【解説】
作意:▲46竜△17玉▲27飛△同玉▲36香△38歩合▲47竜△26玉▲44角△16玉▲38角△15玉▲26角△同歩▲16歩△25玉▲45竜 まで17手詰。
まずは飛車捨ての導入から36香が良い移動先で、35への利きを残しています。38歩合に37竜だと16玉、38角、15玉で打歩詰地獄なので、控えて47竜がこの際の手筋です。玉方の26玉も手筋ですが、今度は15玉に26角がとどめの決め手。同歩と取るよりありませんが、16歩を打てば収束します。
本作はいろいろやってる内にできていた感じで、作図の過程はよく覚えてません。竜の横利きを止める36香から控えの47竜が一応主眼だったでしょうか。さらさらと手が流れる感じが好みの仕上がりです。
最後に頭4手の逆算について少しだけ。本図では持駒が飛ですが、当初は金で同じ順を考えていました。ただ、これだと5手目に47竜を考えてくれない恐れがあるのです。なぜなら初手から27金、同玉、47竜でも同じ図になる訳で、仮にこれを作意とするなら詰将棋として不完全。そういうメタ読みをされると、読まずに違うと見切られてしまいます。
作者的には36香を妙手と設定している訳で、その付近をメタ読みで看過される作りにはしたくありませんでした。結果的には持駒を飛にすることで、初手27飛には16玉の余地が生まれ、5手目の47竜にも道理を持たせることに成功。ただ、3手目47飛などは余詰んでもおかしくない順なので、持駒の変更だけで割り切れたのは幸運だったと思います。