奨励会1級のときに指した将棋を紹介します。

この局面は相雁木の終盤戦で、▲34銀と打たれて後手の私の手番。

駒の損得は角と金の交換だが、玉の固さ、駒の効率は先手がはるかに良いため、はっきり先手優勢だ。

こうも悪いとため息をついて頭がガクンとなってしまうが、なんとか逆転の筋を見つけなくてはならない。きついけど。

△33銀▲同銀成△同桂▲34銀△45銀▲同銀△87歩成▲同金△67銀。

次に▲43成桂とされると後手玉は寄ってしまうので、まずはなんとか受けなければならない。単純に43の地点を受けようと△42銀と打つのは、▲23歩や▲23金で分かりやすく負けてしまう。ここは△33銀と打つのが一番良い抵抗。▲33同銀成に△同金も考えられたが、▲34歩△32金▲43成桂△同金▲44歩△同金▲33銀以下寄ってしまいそうだ。本譜は△33同桂とし、▲34銀に△45銀で勝負。▲45同銀で撤退させたこの瞬間に先手玉に嫌みをつけていく。△87歩成▲同金△67銀でどうか。

▲67同銀△同歩成▲同金△66歩▲同金△86歩▲同金△45桂。

ここで見切って▲34銀打などで攻められたら負け。以下△68銀成▲同玉△45桂▲33歩△67銀▲77玉で上部が広い。本譜の▲67同銀でも先手勝ち。△67同歩成▲同金ですっきりした感がある。なんとか嫌みをつけるために△66歩▲同金△86歩で勝負。ここで▲23銀から寄せにいけばはっきり先手勝ちだったが、ここの利かしも通って▲86同金。やりたいことは全部やって△45桂と取り返すことができたので、最初の局面に比べてだいぶ勝負形になってきたし、勝ちの変化も発見した。

▲33歩△同金▲34歩△57桂成▲33歩成△68角。

先手も今が攻めのチャンスとばかりに▲33歩△同金▲34歩と歩の連打で厳しく迫る。この手が詰めろだとはっきり負けだが、ギリギリ自玉は詰まなそう。ここまできたら唯一の勝ちの変化になることを祈るだけ。△57桂成と先手玉に迫る。ここで、▲78金と受けられてもはっきり負けだが、ここは読み切ったのか▲33歩成と必至をかけてきた。

さあ、最後のお願い△68角!

▲88玉△79角打▲同飛△87銀!▲同金△79角成▲98玉△68飛▲88歩△同馬▲同金△87銀▲同玉△81飛▲86歩△同飛▲投了

▲88玉!きたきた大逆転!唯一見つけた勝ちの変化!詰将棋作家としてはこれを逃す訳にはいかない。しっかり確認をして△79角と打つ。▲同飛に対して△87銀!が気持ちの良い捨て駒。▲87同玉は△86角成以下詰みなので▲87同金だが、そこで△79角成と飛車を取るのが好手順。▲79同玉には△78銀が好手。▲78同玉△58飛▲77玉△68飛成▲86玉に△81飛と眠っていた飛車がお目覚めになる。▲97玉に△87飛成▲同玉△86歩以下ピッタリ詰み。本譜は△79角成に対して▲98玉とかわしたが、△68飛▲88歩△同馬▲同金△87銀▲同玉△81飛でこちらも機能停止していた飛車が復活。▲86歩に△86同飛で先手の投了となった。投了図以下は、▲86同玉に△88飛成▲87歩△85金で先手玉は詰み。△68角の王手に▲88玉としたのが敗着で、代えて▲78玉なら先手玉は詰まずに私の負けだった。

劇的な逆転勝利。桂馬の三段跳びからの最後の綺麗な詰み筋と我ながら芸術点高い内容だった。

将棋最高!!!

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