すぐ役立つような戦術を紹介したい。
今回は後手の右四間飛車を警戒するための先手の工夫だ。
△42玉に▲78飛と回る
手順 △42玉▲78飛。
▲75歩と石田流を示した手に、後手は△42玉と上がってきた。石田流に対して後手は右四間飛車をするのが有力な作戦だ。▲66歩には△64歩▲78飛△62飛とする意図だ。
△42玉対して▲78飛と回るのが先手の工夫だ。これで後手の右四間飛車を警戒できる。何気ない工夫だが、重要な序盤のポイントだ。
▲78飛に△88角成▲同銀△45角は大丈夫だろうか。
▲78飛に△88角成▲同銀△45角の変化
手順 △88角成▲同銀△45角▲74歩△同歩▲58玉△27角成▲55角△33桂▲74飛△92飛▲34飛△32金▲36歩。
△88角成▲同銀△45角の筋が気になるが、▲74歩△同歩▲58玉で対応できる。単に▲58玉でも合流する可能性が高い。
△27角成で馬を作られるが、▲55角△33桂▲74飛△92飛▲34飛と飛車を振り回す。
△32金の受けに▲36歩と馬を狭くする。
最終図以下△26馬なら▲35飛と引いて、飛角交換歓迎の姿勢だ。3筋の歩を伸ばして△33桂を狙いたい。形勢は互角だが、後手の方が神経を使う将棋だ。
△42玉に▲66歩と止めた場合
手順 ▲66歩△64歩▲78飛△62飛。
△42玉には▲66歩と止めるのが自然な一手だが、△64歩▲78飛△62飛と右四間飛車にされる。
△84歩を省略して右四間飛車にできているので、後手が得している。
△42玉のまま△65歩速攻を狙う将棋はこちらから。
後手がエルモ囲いに組んでから△65歩と仕掛ける将棋はこちらから。
△84歩を見たら▲66歩と止める
手順 △62銀▲58金左△32玉▲48玉△64歩▲38玉△63銀▲28玉△14歩▲16歩△84歩▲66歩。
▲78飛に△62銀と駒組した場合を見ていきたい。次こそ△88角成▲同銀△45角があるので、▲58金左と備える。代えて▲68銀もあって、同じ意味だ。
以下お互い駒組する。△42玉に▲66歩と止めた場合は、△62飛ー△54銀ー△65歩と仕掛けることできたが、今回は▲66歩を保留しているので△65歩の仕掛けがない。
右四間飛車を諦めて△84歩と突くが、△84歩を見て先手は▲66歩と止める。以下△85歩▲76飛で、無事に石田流に組める。
▲66歩を見て後手も△62飛▲38銀△54銀と右四間飛車にシフトする手もあるが、△84歩の一手が不要なのでやりづらいだろう。
まとめ
先手の石田流に対して、後手は右四間飛車にするのが有力な作戦だ。
右四間飛車を警戒して、△42玉に▲78飛と工夫する。
対して△88角成▲同銀△45角は乱戦になる。後手は△33桂を狙われるので、神経を使う展開だ。
△88角成を見送って▲78飛△62銀▲58金左から駒組になると、▲66歩を保留しているので後手は右四間飛車にできない。
△84歩を見て▲66歩と止めれば、もし△62飛から右四間飛車にしてきても△84歩の一手が不要になるので、△42玉に▲66歩とした変化と比べて先手が得している。