今回は先手四間飛車に、後手が急戦を目指す変化を検討したい。
目次
第1図 ▲39玉型にも穴熊は組みづらい
手順 △33角▲67銀△22玉▲36歩△44歩▲37桂△12香▲45歩△11玉▲56銀△22銀▲44歩△同銀▲65歩。
急戦の変化を検討する前に、まず第1図から穴熊に組む順を見ていきたい。
素直に穴熊に組む順がやりづらいので、急戦の変化が見直された経緯がある。
通常の藤井システムは▲59玉型や▲48玉型で、1筋から遠い特徴がある。
第1図では早めに▲39玉と引いているが、▲16歩△14歩と受けている格好なので、▲39玉型でも藤井システムが成立する。
第1図から△33角▲67銀△22玉▲36歩△44歩▲37桂と進み、△43金と上がると、▲65歩△12香▲25桂△42角▲45歩△32玉▲56銀△22銀▲64歩△同歩▲44歩△同銀▲65歩△同歩▲同飛△64歩▲45飛が成立する。
▲37桂に△12香を急いだのは、▲65歩△11玉▲25桂のとき△22角と引けるようにした意味だ。
これは先手失敗だ。
▲15歩△13歩の格好で△22角と引くのは悪手になるケースが多く、いつでも▲13桂成と成る筋で攻めが続くが、今回は▲16歩△14歩の格好なので△22角と引きやすい。
だから、△12香には▲45歩と突く。
最終図は先手まずまず。
一歩補充できたのが大きく、いつでも▲15歩△同歩▲13歩と攻めることができる。そのための▲45歩だった。
最終図以下△55歩には強く▲同銀として、△同銀▲25桂△24角(△44角は▲45歩)▲55角で捌ける。
▲45歩の変化は、こちらの記事で詳しく検討した。
この変化を後手が嫌って、急戦を匂わせる。
第2図 △55角戦法もある
手順 △74歩▲67銀△55角。
△74歩と突いて急戦を匂わせる。
▲67銀に△55角と上がるのが、△55角戦法と呼ばれる作戦だ。
▲47金や▲47銀と受けさせて、先手陣を乱す意味だ。
▲47金には△64銀▲78飛△75歩▲59角△72飛・・・と仕掛ける。
▲47銀には△33角と引き、以下▲28玉には△22玉から穴熊、▲36歩には△64銀から急戦を目指す。
▲45歩には△33角から穴熊に組んで、後手作戦勝ちだ。
このあたり、理屈が難しい。
△55角戦法は、こちらの記事で詳しく検討した。
第3図 テーマ図
手順 △64銀▲28玉△75歩▲78飛△42金上。
△55角戦法は、急戦と穴熊を天秤にかける指し方だ。
後手は、先手の指し手によって手を変える必要があり、ややこしい。
△55角とせずに△64銀と上がるのは、急戦の意思表示だ。
最終図がテーマ図だ。
▲75歩△同銀▲65歩は、△77角成▲同飛△74歩▲76歩△84銀▲78飛△86歩▲同歩△95銀で、先手がうまくいかない。
第4図 ▲56歩の変化
手順 ▲56歩△76歩▲同銀△72飛▲65歩△77角成▲同飛△73銀▲66角△33角▲55歩△同角▲同角△同歩▲66角△88角▲67銀△74歩。
▲56歩の変化から見ていきたい。
対して△76歩▲同銀△72飛と寄る。
単に△72飛も、▲65歩△77角成▲同飛△76歩▲同銀となれば本線と合流する。
△76歩▲同銀△72飛▲65歩△77角成▲同飛に△73銀と引くのが好手。
代えて△53銀だと▲67銀や▲85銀で飛車交換になるが、△73銀なら飛車交換にならない。
△73銀に▲74歩△同銀▲85銀が怖く見えるが、△83銀と引いて後手陣に飛車の打ち込みがない。
△73銀に▲55歩は、手抜いて△88角がある。
▲66角△33角▲55歩△同角▲同角△同歩とすることで、▲55歩△同歩に限定できる。
最終図は後手十分。
もし最終図で▲96歩△94歩の交換があれば、▲76飛△66角成▲同飛△88角▲77角△79角成▲97桂のような指し方が可能になる。
▲96歩の価値は高い。
第5図 ▲96歩の変化
手順 ▲96歩△72飛▲65歩△77角成▲同桂△76歩▲64歩△77歩成▲61銀△73飛▲52銀成△同金▲63歩成△同金▲83金△78と▲73金△同桂。
▲96歩の価値が高いので、▲56歩よりも優先する。
対して第4図と同じように、△76歩▲同銀△72飛▲65歩△77角成▲同飛△73銀は、▲64歩と突き、△同銀は▲65銀。△同歩は▲83角△82飛▲56角成△88角▲97香とできる。
最後▲97香とできるのも、▲96歩の効果だ。
△76歩▲同銀△72飛とせず、単に△72飛と寄る。
これなら▲65歩△77角成▲同飛のとき、△76歩ではなく△55銀と変化できる。
以下▲75歩△88角▲76飛△99角成▲74歩△89馬▲61角△71飛▲83角成・・・が予想される。
後手の飛車は閉じ込められたが、桂香得なので後手不満ない。
△77角成▲同桂と変化する手もあるが、一直線に進め、最終図は後手指せる。
第6図 ▲98香の変化
手順 ▲98香△94歩▲56歩△84飛▲59角△74飛。
▲98香と上がれば、△76歩▲同銀△72飛は▲65歩△77角成▲同飛△73銀▲64歩。単に△72飛は▲65歩△77角成▲同飛△55銀▲75歩で、いずれも先手が対応できる。
▲98香の効果で、△88角が香取りにならない。
▲98香を見たら、△94歩▲56歩△84飛と浮く。
次に△73桂と跳ねれれば理想形だ。
△72飛ではなく、△84飛ー△73桂の形にシフトされたとき、▲98香が甘い手になる。
最終図は後手満足。
▲75歩△同銀▲76歩と収めたいが、△66銀▲同銀△同角▲75銀△同飛▲同歩△69銀と踏み込んで後手指せる。
▲59角に代えて▲68角でも、▲75歩△同銀▲76歩△66銀▲同銀△同角▲75銀△同飛▲同歩△69銀▲76飛に△39銀が好手で後手指せる。
まとめ
▲56歩には△76歩▲同銀△72飛。
▲96歩には△72飛。
▲98香には△94歩▲56歩△84飛。
先手の手に応じて、後手の指し方を変えていきたい。
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