テーマ図
△52玉に▲69玉と手数を調整し、△41玉▲58玉△44歩とする変化だ。
この記事はこちらの記事の続きになります。先にそちらの記事からお読みいただくと、より理解が深まります。
手順 ▲45歩△同歩▲同銀△55銀▲24歩△同歩▲25歩△47歩▲同玉△25歩▲58玉。
△44歩に▲45歩と仕掛ける。△同歩に▲同桂の変化も、▲75歩△同歩▲45桂とする変化も後手が十分に戦える。よって▲45同銀が勝る。
後手は△55銀とかわし、▲24歩△同歩▲25歩と継ぎ歩に対して△47歩と反撃する。
▲同玉に△25歩と手を戻し、▲58玉と引いた局面が課題局面だ。
ここまでが前回の検討だった。
課題局面 ▲58玉に△63角の変化
手順 △63角▲68玉△52玉▲79玉△35歩▲56銀△同銀▲同歩。
△63角と打つ変化から見ていきたい。▲75歩の攻めをケアしつつ、▲45銀に狙いをつけた手だ。
対して▲68玉が好感触の一手だ。どこかで△36角が王手になるので未然に逃げている。▲68玉ー▲79玉と囲って、見違えるほど先手玉が安定した。
▲79玉に△41飛は▲47歩と受けておく。△45角▲同桂△同飛で二枚替えになるが、▲75歩△同歩▲67角△41飛▲25飛が、銀取りと▲74歩の両狙いで先手良し。
△35歩の桂頭攻めにも▲56銀と対応して先手指せる。最終図以下△36歩は▲25桂から手順に攻めていける。△35歩と突いたことで、▲34角のラインができているの点も大きい。
手順 △95歩▲同歩△97歩▲同香△86歩▲同銀△98歩▲88玉△66銀▲69飛△55銀。
△35歩は危なかった。▲79玉と玉が左辺に近づいたので、△95歩から攻めたい。あっちこっちと、盤面全体で戦うのが角換わりらしい。▲95同歩△97歩▲同香に△86歩と突く。
▲86同歩か▲86同銀か難しいところ。▲86同歩は△85歩▲25飛△86歩▲82歩△41飛が予想される展開。以下▲24歩と垂らしてどうか。8筋に嫌味が残るが、▲82歩が入るのも大きいので先手を持ってみたい。▲86同歩に△96歩▲同香△75歩も見えるが、▲同歩△96角▲74角で先手良し。
▲86同銀だと△85歩の継ぎ歩がない。対して△75歩▲同歩△96歩は▲同香△同角▲74角で先手指せる。
▲86同銀に△98歩▲88玉と近づけ、△66銀と進出する。銀を追いたいが、▲67歩では△85歩でも△55銀でも、後手玉への反撃に乏しい。▲69飛と回り、将来の▲64飛を見せたいところだ。
最終図△55銀に▲22歩と打って、もし入れば▲56歩で先手ペースだが、手抜いて△99歩成▲同玉△96歩▲同香△75歩と攻め合ってどうか。△98歩▲88玉△99歩成▲同玉と先手玉を9筋に近づけたので、今度は▲75同歩△96角▲74角の筋は成立しない。
△86歩に▲同歩か▲同銀かは重要な分岐点だ。
▲58玉に△52玉の変化
手順 △52玉▲75歩△92角▲74歩△同角▲25飛△13桂▲27飛△26歩▲同飛△25歩▲同桂△同桂▲同飛△24歩▲26飛△41飛。
次に△52玉の変化を見ていきたい。対して▲75歩と桂頭を攻める。以下△92角▲74歩△同角▲25飛と走る。
▲25飛に△24歩は▲26飛で、△41飛と回っても▲68玉が好感触の手で先手指せる。将来▲74角のコビン攻めが残るのが後手の気がかりだ。
▲25飛には△13桂と跳ねたい。▲28飛は△44歩で△39銀のキズがある。▲27飛に△25歩は▲75歩の先着が大きい一手。以下△63角▲68玉△21飛▲29飛の展開は後手まとめづらい。次に▲76角が好ポジションになる。
▲27飛に△26歩▲同飛△25歩と連打する。これなら▲28飛は△44歩、▲27飛は△21飛と一手と一歩の交換になる。
よって先手は▲25同桂になる。△21飛は▲33桂不成△26飛▲41角が痛い。△25同桂▲同飛△24歩と桂交換し、▲26飛に△41飛と回る。▲37桂がいなくなったので、△41飛が先手になっている。
