今回は後手四間飛車の変化を検討したい。
目次
第１図 テーマ図
手順 ▲77角△74歩▲36歩。
第１図から▲36歩と急戦を目指し、△82玉を見て▲77角から穴熊に組む変化はこちらで検討した。
今回はその逆だ。
▲77角と穴熊を目指し、△74歩を見て▲36歩から急戦にする変化だ。
△74歩に▲88玉△73桂▲66歩△64歩▲67金△82銀・・・の変化も一局だが、後手はミレニアムに囲えるのでまずまずだ。
第２図 △54歩から角を転換
手順 △62金上▲46銀△54歩▲35歩△32飛▲34歩△同銀▲38飛△45歩▲33角成△同飛▲37銀△43銀。
△74歩と突いてしまったので△82玉ー△72銀の美濃囲いはコビンが気になる。
△82玉とは寄らず、△62金上の一手で囲いを済ませる。
▲46銀に△54歩も大切な一手で、将来△42角ー△64角の転換を見ている。
▲35歩△32飛に▲68金上は、△42角▲38飛△35歩▲同銀△64角で後手指せる。
△32飛▲34歩△同銀▲38飛の攻めに、△45歩と反撃する。
▲33角成△同飛に▲57銀は、△43銀と強くぶつけて勝負する。
以下▲33飛成△同桂▲34歩△同銀▲31飛には△43銀と引いて▲33飛成に△44角を用意し、▲11飛成には△25桂と跳ねて△44角と△28飛を狙えば後手指せる。
▲33飛成に代えて▲34歩は有力で、△同飛▲同飛△同銀は▲77角と打って次に▲31飛と▲11角成を狙って先手指せる。すぐ▲31飛と打ち込むと△22角で後手指せる。
よって▲34歩には△32飛が勝り、▲77角△44角と応じて難しい将棋だ。
▲33角成△同飛に▲37銀は、飛車交換を避けてゆっくりした展開にして▲22角や▲24歩△同歩▲22歩を間に合わせる狙い。
これにも△43銀と引いてどうか。
最終図以下▲22角は△44角で切り返せる。▲88銀は△37飛成があるので▲33角成△同桂▲88銀とするが、△55歩として後手好調だ。
▲66角には△64角と打ち返す。△74歩と突いた効果で角が広い。
いい勝負だ。
第３図 ▲37桂からの持久戦は先手不満
手順 ▲37桂△73桂▲66歩△64歩▲67金△81玉▲88玉△65歩▲同歩△同桂▲66角△45歩。
▲35歩と仕掛けずに▲37桂から持久戦を目指すのは、△73桂ー△64歩と駒組みして後手不満ない。
▲67金に△63金左▲88玉△84歩▲98香△82銀・・・から銀冠に組んでも一局だが、穴熊に組まれるのが悔しい。
▲67金に△81玉と工夫してみたい。
玉を深くし、次に△65歩の仕掛けを見ている。
▲88玉に△65歩▲同歩△同桂▲66角△45歩と仕掛け、▲同桂△66角▲同金△39角▲68飛△57桂成としてどうか。
△81玉の効果で、▲64角や▲64桂を緩和できている。
▲88玉に代えて▲86角△63金左▲88玉と工夫しても、△41飛と引いて次に△65歩を狙える。
第４図 △62金上を見てまた穴熊にシフト
手順 ▲88玉△73桂▲66歩△64歩▲67金△45歩▲78金△54銀▲86歩。
△62金上で後手がミレニアムに囲いづらくなったのを見て、また穴熊を目指す順も考えられる。
▲88玉△73桂▲66歩△64歩▲67金△45歩に、▲35歩（将来▲34歩と打てるように）△同歩▲24歩△同歩▲65歩と仕掛ける手もあるが、△同桂▲33角成△同桂▲66銀△46歩▲同歩△54銀で難解。
▲69金が離れているのが気になる。
▲78金は自然な一手だが、△54銀と上がる手が間に合う。
対してすぐ▲98香は△85桂▲59角△65歩で後手ペース。
一回▲86歩と突いて△85桂を消してから穴熊を目指す。
最終図以下、じっくり指すなら△81玉▲98香△72金▲99玉△62金左と囲う。後手番なので手損は気にならない。
攻めるなら△84歩▲98香△85歩だ。
いずれもこれからの将棋だ。
テーマ図から▲36歩△82玉▲77角か、▲77角△74歩▲36歩かの判断は難しいところ。
現状は▲36歩△82玉▲77角の将棋を好む人が多い印象だが、それぞれの棋風に合った作戦を選ぶと良いだろう。