テーマ図

手順 △94歩▲37桂△76飛▲15歩。

今回は▲68玉ー△52玉型の相掛かりを検討したい。

△94歩に代えて△74歩とする変化はこちらで検討した。

△94歩は、▲82歩に△93桂と逃げる余地を作り、次に△76飛と取る意図だ。

前回は△94歩▲37桂△76飛に、▲24歩△同歩▲同飛とする変化をこちらで検討した。

今回は△76飛に▲15歩と突く変化だ。

手順 △15同歩▲24歩△同歩▲82歩△86飛▲81歩成△同飛▲24飛。

△15同歩と自然に応じる。対して▲24歩△同歩▲82歩が継続手だ。

△93桂と逃げると▲81歩成△同銀▲24飛となって、△36飛は▲23歩△13角▲84飛△82歩▲15香で先手良しになる。△76飛にすぐ▲24歩△同歩▲同飛の変化には△36飛とする手が有力だったが、▲15歩△同歩が入ると△36飛とできなくなる。

▲24同飛に△23歩は▲84飛△82歩▲96歩から桂馬を狙って先手指せる。△34歩以下攻め合いになったとき△26歩と垂らす筋がないのが先手にとって大きい。

▲24同飛に△86飛と戻っても、▲23歩△13角▲94飛で、やはり次に▲14歩や▲15香が残る。

よって▲82歩には△86飛が勝る。せっかく△94歩と突いたのに桂損するのは関連がないようだが、あとで△16歩と逆襲できるので▲15歩が指しすぎと見ている。後手は桂損だが歩得でバランスが取れている。

△81同飛に▲24飛と走って歩を補充する。ここで後手は△23歩と打つか、△86歩と垂らすか。

▲24同飛に△86歩の変化

手順 △86歩▲84歩△23歩▲25飛△84飛▲66角△81飛▲88銀△34歩▲22角成△同銀▲77桂。

△86歩と垂らす手がまず見える。先手は飛車の横利きを生かして▲84歩と受ける。

△23歩▲25飛△84飛で歩を取られるが、▲66角△81飛▲88銀で受かる。

△34歩▲22角成△同銀▲77桂となった最終図の形勢は難しい。しかし先手から▲65桂ー▲45桂の攻めがいつでもあるので、後手が好んで選ぶ変化ではないだろう。

▲24同飛に△23歩の変化

手順 △23歩▲25飛△16歩▲同香△同香▲15飛△82香。

▲24同飛に△86歩は▲84歩で8筋を受けることができた。△23歩▲25飛に△86歩も▲85歩で受かる。△23歩▲25飛に△16歩と目線を変えるのが有力だ。

次に△17歩成を狙っている。▲15歩や▲18歩と受けると歩切れになるので今度こそ△86歩で受けがない。

▲35桂も見えるが、△34歩がぴったりだ。▲22角成は△同銀で手順に受かるし、▲23桂成は△同金▲同飛成△76桂で後手良しになる。

△16歩に▲同香△同香▲15飛と逆用する。△86歩は▲85歩で受かるが、後手は香を持ったので△82香と攻めることができる。

△82香に▲16飛の変化

手順 ▲16飛△86歩▲66角△87歩成▲同金△同香不成▲88歩△76金▲84香△83銀▲同香不成△同飛▲75桂△同金▲同角△74香。

▲16飛とする変化から見ていきたい。代えて▲12飛成と成り込むと、△86歩▲66角△87歩成▲同金△同香不成▲88歩△34歩で後手指せる。以下▲22角成△同銀▲87歩としたいが、▲22角成△同金が竜に当たるので先手失敗だ。また▲12飛成に単に△34歩もある。▲22角成△同金▲16竜△89香成としても後手指せる。

▲16飛に△86歩▲66角△87歩成▲同金となって、そこで△同香成は瞬間が甘く、▲45桂と先手に攻めのターンが渡る。△同香不成▲88歩△76金は手番重視の指し方だ。

△76金に▲87歩は、△66金▲同歩△34角が両取りだ。△76金には▲84香と打つ。△83歩は▲12飛成から攻め合って、後手の飛車が使えないので先手指せる。▲84香に△83銀が勝る。同じように▲12飛成なら△84銀で、次に△66金▲同歩△75銀と活用できる。

△83銀に▲同香不成△同飛▲75桂と打つ。△81飛なら▲87歩△66金▲83香と押さえる意味だ。▲75桂に△85飛と逃げても▲77桂が当たるので、適当な逃げ場所がない。△75同金▲同角△74香と手番重視で攻める。

