玉を詰ますとき、攻め駒は基本的には2枚必要だ。具体的な図で見てみよう。

これは頭金の図だ。玉が一枚に対して、攻め駒が2枚ある。△52同玉と取りたいが、▲53金が52の地点にきいている。「王手を掛けている駒に紐がついている、その駒を玉以外で取れない、玉が逃げられない」が基本的な詰まし方だ。

つまり、この図は飛車で取れるので詰んでいない。

この図は△62玉と取れないが、△41玉と逃げれるので詰んでいない。

次の図は2つ目のパターンだ。この図は合駒がきかず詰んでいる。「王手を掛けている駒を取れない、合い駒がきかない、逃げられない」という条件だ。△21歩合に▲同飛成とした図はパターン1の条件になっている。

次は両王手。これは「王手を掛けている駒が2つあり、その両方を防ぐことができない」パターンだ。両王手は3つ同時に掛かることはない。もしあったら、それは王手放置をしている。

桂馬だと攻め駒1枚で詰ますことは容易にできる。「王手を掛けている駒が取れない、そして玉が逃げられない」という条件だ。

4つのパターンを見てきた。

「王手を掛けている駒に紐がついている、その駒を玉以外で取れない、玉が逃げられない」

「王手を掛けている駒を取れない、合い駒がきかない、逃げられない」

「王手を掛けている駒が2つあり、その両方を防ぐことができない」

「王手を掛けている駒が取れない、そして玉が逃げられない」

1番目と2番目は似ていて、無駄合をすることで1番目になった。

一番最後を除いて、いずれも攻め駒が2枚必要だった。攻め駒1枚で玉を詰ますパターンをもっと見ていきたい。

図は9手詰だ。王手の入りではないが、詰んでいる。初手は▲12飛でも▲22飛でも▲92飛でも良い。少しずつ玉の逃げる場所を狭めていけばいい。攻め駒1枚で詰ます条件には「指す手がない」も加わりそうだ。

攻め駒が自玉でも可能だ。

3手詰だ。これも後手は玉以外動かす駒がなく、パスができないので詰みになる。攻め駒が玉1枚でも詰ますことができる。

では、必至だとどうなるだろう。

▲19桂で1手必至だ。後手がどう頑張っても逃げ道を作ることができない。7手後には必ず▲23桂不成が実現する。

いろいろな例を見てきた。攻め駒1枚で詰ますことは可能だ。実戦では出てこない例もあったが、理論的に実現できる事実が将棋の奥深さを増大させる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA