今回は相掛かりの将棋を検討したい。
目次
第1図 出だし
手順 ▲96歩△14歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛。
昭和、平成の頃は、▲78金△32金にすぐ▲24歩と歩交換をしていた。
2筋の歩交換を保留するのが現代相掛かりの特徴だ。
歩交換を保留するメリットとして、△34歩や△64歩、△74歩を見てから▲24歩とすることで横歩が取れる可能性がある点と▲36歩ー▲37桂と駒組みしてから歩交換することでスムーズに▲29飛と引ける点などがある。
今回検討する将棋は、▲96歩△14歩を入れてから▲24歩と歩交換する。少数派の指し方だ。
▲78金△32金にすぐ歩交換するよりも、▲96歩△14歩の交換が先手の得、という主張だ。
△14歩に▲36歩△86歩▲同歩△同飛▲58玉が主流で、多く指されている。
こちらで検討した変化だ。
第2図 △34歩の変化
手順 △34歩▲46歩△64歩▲47銀△63銀▲56銀△54銀。
△34歩の変化から見ていきたい。
第2図、実は後手の手が難しい。
先手は▲27銀の棒銀と▲46歩ー▲47銀の腰掛け銀、2つの作戦がある。
つまり、△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛とすると▲46歩(将来△82飛と引く一手が必要になりそう)、▲87歩に△82飛だと▲27銀(棒銀を受けるために将来△84飛と浮くことになる)を先手は選ぶことができる。
△34歩は態度を保留した手だ。
▲27銀を見たらそこで△86歩▲同歩△同飛と歩交換して、▲87歩に△84飛を選べる。
▲36銀を見て△85飛と引く変化もある。少し形は違うが、こちらの記事と似たイメージだ。
▲46歩と腰掛け銀を目指したら、後手も△64歩と合わせる。
第3図 ▲97角か▲76歩か
手順 ▲76歩△86歩▲同歩△同飛▲87歩△82飛▲58金△52金▲68玉△42玉。
第3図は▲97角と▲76歩の分岐点だ。
▲97角の変化は、こちらで検討した。
▲76歩は穏やかな順で、以下お互い同型になる。
最終図から▲36歩△74歩▲37桂△73桂▲47金△63金・・・と同型が続くと、先手の打開の目途が立たず、後手番としてはまずまずだ。
第4図 ▲45銀は先手不満
手順 ▲45銀△同銀▲同歩△33角▲77角△22銀▲88銀△24歩▲86歩△23銀▲87銀。
同型は先手不満とみて▲45銀とぶつけてみる。
△45同銀▲同歩の局面で、後手の手が広い。
△94歩と突いて、△95歩▲同歩△97歩を狙う手もある。
つまり、第4図の局面で▲16歩△14歩が入っていると、▲45銀は△同銀▲同歩にすぐ△95歩とできるので、先手はなおやりづらい。
△88角成▲同銀△33桂など、いろいろ手はあるが、△33角と上がって銀冠を目指すのは一案だ。
最終図は後手十分。
後手が△65歩と突けば同型だが、後手は△65歩と突く必要がない。△65歩の一手を違う手に回すことができる。
第4図はじめに戻って、▲96歩△14歩の交換を生かすなら▲95歩だ。
後手も△15歩として、先手の打開に課題が残る。
駒組みのアイディアとして、▲77金と上がって金冠にするのが一案だ。こちらで検討した筋だ。
第5図 △94歩の変化
手順 △94歩▲46歩△86歩▲同歩△同飛▲47銀△82飛▲87歩△83銀▲76歩△74銀▲68銀△85銀▲77銀△34歩。
△34歩の変化は後手番らしい戦い方で、後手まずまずだ。
△94歩の変化は、積極的な指し方だ。
△94歩も△34歩と意味は似ていて、▲27銀か▲46歩かを見てから駒組みを決める意図だ。
▲46歩を見たら、△86歩▲同歩△同飛▲47銀△82飛▲87歩△83銀と棒銀を目指す。
▲26飛と横利きで棒銀を防ぐことができないので、棒銀が有効になりやすい。
「▲46歩を見たら棒銀」、は一つの考え方だ。
△83銀▲76歩△74銀のとき、△34歩を突かなかった理由が見えてくる。
△34歩と突いてあると、△74銀に▲22角成△同銀としてから▲88銀や▲77桂で受けることができる。
先手は負担になる角を交換できる。
第5図は△34歩と突いてないので、△74銀のとき▲77桂か▲68銀△85銀▲77銀の2択になる。
▲77桂なら△34歩(▲66歩を突かせないようにする)から△64歩ー△63銀ー△74歩ー△75歩を目指す。
▲68銀△85銀▲77銀に△86歩としたくなるが、駒をほぐすと先手の角が働く。
7筋8筋はこの形のまま、最終図から後手は矢倉や雁木に組みたい。
最終図はこれからの将棋だ。
△34歩と△94歩のいずれも有力だ。
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