ライター各自、黙々と記事を更新してきた将棋ジャムですが「せっかく将棋指せる人が集まったわけだし、メンバー同士でも指そうぜ!」というノリで、新企画が二つ始まりました。

1つ目がすでに公開されている「まつぼっくり初段への道」企画で、もう一つが今回から始まるメンバー内マッチ」です。記念すべき第1戦は、ライターの私たいちたと、開発担当のKentaさんで行われました。

先手:Kentaさん
後手:たいちた

後手はしばらく居飛車か振り飛車かの態度を明らかにしませんでしたが、12手目に△84歩と突いて相居飛車が確定しました。16手目の△74歩がやってみたかった手で、△43銀を保留して後手番ながら積極的に動いていく狙いです。

本局のお相手であるKentaさんは、サイト全体の運営やWordPressの管理をしてくれています。動く将棋盤をサイトに実装してくれたのもKentaさんです。将棋の実力も折り紙付きで、こちらの対局では居飛車側を持って登場し、危なげない勝利を収めています。

後手の速攻狙いを察知した先手は、▲58金右を保留して21手目▲35歩と、機先を制すべく動いてきました。代えて単に▲46銀は△75歩▲同歩△64銀と先攻され、▲35歩には△45歩と反発される変化があります。形勢はともかく、先手としては選びづらいでしょう。

以下27手目▲26飛と浮いた局面が方針の岐路。
強く反発していくべきか、局面を収めにかかるべきか。

上図から△75歩が更なる急流への入口となった一着。通常の雁木であれば、この突き捨てが祟ることはそうそうないですが、本局は△32銀型なので、立ち止まった瞬間▲34歩が痛打となってしまいます。

代えて△45歩▲55銀△43銀▲36飛に△32金(下図)と上がっておけばもう少し穏やかでした。以下▲37桂には△54歩と銀を追い払ってどうか。

32手目△45歩からは両者アクセル全開で、ひたすら取れる駒を取りながら前進していきます。形勢は後手が少し苦しそうですが、止まると駒損だけが残ってジリ貧なので、とりあえず王手がかかる形にして肉薄するのが勝負の呼吸というもの。

「車で断崖絶壁に向かってアクセルを踏み続け、ギリギリまでブレーキをかけなかった方が勝ち」という闇のゲーム「チキンラン」から生還したアカギも言っていました。

“あの断崖は一定の距離を飛ぶと急激に海が深くなっていて、なまじブレーキを踏むよりずっと助かる公算が高い”

42手目△35角で王手飛車がかかりましたが、先に銀2枚を損しているので形勢は依然少し後手が悪そうです。▲58玉は自然ですが、▲46銀と強く弾く手も有力でした(△同歩は▲41銀成△同玉▲36飛がぴったり)。その場合は上の最終図で▲45銀と手を戻して、中段玉の手厚さを主張する感じになります。

本局は24の早指し2で行いました。Kentaさんもここは猶予時間ギリギリまで考えられていたので、比較されていたと思います。一本道を突き進んでいるようでも、読む必要がある変化は膨大です。

Kentaさんは終局後「▲31角がひどかった」との感想を話していました。△62玉からの逃げ道が広いので、やや厳しさに欠けていたようです。△37歩成~△47とを利かしてから最終図の△62玉が味の良い早逃げで、以下は一手勝ちの流れです。

感想戦では「単に▲68玉でした」とすぐにAIの最善手を言い当てられていたので、もう少し持ち時間があればそのまま負けていたと思います。こちらの序中盤はややお粗末でしたが、記事映えする展開になったので良しと言うことにしておきましょう。

Kentaさん、対局ありがとうございました!

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