テーマ図

今回は▲26歩型の角換わりで、▲59飛と回った局面を検討したい。

手順中、後手が早繰り銀と腰掛け銀を天秤にかけたとき、先手が何を指すか課題だった。

こちらの記事で検討した。

また▲88玉に△31玉と△41飛の分岐だ。こちらの記事で検討した。

▲88玉に△41飛と回り、▲67銀△81飛▲56歩△31玉▲59飛となった局面がテーマ図だ。この局面は▲25歩と伸ばしてある方が前例が多い。

▲26歩型は▲25桂と跳ねることができるという主張だ。

テーマ図から△22玉と△65歩に分岐する。

△22玉の変化

手順 △22玉▲55歩△43銀▲56銀△65歩▲同歩△95歩▲同歩△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛。

△22玉は固さで勝負する意図だ。

▲55歩△43銀▲56銀と盛り上がりたいが、△65歩と開戦できる。以下▲同歩△95歩▲同歩△86歩▲同歩に△同飛が強手だ。▲86同銀は△66角で後手良しになる。

△86同飛に代えて△75歩と突く手も有力だが、▲同歩△86飛▲87歩△81飛▲67銀で、△75歩▲同歩が指しすぎになる可能性がある。

最終図は次に△97歩や△85桂▲66銀△97歩を狙っている。△35歩の攻めはないが、8筋9筋方面で十分に手になる。後手が主導権を握っている。

手順 ▲69飛△66歩▲同飛△65歩▲69飛△95歩▲同歩△75歩▲67銀△95香▲96歩△同香▲97歩△同香成▲同香△96歩▲同香△95歩▲同香△84角。

▲65同歩と取らずに▲69飛も考えられる。△66歩▲同飛△65歩▲69飛と押さえ、△95歩▲同歩△75歩と攻める。

△95歩に▲64歩のような手が気になるが、△96歩▲63歩成△97歩成で後手の攻めが早い。いつでも▲64歩の筋はあるが、後手玉が△22玉と固いので、▲64歩ー▲63歩成は怖くない、という認識で問題ない。

△75歩に▲同歩は、△86歩▲同歩△95香▲同香△76歩▲同銀△86飛▲87金△66角▲同飛△87飛成▲同玉△66歩と攻めて後手指せる。△86飛に▲77玉も△89飛成▲同飛△66角が両取りだ。

▲67銀の受けには△95香と走る。▲96歩△同香▲97歩△同香成に▲同玉は、△91飛▲88玉に△98歩から連打して後手指せる。よって▲97同香になり、結局△95香に▲同香とした変化と合流する。

最終図△84角と打ってどうか。▲92香成は△76歩▲同銀右△48角成で後手指せる。

後手の攻めは際どく続きそうだが、先手の入玉がちらつく。後手を持ってこうした展開を好まない人も多いだろう。

手順 △92香▲45歩△同歩▲同銀△65歩。

△65歩と攻める順は後手有力ではあるが、攻めを繋げるのは力がいる。好き嫌いが分かれる展開だ。

△92香と上がる手も有力だ。次に△91飛を見ている。自力では攻めず、相手の攻めを利用して攻める意図だ。

△91飛から△95歩▲同歩△同香が間に合う前に先手は仕掛けたいが、▲45歩△同歩▲同銀に△65歩と反撃できる。

△65歩に代えて△86歩▲同銀△65歩が形なのだが、この場合先手の持ち駒に歩が増えるので▲15歩△同歩▲13歩が気持ち悪い。

攻め合いになるが、後手玉よりも先手玉は薄いので後手が勝ちやすい展開だ。△92香も有力だ。

△22玉と囲う展開は、△35歩の攻めがないので▲26歩型が生きている、という見方が主流であるが、具体的な先手のプランは課題だ。

▲56銀から▲45歩と仕掛けるのは一つの打開のプランだが、△65歩の反撃が怖い。

△65歩の変化

手順 △65歩▲55歩△66歩▲同銀左△86歩▲同歩△63銀。

次に△65歩の変化を見ていきたい。対して▲55歩と追う手には、△66歩の取り込みが入る。以下▲54歩は△67歩成▲同金△86歩▲同銀△54歩で後手指せる。▲86同銀に代えて▲86同歩は△85歩で一手勝ちだ。