▲84金の変化

手順 ▲84金△81飛▲74金△同歩▲66角△34歩▲22角成△同金▲87歩△同飛成▲98角△76桂▲58玉△69角▲48玉△67竜▲59銀。

▲84銀か▲84金の分岐になる。▲84金は△74香を取る狙いだ。

▲84金に△81飛▲74金△同歩▲66角△34歩▲22角成△同金▲87歩△同飛成と進む。ここで▲88歩は△76桂▲58玉△88桂成が厳しい。△87同飛成に▲78銀打と打ちたいが、やはり△76桂がある。以下▲58玉は△68金が痛いし、△76桂に▲69玉と引いても△88角▲87銀△79角成▲58玉△39銀で受けなしになる。

この場合は▲98角と受けるのが良さそうだ。△82竜や△84竜と引くのは▲55香と打って、(▲56香は△64桂がある)先手に手番がくる。

▲98角に△76桂▲58玉△69角▲48玉△67竜▲59銀となった最終図は形勢不明。

手順中△22同金と取ったが、▲12飛成の成り込みをなくした点(△22同銀は▲12飛成が△21桂取りになったが、▲11飛成なら△21桂取りにならない)と、最終図を見ると分かるように▲98角の利きで将来の▲44桂の筋から逃げている意味がある。

▲84銀の変化

手順 ▲84銀△81飛▲87歩△75香▲同銀△34角▲84香△16角▲81香成△88歩▲82飛△62飛▲83飛成△89歩成▲74歩△同歩▲同銀△79と▲66香。

▲84金の変化も難解だったが、▲84銀の変化も難しい。

△81飛▲87歩△75香に▲83香と打つと△15歩▲同飛△56桂▲同歩△24角の王手飛車で後手指せる。▲75同銀とするのが勝る。

対して△87飛成は▲88歩△76桂▲58玉△88桂成に▲77金がしっかりした受けになる。▲75同銀に△34歩と突くのは角を使って本筋だが、▲84香△83歩▲66香と進んで後手の飛車角の働きが良くない。

△34角は面白い手。▲12飛成なら△87飛成が、△89竜と△67角成の両狙いになる。しかし▲84香△16角▲81香成と飛車を取り合ったとき、後手の△16角と△22角の働きが悪いのが懸念点だ。

▲81香成△88歩に▲同銀は△76桂がある。△88歩に代えて△26桂も見えるが、▲45桂△38桂成▲71成香△同金▲53桂成△同玉▲51飛で一気に寄り筋になる。

先手は△88歩の瞬間に▲82飛と王手する。△62桂と合駒してくれれば▲88銀と戻せる。△41玉と逃げても▲71成香の追撃ある。よって△62飛と合駒して、▲83飛成△89歩成▲74歩△同歩▲同銀△79と▲66香と一直線に進んだ最終図が難しい。

最終図以下△72銀か△51桂と受けることになるが、先手の攻めもうるさい。形勢不明。

△82香に▲86歩と打つ変化

手順 ▲86歩△同香▲16飛△88香成▲同銀△34歩▲66香△13歩。

△82香に▲16飛と取る変化を検討してきた。対して△86歩と垂らして難解な将棋だった。▲16飛と取る前に▲86歩△同香と取らせれば△86歩と垂らせなくなる。しかし先手の持ち歩歩が少なくなる。

▲86歩△同香▲16飛に、△88香成▲同銀△34歩と突く。これが意外と受けづらい。▲87歩は△15歩▲18飛(▲同飛は△33角打)△35歩で後手指せるし、▲77桂は△同角成で、▲77同銀は△89飛成、▲77同玉は△95角▲66玉△68角成がある。

よって▲66香と受けるが、働いているか微妙な香車だ。対して△13歩と受けておいて後手不満ないだろう。

先手としては▲86歩△同香▲16飛の変化は妥協した順なので、単に▲16飛とする変化で何か手段を考えたい。

まとめ

今回は△76飛に▲15歩と突く変化を検討した。

前回検討した▲24歩△同歩▲同飛の変化よりも激しくなりやすい。

△15同歩▲24歩△同歩▲82歩に△93桂は▲81歩成△同銀▲24飛で先手の主張が通る。

△94歩との関連は薄いが、先手の▲15歩が指しすぎとみて△86飛とするのが勝る。

▲81歩成△同飛▲24飛に△86歩と垂らすと、▲84歩△23歩▲25飛△84飛▲66角△81飛▲88銀で受かる。8筋はキズなので楽しみにしておいて、▲24同飛に△23歩▲25飛△16歩が良さそうだ。

▲16同香△同香▲15飛△82香に▲86歩△同香▲16飛は、△88香成▲同銀△34歩で後手不満ない。△86歩と垂らされるが、単に▲16飛と勝負したい。

▲16飛に△86歩▲66角△87歩成▲同金△同香不成▲88歩△76金▲84香△83銀▲同香不成△同飛▲75桂△同金▲同角△74香と進んで、▲84金と▲84銀の分岐になる。

いずれも形勢不明だ。

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