後手四間飛車に対して、▲46銀ー▲35歩と急戦する指し方を見ていきたい。

穴熊を目指す指し方が多いが、▲46銀ー▲35歩の急戦は最近注目されている指し方だ。

▲46銀ー▲35歩仕掛け

手順 ▲46銀△72銀▲35歩△32飛▲68金寄。

図から▲77角と上がって穴熊を目指す順もある。▲36歩と突いて急戦を匂わせ、△82玉を見て先手は穴熊を目指す、というのはよくある考え方だ。

これと似た理屈についてはこちらをご覧ください。

△82玉にも▲46銀△72銀▲35歩と最短で仕掛けるのが最近注目されている指し方だ。

△32飛と備える手に対して、▲68金寄が工夫の駒組だ。この一手が入るだけで、ぐっと固くなる。

△32飛にすぐ▲34歩△同銀▲38飛は、△45歩▲33角成△同飛▲55銀に△43銀か△25銀と飛車交換を迫られる。飛車交換になると、先手の舟囲いより後手の美濃囲いの方が固いので、先手不満の戦いだ。

▲68金寄に代えて▲68金上とする変化もある。詳しくはこちらで検討した。

▲68金寄に△35歩は先手指せる

手順 △35歩▲同銀△45歩▲33角成△同飛▲34歩△同銀▲44銀△32飛▲24歩△43銀▲同銀成△同金▲66角△39角▲23歩成△35飛▲26飛。

△35歩▲同銀△45歩は一番強い反撃手段だが、▲33角成△同飛▲34歩△同銀▲44銀とかわして対応できる。

▲44銀に△31飛は▲22角がある。△32飛▲24歩△43銀に▲同銀成△同金▲66角が好手。

以下△39角に一回▲23歩成が入る。△66角成は▲32と△99馬▲88銀打で先手良し。

▲23歩成には△35飛と逃げることになるが、先手も▲26飛と逃げておいて先手指せる。

最終図以下△25歩は▲36歩から飛車を取り合う。△66角成▲同歩△48角は、▲36歩△34飛▲33とが厳しい。

一般には舟囲いより美濃囲いの方が固いのだが、今回の場合は、△43金が離れている点と▲68金寄が入っている点が違うので、先手陣の方が固い。

▲68金寄に△54歩は▲55歩を誘発する

手順 △54歩▲55歩△35歩▲54歩△36歩▲34歩△42角▲24歩△同歩▲35銀。

△35歩はうまくいかなかったので、後手は待つ手を考える。

△54歩は自然な一手だが、▲55歩の仕掛けを誘発する。△同歩は▲同銀で、△54歩は▲24歩△同歩▲34歩△42角▲44銀と前進して先手指せる。▲55同銀に△35歩も、▲24歩△同歩▲34歩がある。

▲55歩には△35歩が勝り、▲同銀なら△42角▲36歩△55歩▲同角△53金で攻めを受け止めることができる。

△35歩▲54歩△36歩と反撃するが、▲34歩で攻めが続く。以下△同銀は▲58飛△62金上▲38飛と細かく動いて先手ペース。

▲34歩に△42角も▲24歩で、△24同角は▲58飛△62金上▲97角が受けづらい。△24同歩は▲35銀と出ておいて先手指せる。

最終図から△37歩成▲同桂△36歩は、▲45桂△同歩▲11角成で角が捌ける。

▲68金寄に△14歩の変化

手順 △14歩▲66角△42金▲77桂。

△54歩は▲55歩の攻めを誘発した。

△54歩に代えて△64歩と待つのは、▲34歩△同銀▲38飛の攻めがしやすくなる。以下△45歩▲33角成△同飛▲55銀が予想されるが、このとき△64歩と突いてあるので将来▲64銀と取られたり、▲63香と打ち込まれるキズがある。この局面では△64歩を突くと美濃囲いが弱体化する。

△14歩がマイナスにならない待ち方だ。▲16歩と受けてきたら△13香ともう一手待つ。

△14歩に▲16歩と受けると、後手の顔を立てるので△14歩よりプラスの手を指したい。そこで▲66角が有力だ。次に▲34歩△同銀▲38飛△45歩▲34飛△46歩▲44銀となると先手良し。▲66角には、▲34飛のとき△66角が王手にならないようにする意味がある。

▲66角に△35歩▲同銀△45歩とすれば、▲68金寄に△35歩と取った変化より△14歩が入っている計算になるが、同じ手順をたどって、△14歩関係なく先手指せる。

▲66角に△42金は、飛車に紐をつけた意味。これで▲34歩△同銀▲38飛には△45歩▲34飛△46歩▲44銀△47歩成と攻め合うことができる。

△42金に対して▲77桂と跳ねた局面は課題図だ。最終図から△45歩と反発してどうか。もし△45歩が気になるなら、先手は▲77桂に代えて▲55歩としてじっくり指す方針も有力だ。

積極的に指すなら△42金に代えて△64歩

手順 △64歩▲34歩△同銀▲38飛△65歩▲77角△45歩▲33角成△同桂▲57銀△37歩▲28飛△25桂▲21角△31飛▲65角成△24歩。

▲66角に△42金は手損になるので、辛抱とも受け取れる指し方だ。代えて△64歩が積極的な指し方だ。攻め将棋の方ならこちらがおすすめだ。

△64歩に▲77桂は、△65歩▲同桂△54銀で桂が取れる。

△64歩には▲34歩△同銀▲38飛と動く。

対して△45歩は▲34飛△46歩▲44銀で先手良し。▲38飛には一回△65歩と追ってから△45歩とする。これで△45歩▲34飛は△77角成が王手になる。これは先手失敗なので、▲33角成△同桂▲57銀か▲55銀になる。

△14歩にすぐ▲34歩△同銀▲38飛とした変化と比べて、△63歩が△65歩まで伸びている計算だ。手損だがこれが先手の狙いで、将来の▲21角を見越している。

最終図。▲26歩は△43銀の味が良い。▲32歩と押さえてから▲26歩と桂馬を取りに行ってどうか、という将棋だ。

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