今回は角換わりで、相早繰り銀の将棋を検討したい。
目次
第1図 ▲35歩仕掛け
手順 ▲35歩△同歩▲同銀△86歩▲同歩△85歩▲34歩△22銀▲66歩△86歩▲88歩。
第1図から▲96歩△14歩▲66歩とする指し方もある。
今回は▲35歩と仕掛ける変化を見ていきたい。
▲35歩△同歩▲同銀に△86歩▲同歩△85歩と継ぎ歩をする。▲85同歩は△同飛が十字飛車で先手困る。
△85歩に▲24歩△同歩▲同銀は△55角と切り返して後手指せる。
こちらの記事で検討した変化だ。
△85歩に▲34歩と打ち、△44銀は▲同銀△同歩に▲85歩と戻せるようになる。こうなると後手が歩損だ。
▲34歩△22銀と引かせてから▲66歩と突く。▲65歩と突いたり、▲68銀ー▲67銀と組み換えする狙いだ。
第2図 △33歩と打って壁銀を解消
手順 △33歩▲65歩△同銀▲46角△64角▲68飛△73桂▲75歩△同歩▲66銀△46角▲同銀△66銀▲同飛△74角。
△33歩と打って壁銀を解消しにいく。▲同歩成△同銀▲34歩△44銀となれば、手順に壁銀を解消できて後手ペース。
△33歩に▲65歩と動く。
対して△同銀と△73銀に分岐する。
こちらの記事で詳しく検討した。
△73銀は気合負けなので、△65同銀と取りたいところ。
以下▲46角△64角▲68飛に△73桂と対応する。
対して▲75歩△同歩▲66銀とぶつけるのは、△46角▲同銀△66銀▲同飛に△74角が味の良い一着。
▲48玉と受けると△34歩で後続が難しい。▲33歩成△同銀▲48玉としても△44銀で後手ペース。
▲56角は△65銀▲同角△同桂(△同角は▲同飛△同桂▲73角で先手良し)▲56銀△64歩と対応され、以下▲73銀は△87歩成▲同歩△95角がある。
△74角まで進むと後手指せるので、▲75歩に代えて▲64角△同歩▲46銀として次に▲55銀を狙う順が有力。
第3図 ▲96歩△14歩を入れてから▲35歩
手順 ▲96歩△14歩▲35歩。
▲96歩△14歩の交換を入れてから▲35歩と仕掛ける順と比較してみたい。
どう違いがでるか。
第4図 9筋が入っていると△33歩と打ちづらい
手順 △33歩▲65歩△同銀▲46角△64角▲68飛△73桂▲75歩△同歩▲66銀△46角▲同銀△66銀▲同飛△74角▲48玉△34歩▲95歩△同歩▲同香△同香▲93角。
第2図と手順は一緒だ。
違いは▲96歩と△14歩だけだが、この違いが大きい。
△74角に▲56角も有力。以下△65銀▲同角△同桂▲56銀△64歩に、今度は▲73銀と打てる。
▲96歩と突いてあるので△87歩成▲同歩△95角がない。
もう一つは、△74角に▲48玉と上がり、△34歩に▲95歩と突く順。
以下△同歩▲同香△同香に▲93角と打って攻めが続く。
▲96歩△14歩の交換が入ると、後手は△33歩と打ちづらくなる。
第5図 △33歩に代えて△73桂
手順 △73桂▲68銀△62金▲67銀△81飛▲56歩△52玉。
△33歩と打つのは、△95角がない点や▲95歩の攻めがある点で後手が損する。
一方で、後手からも△95歩▲同歩△97歩と仕掛ける筋ができているので、後手はそうした展開を目指したい。
△33歩に代えて△73桂と跳ねる。以下お互い駒組みだ。
最終図は一局。
▲96歩△14歩の交換は△33歩を打ちづらくするメリットがあるが、△95歩▲同歩△97歩の仕掛けを与えるというデメリットがある。
いずれの変化も形勢は難解で、どの順を選ぶか判断が難しい。