作者 柳澤 瑛

未発表作

解説はこちら

【解説】

作意 ▲23 銀△同歩▲52 飛△42 香合▲同飛成△22 香合▲13 香△同玉▲24 銀△同歩▲25 桂△同歩▲22 竜△同玉▲23 銀△同玉▲24 香△32 玉▲42 金△33 玉▲52 金△43 玉▲42 角成 まで 23 手詰。

初手▲13 銀は△同桂▲21 銀△同玉▲41 飛△31 金で不詰め。
3 手目▲22 金は△22 同玉▲52 飛△32 桂合で不詰め。
3 手目▲52 飛は非限定で、▲52~92 ならどこに打っても良い。
4 手目△22 香合は▲13 銀△同玉▲25 桂△12 玉▲13 銀以下早詰み。
4 手目△22 金合は▲22 同飛成△同玉▲32 金△同玉▲41 銀以下早詰み。
4 手目△42 桂合は▲42 同飛成△22 香合▲13 銀△同玉▲25 桂打以下早詰み。
4 手目△42 銀合は▲42 同飛成△22 香合▲同竜△同玉▲31 銀△同玉▲32 香以下早詰み。
6 手目△22 銀合は▲22 同竜以下上と合流して早詰み。
6 手目△22 桂合は 13 手目で▲24 銀と打ち以下早詰み。
10 手目△12 玉は▲23 銀成△同玉▲24 銀以下早詰み。
12 手目△12 玉は▲23 銀△同玉▲33 金△同桂▲同竜以下同手数駒余り。
13 手目▲24 銀は△同香で不詰め。
15 手目▲24 香は△23 桂合で不詰め。
21 手目▲52 金は非限定で、▲41 金でも良い。


本作の狙いは実戦型での中合いである。中合いと聞くと華々しい印象があるが、本作のような実戦型では“巧い凌ぎ”という感じだろう。9 手目からの▲24 銀△同歩▲25 桂△同歩▲22 竜もお気に入りの手順。駒を連続で捨てているが、華々しいというよりも、“巧く攻めを繋いでいる”という感じだ。実際に盤に並べていただけたらより実戦型らしい味わいを感じられるかもしれない。3 手目の飛車の打ち場所非限定や、21 手目の金の開き方の非限定も実戦型だとあまり気にならないのではないだろうか。


本作を他の方に出題してみると、結構難しいみたいで、悩んでいただける。もしかしたら読者の皆さんも「これは難しいなぁ」と思ったかも知れないが、簡単に解くポイントはいくつかある。配置を眺めてみると、17 の桂が見るからに跳ねたがっている感じだ。

そんな中で初手▲13 銀としてしまうと△同桂と取られてしまい、桂を跳ねる展開にならなくなる。
17 の桂は活躍する機会を失い絶望することだろう。よって、初手は▲23 銀が正解だ。3 手目▲52 飛に対する受け方で、駒をただで取られない△22 合だけ考えてしまうと正解には辿り着けない。

合駒が可能な場面で、王手している駒 A と玉とのライン上に、攻め方の飛・角・香などの駒 B が交わる場合は、その交わる地点に合駒することで、駒 B の利きを駒 Aで遮らせるケースが多く存在する。本作の場合は、52 の飛車(駒 A)で王手していて、51の角(駒 B)が飛車と玉のライン上である 42 の地点に利いているため、42 で合駒があるかも知れないと考えることができる。

もちろん意味がないこともあるが、本作では、△42 香合▲同飛成とすることにより、51 の角利きが 42 の竜で遮られるため、9 手目に▲25 桂と跳ねた時に△24 玉とかわすことができるようになっている。最近の詰将棋は中合いが多いので、ワンランク上の問題を解くときは中合いを意識してみると良いかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA