すぐ役立つような戦術を紹介したい。
今回は角換わりの将棋で、珍しい後手の指し方だ。
△54歩を保留し、△54金と腰掛ける
手順 ▲79玉△44歩▲56銀△43金右▲88玉△54金。
角換わりで、後手が右玉を選んだ将棋だ。
▲79玉に△54歩と突く実戦例が多い。以下▲58金△44歩▲88玉△42銀▲56銀△43銀とする将棋はこちらで検討した。
後手が△72玉ー△62玉を繰り返し、▲98香ー▲99玉ー▲67銀と指させる指し方もある。
こちらの記事で検討した。
今回は△54歩を保留して△44歩と突き、△43金右ー△54金と前線に金を出す指し方だ。力強い指し方だ。
△43金右に▲45歩は、△同歩▲同銀に△44銀とぶつける手が成立する。▲同銀△同金となると△39銀が残る。▲29飛は△47銀。▲58金は△46銀で、後手が指せる。
△42銀から組み換える
手順 ▲58金△42銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛△43銀。
図から▲58金と玉を固める。代えて▲29飛もあるが、△41飛で先手の方針が難しい。以下▲67銀は△55金が気になる。
▲58金に△41飛なら▲48飛と回って先手指せる。次に▲45歩△同歩▲同銀が狙いになる。
▲58金に後手は△42銀から組み換える。▲24歩から一歩交換されるが、△43銀と上がった形のバランスが良い。
△42銀に代えて△65歩は危険で、▲同歩△同桂▲66銀△64歩▲67銀で、次に▲56歩ー▲55歩を狙われると後手が困る。
△65歩▲同歩△同金も、金銀交換になるので後手が上手くいかない。
最終図の評価
最終図を眺めてみたい。
図から▲67銀と引くと、△65歩▲同歩△同金▲66歩△64金と一歩交換しておいて後手十分。
▲68金右と固めるのは考えられ、以下△33桂▲98香△52玉▲99玉△42玉▲88銀が一例。先手は穴熊を完成させたので主張はある。
最終図はこれからの将棋だ。
△54金型は上部の守備力は高いが、金が上ずるので玉が薄くなる。
一長一短あるが、面白そうな指し方だ。