テーマ図

手順 ▲38飛。

今回は△32銀型の雁木に対する先手の対策を見ていきたい。

△32銀型に組むメリットや理屈については、こちらの記事で検討した。

一つ考えられる先手の対策は、▲78銀型に組んで▲38飛と寄る順だ。▲88銀型だど▲38飛と寄る変化はやりづらい。先手玉が薄い、△55角が銀に当たるなど多くの変化で後手が得する。

▲38飛に△73銀

手順 △73銀▲35歩△同歩▲同飛△64銀▲46歩。

後手は△32銀型で待機し、△73銀や△73桂の攻めを急ぐ意図だ。そうすることで先手の▲37銀ー▲35歩の攻めを牽制している。

先手は▲38飛と寄って、△73銀ー△64銀の繰り出しよりも早い攻めを目指している。

▲38飛にそれでも△73銀だと、▲35歩△同歩▲同飛と歩交換し、△64銀に▲46歩と突く。次に▲34歩△22角▲45歩の攻めを狙っている。

手順 △43銀▲45歩△34歩▲44歩△同角▲同角△同銀▲34飛△33銀▲39飛。

▲46歩に△52金も考えられる。▲34歩△22角▲45歩なら△43金で受かるが、▲47銀△43金▲34歩△22角▲56銀△33歩▲同歩成△同銀▲66歩と駒組して先手十分だ。

▲46歩に△43銀は▲34歩△22角▲45歩なら△32金と受ける意図だ。この場合は単に▲45歩と突くのが良さそうだ。

対して△32金と上がると、▲33飛成で一気に先手良しになる。△同桂は▲44歩△34銀▲35歩だし、△同金も▲44歩△同銀▲34歩△同金(△43金は▲45歩△55銀左▲56歩)▲43角が痛い。

▲45歩に△34歩と受けるが、▲44歩△同角▲同角△同銀▲34飛△33銀▲39飛とした最終図は先手を持って指してみたい。以下△32金は▲34歩△22銀▲37桂の活用が味良く、△55角は▲66角△19角成▲24歩で攻めが続く。

▲38飛に△43銀

手順 △43銀▲37銀△32金▲35歩。

▲38飛に△43銀と上がるとどうなるか。▲35歩△同歩▲同飛なら△34歩と追うことができる。

△43銀を見て▲37銀と上がる。△43銀と上がって当たりが強くなったので▲37銀と上がりやすい。また△43銀と上がると、△45歩と突いたとき▲33角成△同銀と形良く取れなくなっている。

△32金▲35歩となった図は早くも先手ペースだ。△35同歩には▲46銀からの攻めが早い。▲46銀では▲26銀でも同じようだが、△75歩▲同歩△86歩▲同歩△88歩の変化を与える。

こちらの記事では▲88銀型で検討したが、▲78銀型でも有力。▲78銀型が生きる変化も多い。

▲38飛に△52金

手順 △52金▲35歩△同歩▲同飛△43金▲34歩△22角▲46歩△33歩。

△73銀と上がると▲35歩△同歩▲同飛の攻めがあり、△43銀と上がると▲37銀に切り替えられる。どちらにも対応できるように△52金と上がるのが有力だ。

対して▲37銀ならすぐ△45歩と突いても、△73桂▲35歩△同歩▲26銀と引きつけてから△45歩と突いても後手対応できる。

△52金に▲58金右と手を入れても△43金と上がる。▲28飛の格好で△43金と上がるとウソ矢倉と呼ばれる作戦になるが、▲38飛と形を決めてくれたので後手は△43金と上がりやすくなる。相矢倉の将棋になったとき▲38飛の分だけ先手が損する。

△52金▲35歩△同歩▲同飛には△43金と上部を厚くする。以下▲34歩△22角▲46歩に△33歩とキズを消すことができる。

手順 ▲33同歩成△同銀▲47銀△34歩▲38飛△54歩▲56銀△31角。

▲33同歩成△同銀▲47銀と駒組すると、△34歩とキズを消して後手は矢倉に囲える。

最終図は一局ながら後手不満なし序盤戦だろう。

△33同銀に▲45歩も考えられ、△同歩なら▲24歩△同歩▲23歩△31角▲37桂とする狙いだが、▲45歩に△34歩や△73銀として難しい。

▲38飛と寄るのは考えられる作戦だが、△52金と上がられたとき先手がどのような方針で指すのかは課題。

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