最終図以下、▲43歩△同飛▲44歩△同銀引▲75歩が一例。難しい将棋だ。先手玉は薄いが、歩得しているので何か手段を考えたい局面だ。
他にも△74同角に▲47歩とする手もあり、以下△75歩▲76歩△同歩▲同銀△46歩▲75歩△47歩成▲同金△同角成▲同玉△46金▲58玉△37金と二枚替えしてどうか。△75歩▲76歩△同歩▲同銀を入れた効果で、最後▲74歩には△65桂▲同歩△66桂がある。
▲58玉に△42玉の変化
手順 △42玉▲56歩△46銀▲25桂。
△52玉の変化は後手考えられる変化だった。△42玉はどうか。
△42玉に▲75歩と突く変化もあるが、△52玉のときより玉が遠いので突きづらさがある。以下△92角▲74歩△同角▲25飛△24歩▲26飛△75歩で難解。△42玉だと▲74角のラインがないので、6~8筋方面で戦いやすい。△86歩▲同歩△85歩や△65歩という符号が出てくる。
△42玉に▲25桂△24銀▲75歩は、△同歩▲74歩△63角で対応できる。▲75歩に代えて▲34銀と出た局面と下の図を比較してみたい。
比較
手順 △44歩▲45歩△同歩▲同銀△55銀▲24歩△同歩▲25歩△同歩▲同桂△24銀▲34銀。
△52玉に代えて△44歩とした変化だ。詳しくはこちらの記事で検討した。
最終図以下、△52玉は▲75歩と攻めて先手良し。▲34銀に△47歩▲38金△37歩としてどうか、という将棋になる。
△42玉に▲25桂△24銀▲34銀とした図を比較して見る。違いは先手が一歩得であることと、先手玉が▲58玉にいることだ。先手玉は戦場に近いので強い戦いができない。以下△52玉と寄って難解な勝負だ。
この変化と比べて△42玉に▲25桂とする変化は先手が損している。▲25桂以外の手段を探したいところだろう。
本線に戻る。△42玉に▲56歩が有力だ。▲68玉型で▲56歩は△46銀でお手伝いになるが、▲58玉型だと△47銀成▲同金△38角の筋がないので成立する。対して△44歩は▲55歩△45歩▲25飛で先手指せる。△46銀とかわすが、▲25桂で攻めが続く。代えて▲47歩とすると△37銀成▲同金△72角で後手良しになる。
▲25桂に△24銀は▲68角が痛い。後手にもう一歩あれば△28歩▲同飛△39角がうるさいのだが、歩が少ないので後手の攻めが細い。△42玉で△52玉の場合、▲56歩は最後の▲25桂がぬるい。△28歩▲同飛△39角で後手良しになる。
△52玉か△42玉か、後手玉の位置の違いを見て指し手を選びたい。
△52玉には▲75歩。△42玉には▲56歩と、先手は手を選ぶことができる。
手順 ▲47歩△63角▲56歩△44歩▲55歩△45歩。
△42玉に▲56歩は銀を取る狙いだが、△46銀を誘うので怖い手でもある。▲47歩と打つのは現実的な手だ。
▲47歩に△44歩は▲56銀と引く手を与えるので、△63角と打ち、▲56歩を見て△44歩と打つ。以下お互い銀を取り合った図がどうか。
最終図以下▲67金△44銀▲56金と盛り上がるか、▲68玉ー▲79玉と囲うか。▲47歩は実戦的な手順で、これも考えられる変化だ。
△55銀に▲47歩の変化
手順 ▲47歩△52玉▲56歩△44銀引▲同銀△同銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛△63玉。
最後に△55銀に▲24歩△同歩▲25歩と継ぎ歩せずに、▲47歩と打つ変化を検討したい。
△65歩は▲56銀とぶつけて先手指せる。後手は△52玉と形を整える。▲56歩以下銀交換し、▲24歩から歩交換する。
先手は一歩持って、次に▲75歩を狙っている。後手は△63玉と上がる。▲75歩の攻めをケアしつつ、次に△35歩と攻めたとき▲34角のラインから逃げている。
最終図は後手不満なし。▲68金△35歩▲55銀は△43銀で千日手模様だ。
▲47歩はキズをケアした手だが、後手も△52玉の一手が入って安定する。△55銀には▲24歩からどんどん攻めていきたい。