自作の遊び将棋を紹介したい。題して「飛車角2個飛ばし将棋」だ。
ルール
①初形から始める。
②駒は通常通りの動き方をする。
③飛車と角も通常通り動けるが、2個飛ばしでも動くことができる。
通常の将棋とほとんど変わらないが、違いは飛車角が2個飛ばしで動けることだ。初手▲58飛のように普通にも動け、これがいきなり王手になる。香は2個飛ばないので注意が必要だ。
文字で読んでも分かりづらいので、具体例を見ていきたい。
一例
2個飛べるので、初手▲22角成と角交換できる。
先手失敗の図
▲22角成以下△同銀▲同飛成とすると、△同飛で先手失敗だ。
いきなり攻略は難しいので、初手▲26歩と突いてみよう。
対して△84歩▲25歩△85歩▲24歩△同歩となると、▲21飛成と成り込むことができる。しかもこの手が王手になる。これは先手優勢だ。(最終図は下の画像)
後手に対策が必要だ。
初手▲26歩の対する後手の対策
手順 ▲26歩△88角成▲同銀△22銀▲25歩△31金。
▲26歩に△88角成と角交換しておくのが良い。負担になっている角を捌いている。
最終手の△31金が好手で、代えて△32金だと▲24歩△同歩▲21飛成△31金▲28竜で先手優勢だ。最後▲28竜が△88飛成を防いでいる。
△31金と寄って2筋は守られた。以下の手順も見てみよう。
手順 ▲79金△52金▲58金△12飛。
後手は1手損角換わりをしたので2手分遅れている。△84歩と伸ばすのは後手の得がでない。△84歩保留を生かし、△12飛と振り飛車にするのが好判断だ。次に△19飛成を狙っている。
受けるなら▲18香や▲18角になる。▲18香に△同飛成▲同飛で、香は2個飛ばないので△同香成とはできない。
△12飛と回った図は後手が主導権を握っているとも言えるだろう。
このあたりは仲間同士で何局も指した結果、定跡化した手順だ。もっと良い序盤戦があるかもしれない。
▲26歩△88角成▲21飛成は大丈夫
最後に、初手▲26歩△88角成に▲21飛成の変化を見てみよう。王手で困ったようだが、△32銀で後手優勢だ。
△32銀が好手で、王手を回避しつつ竜取りになっている。以下▲11竜としても△同馬と取れる。▲28竜と引いても△99馬で角得になる。これで対応できるので、後手は△88角成と角交換できる。
2個飛ばし将棋の詰将棋
2個飛ばし将棋の詰将棋の問題を見ていこう。
下の図は1手詰だ。
【答え】▲41飛打まで1手詰
この問題は簡単だっただろう。2個飛ばし将棋の場合、2枚飛車が厳しすぎる。初手は▲91飛打でもどこでも良いが、飛車を並べれば詰んでいる。
▲41飛打で、51飛で2個飛んでの王手が掛かっている。△31歩としても、今度は41飛で王様が取れる。△33桂としても41飛で通常の飛車の利きで王様が取れる。
下の図は3手詰だ。
【答え】▲65角△44歩(△55歩)▲21角成まで3手詰
初手は非限定だが、▲65角と王手する。これが非常に受けづらい。△55歩や△44歩と間の駒を1つにするが、▲21角成として詰んでいる。王様も飛ばしているのが面白い。
最後▲21飛成とすると△同玉で詰まない。
次は5手詰めだ。
【答え】▲16飛△15角▲同飛△14飛▲44角打まで5手詰
初手▲61飛成は77角の利きで王手だが、飛車は間に3枚あるので王手にならない。△77角成で失敗だ。初手▲16飛が正解だ。これなら両王手になる。対して△15角と移動合する。
対して▲15同飛△14何かに▲44角打で詰んでいる。△14何かに▲同飛△同歩を入れて▲44角打としても詰んでいる。▲44角打とした図は1問目の▲41飛打と同様の理屈だ。
まとめ
今回は遊び将棋の飛車角2個飛ばし将棋を紹介した。
初手から▲22角成と角交換になったり、▲58飛でいきなり王手掛かったりと、アクションが多い。
2個飛ばしは何度やっても慣れないので、うっかりが頻発する。これもこの遊び将棋の醍醐味だろう。
どのような序盤が良いのか、未だ研究中だ。
ぜひ2個飛ばし将棋で遊んでみて、面白い発見があったら教えてください。