すぐ役立つような戦術を紹介したい。
今回は先手中飛車の将棋だ。
△33角と上がって先手の様子を見る指し方
手順 △33角。
▲46歩を優先し、先手は穴熊にするか美濃囲いにするか、態度を保留しているのが工夫だ。
図から△33銀▲38銀△86歩とする将棋も有力。
こちらの記事で詳しく検討した。
△33銀に代えて△44歩とするのは持久戦の態度を示した手なので、先手は▲18香△43銀▲19玉△33角▲28銀・・・と先手はスムーズに穴熊に組むことができる。
△33角と上がるのは、後手も急戦か持久戦か態度を決めない工夫だ。
△33角に▲38銀なら穴熊を目指す
手順 ▲38銀△44歩▲36歩△43銀▲26歩△22玉▲37桂△42金寄▲27銀△32金寄▲38金△12香。
▲38銀と美濃囲いに組んだら、後手は穴熊を目指す。ただ組み方が難しい。△42銀と上がっているので、△11玉ともぐったとき△22銀と上がれない。
まず△44歩ー△43銀ー△22玉とし、△42金寄ー△32金寄と寄せる。先手は▲78飛から動く可能性があるので、連結は良くしておきたい。
最終図は後手まずまずの序盤だ。△11玉ー△31金寄ー△22金上となれば固い。
最終図から▲48飛△11玉▲45歩△同歩▲同飛△44歩▲49飛のとき△31金寄や△22金とすると、▲15歩△同歩▲13歩と攻められる。
▲49飛に△24角と備えておくのが重要な一手だ。
▲18香には△24角から急戦
手順 ▲18香△24角▲48飛△73桂▲19玉△86歩▲同角△65銀。
▲18香を見たら△24角と揺さぶり、急戦を目指す。
▲68角には、△44歩▲19玉△45歩と仕掛けて後手ペース。以下▲45同歩△68角成▲同飛△86歩と攻める。
△24角に▲48飛なら△44歩ー△45歩の仕掛けはないが、5筋から飛車が逸れるので消極的だ。
△73桂▲19玉にすぐ△86歩と仕掛けて後手指せる。▲86同歩にも△65銀と仕掛ける。
最終図以下、▲65同銀△同桂▲66銀は△57銀が痛いので▲77銀と辛抱するが、△85桂▲68銀△76銀▲78金△94歩で、次に△97桂成▲同桂△85歩を狙って後手指せる。
▲18香と穴熊を目指すのは危なかった。
急戦と持久戦に対応する▲38金
▲38金△44歩▲18香△22玉▲19玉△24角▲48飛△33銀▲28銀△32金▲26歩△73桂。
後手の急戦と持久戦に対応できるように▲38金とする工夫がある。
対して△24角には▲47金と上がっても受かるし、▲54歩△同歩▲同飛と動く手もある。▲48銀△46角▲47銀△24角▲36銀と一歩を犠牲に角をいじめる手も有力だ。
急戦は難しいので、△44歩から持久戦を目指す。このとき先手は▲18香から穴熊を目指せる。
以下△22玉▲19玉に△24角▲48飛△33銀と後手も工夫して駒組する。△43銀と上がる穴熊よりも斜めのラインをケアしていて固い。
▲28銀△32金に▲26歩と角を目標する手に、悠々と△73桂と跳ねる。
▲25歩△13角▲15歩△同歩▲同香となっても、次に▲13香成△同桂や△同香となると先手玉が危なくなる。後手は角香交換になっても問題ない。
先手は▲38金という工夫をしたが、後手も△24角ー△33銀の工夫の駒組みがあり、最終図はこれからの将棋だ。