△66歩▲同銀直だと△65銀で後手指せる。▲同銀左なら△65銀▲同銀△同桂が銀に当たらない。

▲同銀左の瞬間に△86歩が好手だ。▲54歩は△87歩成▲同金△86歩▲77金△85桂▲78金△87歩成▲同金△86歩▲同金△68角で攻めが決まる。

よって▲86同歩になり、△63銀と引く。△86歩▲同歩を入れなかった場合、最終図で▲77銀と引いて一局の将棋だ。後手が歩交換できたが、1筋に歩が使えるので互角のやりとりだ。

しかし△86歩▲同歩が入っていると最終図で▲77銀と引きづらい。△85歩▲同歩△95歩からの攻めが怖い。

最終図以下▲25桂△42銀▲15歩(▲15歩△同歩▲25桂は△24銀とかわされる)と攻めたいが、△85歩からの攻めに迫力ある。後手まずまずの展開だ。

手順 ▲65同歩△同銀▲69飛△86歩▲同銀△66歩▲同銀△同銀▲同飛△65銀▲69飛△66角▲同飛△同銀。

▲55歩と突く展開は、先手自信持てない。▲65同歩△同銀に▲69飛とする手はどうか。相手の攻めを利用する作戦だ。

▲25歩型の場合「一歩持ったら△35歩」が狙い筋になるが、▲26歩型なのでその筋がない。

▲69飛に△86歩と突く手がある。▲同歩なら△42銀と引いて、将来△85歩の攻めが残る。すぐ△85歩も考えられるが、▲66歩△54銀▲85歩で後手の攻めがやや細い。

▲86同銀には△66歩▲同銀△同銀▲同飛△65銀と押さえる。▲86同銀に△95歩▲同歩が入れば嬉しいのだが、△95歩の瞬間に▲66歩と打たれて後手失敗だ。

△65銀に▲68飛は△59角▲58飛△86角成▲同歩△76銀で後手良し。▲69飛△66角▲同飛△同銀となった最終図がどうか。

課題局面

△66同銀とした最終図の評価が難しい。

後手の飛車角交換だが、△66銀が取られそうで負担になっている。しかしすぐ▲67歩は△同銀成▲同金△66歩▲68金△59飛が嫌。

課題局面から、▲25桂、▲58銀、▲68銀が候補になる。いずれも△69飛や△29飛と打ち込んでどうか。

現状、後手の攻めがやや細いと見られている変化だが、実戦的にはむしろ後手が勝ちやすそうだ。

手順 △42銀▲45歩△同歩▲55角△33角▲同角成△同銀。

△86歩と攻める手の他に、△42銀も有力だ。未然に▲25桂を避けた手だ。後手は、先手から攻めてきてもらって面倒を見る作戦だ。

△42銀に単に▲55角は△27角で後手指せる。▲45歩△同歩を入れてから▲55角は考えられる。

対して△22角だと▲同角成△同玉▲15歩△同歩▲35歩で、将来▲55角のコビン攻めが気になる。△33角▲同角成△同銀だと玉はコビンに入らないが、▲25桂が当たるので一長一短ある。

▲45歩に△86歩▲同銀△66歩▲同銀△同銀▲同飛△65銀▲69飛△66角▲同飛△同銀とする順もあるが、▲45歩と△42銀の交換がどちらの得が不明だ。

最終図はこれからの将棋だが、先手の攻めが急所に入っているとは言えない。攻めが続くかギリギリだ。

まとめ

テーマ図▲59飛に△22玉と△65歩の分岐になる。

△22玉▲55歩△43銀の展開は、後手から△35歩の攻めがないので▲26歩型を生かしているが、具体的にどう駒組するかは先手の課題。

△65歩は先手の主張を通さない指し方だ。▲55歩は△66歩▲同銀左に△86歩が好手で、後手不満ない。

▲65同歩△同銀▲69飛となって、△86歩と攻めるか△42銀と引くかの分岐になる。

後手の飛車は玉頭を睨んでいるが、先手の飛車は受け駒として働いている。▲26歩型で待機しているので、先手は飛車を横に使う発想になる。

後手に主導権がありそうな将棋なので先手の指し方は少数派だが、具体的に後手がどの順を選ぶかは難しい。

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