テーマ図

手順 △65歩。

先手が▲69玉ずらしに、後手が△63銀型で△41玉ー△31玉とずらす将棋だ。手順の理屈はこちらの記事で検討した。

前回は▲27飛に△54銀▲45桂と仕掛ける変化はこちらで検討した。その変化は少し先手が指せそうだった。

今回はテーマ図から△65歩と仕掛ける変化を検討したい。▲27飛の位置の悪さを咎める意味がある。

△65歩に▲同歩△54銀▲64歩の変化

手順 ▲65同歩△54銀▲64歩△95歩▲同歩△75歩▲同歩△65桂▲同銀△同銀▲63歩成△95香▲同香△76歩▲68銀。

▲65同歩の変化から見ていきたい。対して△54銀と繰り出す。単に△54銀は▲45桂で受け身になるが、△65歩▲同歩が入っていれば攻め合いに活路を見出せるという意図だ。

6筋の突き捨てを咎めるなら、▲64歩だ。

△95歩▲同歩△75歩▲同歩△65桂と攻め合う。△65桂に▲88銀は△39角。▲68銀は△44角。▲66銀は△86歩▲同歩△59角が痛い。▲65同銀△同銀▲63歩成と反撃する。

最終図、後手の攻めが続くかどうか。

手順 △98銀▲88香△89銀不成▲同玉△66桂。

▲68銀に後手がどう攻めるかだが、△98銀が良さそうだ。▲62とは△86歩▲同歩△同飛▲88歩△89銀不成▲同玉△66桂で後手良し。

▲88香は△86歩の防ぎだが、△89銀不成▲同玉△66桂で攻めが続く。▲79金には△63金と一歩入手し、▲92角や▲72角で両取りがかかるが、△67歩と攻め合って後手良し。

△66桂に▲62とも、△86歩▲同歩△78桂成▲同玉△96角▲87銀△86飛で攻めが続く。

△65歩に▲同歩△54銀▲45桂の変化

手順 ▲45桂△75歩▲33桂成△同桂▲35歩△65桂。

△65歩▲同歩△54銀に▲64歩は後手がたくさん攻めることができた。▲64歩に代えて▲45桂と攻める手はどうか。

▲45桂に△42銀は▲35歩で、以下△44歩▲66角△22角▲34歩△45歩▲22角成△同金に▲66角が味の良い角打ちで先手指せる。後手は銀を逃げずに△75歩と攻める。

▲33桂成△同桂▲35歩に△65桂と、お互い受けの手を一手も指していない。ノーガードの殴り合いだ。

手順 ▲65同銀△同銀▲24歩△同歩▲34歩△76歩▲33歩成△同金▲45桂△77歩成▲同桂△66桂▲65桂△76銀。

強気の姿勢で攻め合うなら、▲65同銀△同銀▲24歩△同歩▲34歩だ。後手は受けがきかないので、△76歩と攻める。

▲33歩成△同金▲45桂△77歩成▲同桂△66桂に▲33桂成は△78桂成▲同玉△67銀以下詰む。

△66桂▲65桂に△76銀とかぶせる。最終図は後手玉は詰まず、先手玉が詰めろなので後手指せそうだ。

手順中△86歩▲同歩を入れると最終図から、▲22銀△41玉▲42銀△同玉▲33銀成△51玉▲42成銀と追う筋がある。このとき△86歩▲同歩があると後手負けになる。

この一直線の順が後手良しだと、▲45桂と跳ねる変化は先手選びづらい。

△65歩に▲35歩の変化

手順 ▲35歩△66歩▲34歩△同銀▲24歩△同歩▲同飛△33歩▲29飛△24歩▲66銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛。

△65歩に▲同歩は素直かもしれない。取らずに▲35歩とする変化を見ていきたい。△同歩は▲45桂△42銀▲15歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛で先手指せる。

▲35歩に手抜いて△66歩が勝る。▲45桂は△22銀が好手で、▲34歩△44歩で対応できる。▲45桂に△42銀▲34歩△44歩は▲55角が好打になる。

以下お互い歩交換をしておく。

手順 ▲15歩△95歩▲同歩△15歩。

先手の攻め方が悩ましい。▲15歩の端攻めは一案だ。これに△同歩は▲13歩△同香▲12歩で先手良し。▲13歩に△95歩は証文の出し遅れで、手抜いて▲15香とされる。

▲15歩の瞬間に△95歩と突くのが重要な一手だ。▲14歩は△88歩▲同金△96歩で、先手が先に端を攻めたのに後手の端攻めの方がスピードが早くなっている。これは△24歩と▲87歩の歩の位置の差が影響している。▲87歩は△97歩成のあと飛車先が直通しているので△87とと寄れるが、▲13歩成は物足りない。△24歩がクッションになっているからだ。

▲95同歩になり、そこで△15歩と戻す。

最終図から▲13歩は△98歩▲同香△97歩▲同香△96歩▲同香△85角があり、▲12歩△同香▲13歩△同香▲12歩は△98歩▲同香△97歩▲同香△96歩▲同香△86歩▲同歩△同飛で後手指せる。

△95歩に▲22歩△同金▲64歩△同銀▲35歩なども考えられる。いずれも形勢不明だ。後手番でこの展開なら、後手としては不満ないかもしれない。

課題図

△81飛と引いた局面で先手がどう攻めるか先手の課題だ。

今回は▲27飛に△65歩と突く変化を検討した。

▲65同歩△54銀に▲64歩か▲45桂か。△65歩に手抜いて▲35歩と突くか、先手の分岐だ。

▲65同歩△54銀に▲64歩や▲45桂の変化は、激しい攻め合いになる。先手玉と後手玉の詰む詰まないが絡む。▲27飛の位置が悪く、後手が十分指せそうだ。

△65歩に▲35歩だろうか。お互い歩交換し、上記の課題図になる。難解な将棋だ。

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