すぐに役立つ戦術を紹介したい。

今回は後手四間飛車で、先手がミレニアムを目指したときの将棋だ。

△32銀を保留する工夫

手順 ▲66角△71玉▲88銀△82玉▲77桂△54歩。

先手は穴熊やミレニアムを目指して持久戦にするのか、▲36歩から急戦にするのか態度を明らかにしていない。

ミレニアムを警戒して、△32銀を上がらずに駒組みをしているのが工夫だ。

図から▲57銀なら△32銀と上がって多くの変化と合流する。

▲57銀△32銀以下、▲36歩△71玉▲68金上とする急戦は、こちらの記事で検討した。

さらに詳しく踏み込んだ変化は、こちらの記事で検討した。

▲66角はミレニアムを目指した手だ。

以下△71玉▲88銀△82玉▲77桂△54歩と、あくまでも△32銀を保留して駒組みをする。

どのような効果があるのだろうか。

飛車を振り直して△53銀型を作る

手順 ▲36歩△32飛▲79金△42銀▲89玉△53銀▲68金寄△63金▲78金寄△65歩▲57角△55歩▲同歩△64銀。

図から▲79金は、△63金▲89玉△52飛と中飛車にされる可能性がある。もちろん一局だが、中飛車にされると▲57角と引きづらくなる。

▲36歩は次に▲35歩△同歩▲38飛の動きを見せて、後手陣を牽制している。

先手の仕掛けを警戒して△32飛と振り直す。手損になるが、次に△42銀ー△53銀と上がれるようになる。

△32銀を保留したのは、△53銀型を作りたいからだ。

最終図は△64銀型まで組むことができた。後手まずまずだ。

手堅く指すなら△22飛

手順 △22飛▲36歩△42銀。

△54歩▲36歩に△22飛は、▲35歩△同歩▲38飛と仕掛けて先手ペース。

▲36歩に△32飛と回るのは、▲35歩の仕掛けを警戒する意味があった。

△54歩を後回しにして、△22飛と回るのも有力。△32飛型の場合は、▲57角と引いて▲24歩△同歩▲同角と動く筋があるが、△22飛型ならその筋はない。

最終図から▲35歩△同歩▲38飛は、△45歩で対応できる。以下▲35飛△66角▲同歩△33歩と収めておいて、次に△24歩や△28角を狙うのが一例。

▲77桂を見てから飛車を振り直したい

手順 △32飛▲86歩△42銀▲87銀△54歩▲88玉△53銀▲78金△65歩▲77角。

後手は▲77桂を見てから飛車を振り直したい

すぐ△32飛と指してきたら、先手は▲86歩から銀冠に組んで、さらに穴熊を目指す。

最終図は先手十分。このあと▲98香ー▲99玉と穴熊に組めそうだ。

比較

後手三間飛車の図と比較してみたい。

後手三間飛車でも△42銀を保留する工夫があった。

詳しくはこちらの記事で検討した。

図から▲36歩△71玉▲46歩と急戦できたら、△42飛▲37桂△32銀とする作戦だ。

四間飛車の変化も三間飛車の変化も、銀の動きを保留することで先手の作戦に対応しやすいという意味がある。

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