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第１図
今回は△86歩に①▲65桂でもなく、②▲88歩でもなく、③▲22歩の変化を調べていきたい。
まずは自然の△22同銀から。
△同銀に▲65桂と跳ねてみる。
△87歩成▲同金△89飛には▲88角と受けて、△11香取りにはなってないが△22銀を睨んでいる。
以下△86歩に今度▲86同金と取れる。▲22歩△同銀を入れなかった場合は、▲86同金以下△44角▲同角△同歩▲88角△64角で先手悪かった。
△44角を入れずに単に△64角とすると、▲45桂△86角▲56飛で先手指せる。
変化
最終図△64角まで進むと、先手失敗。
△22同銀があれば、△44角▲同角△同歩に▲16角が激痛で、先手良しになる。
▲16角以下、△43角は▲同角成△同金▲32飛がある。△43同玉も▲41飛だ。
▲22歩△同銀があると△86歩は打ちづらくなるが、△64歩がつきやすくなる。
▲22歩を入れない場合だと、▲53桂成△同玉▲83飛で先手良しだった。
▲22歩△同銀があると、後手に歩を渡していて先手への攻め筋が多い点、△31玉まで逃げられるので懐が深い点、などで後手が得をしている。
▲83飛以下は２つの進行が予想される。
一つは△52玉▲81飛成△56歩から攻め合う手。
もう一つは△63角と受けに回る手。△44角の味がいい。どちらの展開も有力だ。
先手としてはどちらの変化もうまくいってなさそうだ。
▲22歩△同銀を入れない変化で、△64歩をついたときと比較してみたい。
後手に歩を渡してないので、▲86飛成から持久戦を目指しやすい。
この変化は先手良しになる。
▲22歩を入れた場合は△86歩に▲同金と取れたが、△86歩に▲45桂とする変化も複雑だ。
▲43飛成まで進んで、部分的には必至がかかる。△32金と受けると▲42銀△22玉▲32竜△同玉▲33金△同桂▲同桂成△21玉▲22歩△12玉▲24桂で詰む。
△69角から追って行って、△15角をきかして△42歩とすれば受かっている。
よって▲45桂は成立しない。
▲22歩△同銀▲65桂は△86歩に▲同金とできるようにした工夫だが、△64歩とされたときに先手が損した。
そこでもう一本▲82歩が有力だ。
第２図
①△同銀と②△87歩成が考えられる。
△同銀には▲45桂と跳ねる。▲65桂と跳ねると△33桂で▲45桂を防がれる。
▲82歩を入れずに▲65桂△33桂だと▲23歩△同銀▲24歩と、歩を使うことができた。
△87歩成に▲56飛が好手。
▲56飛に代えて▲65桂は△78とで、▲53桂左成△41玉▲52角△同金▲同成桂△同玉▲72飛△62桂で届かない。後手から△15角や△26角が攻防手で入る。
最終図▲52角と詰めろをかけた図は先手勝ち。
▲82歩△同銀を入れた効果は一目瞭然だ。▲82歩を入れないと▲52角が詰めろにならず、後手勝ちになる。
次に②△87歩成だ。
△87歩成には手抜いて▲81歩成が入る。△78と▲71と△79と▲61とは先手勝ち。
やむを得ない△62銀だが、そこで▲87金と戻す。
△86歩▲同金△64角に▲34飛で切り返せる。
最終図▲68玉として次に▲78玉を見せた図は、先手の桂得で先手指せる。
単に▲82歩とすると、今度は△同銀と取りやすい。▲22歩△同銀があれば△87歩成に▲56飛で先手良しだったが、今度は△42銀で受かる。
△87歩成に▲65桂の攻め合いも、最終図△42銀で受かっている。常に△15角、△26角のラインがある。
今までの変化をまとめると、
▲22歩△同銀に▲65桂は後手面白い。しかし▲22歩△同銀▲82歩がある。
つまり第１図で▲22歩が入るかどうかが重要だ。
▲22歩に△87歩成はどうか。
△87歩成に▲同金が入れば、△89飛▲88角でそこで△22銀を戻す。
これなら▲22歩△同銀▲82歩の変化を消していて、▲22歩△同銀▲65桂の変化に合流できている。
△87歩成に▲21歩成で攻め合いはどうか。
▲32ととして▲42飛からの詰めろがかかった。
後手の△88飛にどうするか。
単に▲68桂とすると、△62玉▲65桂と進んで△69銀▲59玉△77角くらいで先手負けだ。
▲78歩△同飛成を入れておけば▲65桂が、▲84角以下の詰めろになる。
しかし最終図以下、△95角や△69銀▲59玉△95角が攻防手になって先手自信なし。
本当は▲68桂で▲68金合としたいが、△69銀で▲59玉は△68竜以下詰む。
△69銀▲48玉では金が取られてしまう。
▲22歩に△87歩成は入りそうだ。
第３図
▲22歩が入れば嬉しいが、△87歩成が一回入る。
▲22歩の評価は、第３図の形勢がカギを握る。