△78角。

▲48金を見たら△73桂とする順が有力だ。▲68玉にはいきなり△65桂と跳ねる手が成立する。

▲66銀は△64歩と支えておいて、次に△86歩から歩交換すれば後手十分。

▲88銀には△86歩▲同歩△同飛に▲66歩は、△88飛成▲同銀△39銀▲38飛△48銀成▲同飛△39角で後手良し。▲48金型を咎めている。▲37桂と跳ねていれば▲29飛が良い格好になるのだが、間に合っていない。一手損になるが、▲58金はキズを消した手だ。

▲58金に△44角▲66角△76飛▲44角△同銀となって、▲87角は△75歩で後手指せる。▲87金△75飛▲86金で後手の飛車の行く場所がないが、△87歩▲同金△78角と打ち込んで攻めが続く。

最終図以下、▲76歩△89角成▲75歩△86歩が予想される進行だ。

この変化に備えての△72銀だ。△62銀でも考えられる変化だが、▲81飛の打ち込みが発生する。

手順 ▲56銀△64歩▲66歩△63銀▲37桂△14歩▲16歩△62飛▲29飛△72金。

▲68玉と上がると△65桂のジャンプがあった。▲56銀△64歩▲66歩と警戒するのはどうか。

以下進んで△62飛と回る手が有力だ。早めの▲66歩を咎めている。

最終図から▲68玉は△54銀がある。▲25歩は△61飛▲96歩△54銀の変化になる。▲96歩に△94歩▲68玉△54銀となれば多くの変化と合流するが、この場合は9筋を手抜かれる。

後手の主張が通っている。

▲96歩と突く

手順 ▲96歩△73銀▲66歩△64銀▲56銀△44銀▲58金。

▲96歩と突く手が有力だ。

▲96歩の一手甘いと△73銀から早繰り銀を目指すと、▲66歩ー▲56銀で先手対応できる。

△75歩は▲65歩△76歩▲64歩△77歩成▲63歩成△78と▲64角で先手指せる。△44銀は▲58金で問題ない。▲37桂と跳ねていないので対応しやすい。

手順 △94歩▲48金△73桂▲56銀△64歩▲66歩△63銀▲37桂△14歩▲16歩△62飛▲29飛△72金▲25歩△61飛▲68玉△54銀。

△94歩とあくまでも態度を保留する手がある。9筋の交換が入ったので、▲48金△73桂▲56銀の変化がやりやすくなる。

最終図は課題局面だ。しかし現状、最終図を先手は避けている傾向にある。

通常の角換わりで先手は、この局面を避けて違う指し方を選んでいる。こちらの記事で検討した。

手順 ▲37桂△73銀▲48金△64銀▲29飛△75歩▲同歩△同銀▲58玉△76歩▲66銀△同銀▲同歩。

▲96歩△94歩を入れてから▲37桂とする順が、先手が一番頑張った指し方だ。

△73銀から早繰り銀をするが、▲48金△64銀▲29飛と駒組しておく。

最終図以下△86歩▲同歩△同飛が予想される。▲96歩△94歩の交換が入っていなければ、将来△94角と打てるので後手が戦える。しかし9筋の交換があるので、△86同飛に▲87銀△82飛▲76銀のような順を選びやすい。▲87歩△84飛▲67銀や▲56銀のどの順を選んでも先手が得をしている。

△76歩と打たずに△52金もあるが、▲56銀と上がって駒組する。▲25歩と突く必要がないので、もっとも▲26歩型を生かしている順と言えるだろう。

まとめ

今回は▲26歩型の角換わりに対する後手の作戦と先手の対策を見た。

後手は▲37桂には△73銀。▲48金には△73桂を選べる。これが後手の作戦だった。

一回▲96歩と突いて、△94歩に▲37桂か▲48金かを選ぶのが有力だ。▲48金は△61飛ー△54銀の進行を先手はどう評価するか。これは▲25歩型の角換わりと合流している。

▲96歩△94歩▲37桂とする変化が、▲26歩型を生かした指し方と言えそうだ。

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