すぐ役立つような戦術を紹介したい。

今回は相掛かりの将棋だ。

△74歩と突くなら▲68玉型 パターン1

手順 △74歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲74飛△73銀▲76飛△42銀。

△74歩と突く作戦がある。△74歩と突く展開を選ぶなら、▲68玉型のときだ。△74歩には、一歩を取らせている間に後手は銀を繰り出し、手得を主張する意図がある。

この作戦は▲58玉型だとうまくいかない。後手は将来△64銀ー△75銀や△65銀と進出することが予想されるが、このとき先手玉が7筋8筋に近い方が後手は攻めやすい

しかも▲58玉型の場合は、▲68銀の一手で中住まいが完成する。▲68玉型のときと違って玉が安定している。

△74歩 パターン2

手順 △74歩▲24歩△同歩▲同飛△84飛▲76歩△23歩▲25飛△64歩。

2つ目の△74歩を見ていきたい。

先手は△74歩を見たら▲24歩から取りに行きたい。一歩を犠牲に手得を主張する展開にするなら、▲24同飛に△23歩▲74飛△73銀とするのも有力。

今回は△84飛と受けてみよう。以下▲76歩△23歩▲25飛△64歩と進んで持久戦になる。

▲58玉型なら最終図から、▲85歩△82飛▲75歩と動いていけるが、▲68玉型なので先手は動きづらい。戦場に近く、反動がある。

▲68玉型でも動ける場合がある 相手の手を見てから決める

上のような局面だと先手の条件が良い。△94歩がやや甘い印象だ。

△73桂だと、▲85歩△81飛▲75歩△同歩▲58玉(▲74歩△85桂▲58玉もある)として先手指せる。

手損になっても▲58玉と寄る一手は大きい

△52玉にも、▲85歩△83飛▲24歩△同歩▲同飛△85飛▲77桂△83飛▲65桂と攻めていける。▲58玉型の方が先手は嬉しいが、▲68玉型でも十分な迫力だ。

先手の仕掛けを警戒するなら△42玉になりそうで、これなら将来▲24歩△同歩▲同飛ー▲34飛となったとき先手にならないので後手は受けやすい。

△42玉に▲87歩と打てば一局の将棋。攻め好きなら▲85歩と打って攻めるのが良いだろう。

△74歩 パターン3

手順 △74歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲74飛△73銀▲75飛△64銀▲87歩△82飛▲25飛。

パターン2と違う点は、△52玉が△94歩に代わっている点だ。

△94歩は持久戦向きの手なので、▲24同飛に△84飛とは指しづらい。△84飛以下▲76歩△23歩▲25飛となると、△94歩が甘く感じる。一歩を守る△84飛は欲張った指し方だ。

一方で、△52玉は急戦向きの手なので先手の攻めに対応しやすい。よってパターン2では△84飛とできた。

△52玉型より居玉の方が後手は駒組の含みが多いので、▲24同飛に△23歩と一歩を犠牲に駒組するのが良さそうだ。

最終図以下△34歩▲76歩△44歩から雁木に組んで長い将棋になる。前例が多い将棋だ。

▲58玉型でも△74歩と突く場合がある パターン4

手順 △74歩▲24歩△同歩▲同飛△73桂。

4つ目の△74歩だ。▲68玉型を見て△74歩と突くのが後手の基本姿勢だが、▲58玉型でも△74歩と突く将棋はある。

今回の△74歩は先手よりも早く桂馬を活用する意味で、激しい展開になる。

最終図以下▲37桂は△36飛▲76歩△34歩。▲74飛は△36飛▲76歩△28歩が予想される。

また、△73桂に代えて△23歩▲74飛△73銀▲75飛△24歩とする進行も有力だ。

△74歩ー△73桂を急ぐ将棋の詳しい変化はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

△74歩と突く将棋を大雑把に分けてみた。

▲68玉型に△74歩と突くのが、後手の基本的な姿勢だ。

△74歩を見たら先手は▲24歩から動いて急戦調の将棋になりやすい。このとき▲58玉より▲68玉にいてくれた方が後手は嬉しい。

▲24同飛に△23歩と打つか△84飛と守るかは局面次第で変わるし、好みの問題もある。局面に応じて判断していきたい。

△74歩と突く将棋は相掛かりの重要なテーマの一つだ。

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