今回は角換わりで、後手が右玉に組む変化を検討したい。

目次

第1図 ▲48金ー▲58金か▲58金か

手順 ▲48金△81飛▲66歩△62玉▲79玉△54歩▲58金△72玉▲88玉△62金。

テーマ図に入る前に、先手の駒組みを見ていきたい。

先手は▲48金ー▲58金と駒組みするか、すぐ▲58金と上がるかで、後手の右玉の形を△62金型にするか△52金型にするか選ぶことができる

△52金型は4筋が固いが玉が薄い。△62金型は玉が固いが4筋が薄い

後手の陣形を△62金型にするか、△52金型にするかは難しいところで、先手がどの変化を選ぶかによって変わってくる。

第2図 テーマ図

手順 ▲56銀△52金▲98香。

第2図は、角換わりで後手が右玉に組んだ局面だ。

図から、▲29飛△52金▲56歩と組み、▲68銀ー▲67銀ー▲77桂と組み換える順も有力。

こちらの記事で検討した変化だ。

後手も▲56歩を見ると▲56銀ー▲45歩の仕掛けがなくなるので、△44歩ー△42銀ー△43銀と組み換えやすくなる。

お互い▲67銀型△43銀型に組み換えたあと、△52金型だと、△62玉ー△51玉ー△42玉と移動しやすい。

△62金型なら△52金の一手が必要になる

▲29飛△52金▲56歩と駒組みするなら、後手の形を△62金型にしておきたい。

今回は▲56銀と構える将棋だ。

△52金に▲98香から穴熊を目指す。

第3図 ▲98香に△44銀の変化

手順 △44銀▲24歩△同歩▲同飛△35歩▲同歩△36歩▲45桂△37角▲22角。

▲98香に△44銀と上がる変化から見ていきたい。

△44銀と上がると、▲24歩△同歩▲同飛と歩交換できるようになる。

▲24同飛に△23歩は▲25飛と引いて、△33桂に▲29飛と引くことで、△35歩▲同歩△同銀に▲34歩と打てるようになる。

▲29飛に△38角も、▲26飛△49角成▲47角△39馬(▲29飛の防ぎ)▲67銀で次に▲75歩を狙って先手ペース。

▲25飛と途中下車することで△35歩を牽制できる

この理屈は、このあとも出てくる。

▲24同飛に△35歩と反撃したいところだが、▲同歩△36歩▲45桂と手順に活用して先手指せる。

△37角に▲23歩は△46角成▲22歩成△35馬で大変だが、△37角に▲22角が好手。これなら△46角成に▲11角成△35馬▲21飛成とできる。

第4図 ▲98香に△44歩の変化

手順 △44歩▲99玉△42銀▲67銀△43銀▲24歩△同歩▲同飛△35歩。

△44銀は先手指せた。代えて△44歩は考えられる。

▲45歩△同歩▲同銀の仕掛けを与えるが、△44歩(△43金左や△46歩と反発するのも有力)▲56銀△42銀と組み換えて、後手は歩交換の価値よりも組み換える価値を評価している。

むしろ▲46歩がないので、将来△45桂と打開する筋がある。

△44歩に▲99玉△42銀▲67銀と穴熊に組んで、△43銀に▲24歩から歩交換する。

△24同歩▲同飛に△23歩は大人しく、▲29飛△33桂に▲56角や▲38角と打って▲75歩を狙うことができる。

無事に歩交換できれば先手十分なので、後手は▲24同飛に△35歩と反撃する。

最終図以下、▲45歩△23歩▲26飛△45歩▲35歩や▲35同歩△36歩▲22歩が予想される。

先手としては▲35同歩△36歩▲22歩の順をやってみたい。

この変化は、こちらの記事で検討した。

ちなみに、△72玉ー△62金に代えて、すぐ△44歩ー△42銀ー△43銀と組み換える順もある。

その場合は▲24同飛△35歩に、▲45歩△23歩▲26飛△45歩▲35歩と対応するのが勝る。

この変化は、こちらの記事で検討した。

第5図 穴熊に組ませてから△44銀

手順 △62金▲99玉△52金▲88金△62金▲67銀△44銀。

次に、穴熊に組ませてから△44銀と出る変化を見ていきたい。

通常は穴熊に組まれると損なのだが、先手陣のバランスが悪くなる点と、△95歩や△86歩の攻めが厳しくなる点で、先手が得とも言い切れない。

▲67銀と銀が下がったのを見て△44銀と上がる。

第6図 △62金型を咎める▲43歩

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲25飛△55銀▲56歩△46銀▲45桂△44歩▲43歩△52金▲53桂成△同金▲42歩成△33桂▲29飛△42金▲23飛成。

▲24歩△同歩▲同飛に△35歩は、▲23角△33金▲28飛△36歩▲45桂で先手良し。

先手は穴熊なので、強い戦いができる。

▲24同飛△23歩に▲28飛と引くのが自然だが、△55銀▲47金△65歩の仕掛けがある。これは先手が嫌な格好だ。

△23歩に▲25飛と引くのが先手の工夫。

この▲25飛は、第3図の変化でも出てきた。

▲25飛△33桂▲29飛とすることで、△55銀に▲35歩を用意している

△33桂と跳ねると△55銀と出づらくなるので▲25飛にすぐ△55銀と出るが、▲56歩△46銀▲45桂△44歩▲43歩と反撃する。

この▲43歩は、△62金型だから打てる

▲43歩に△41飛は▲53角が厳しい。▲43歩に△52金と寄るのも、▲53桂成と成り捨ててから▲42歩成が実現する。

最終図は竜を作った先手が指せる。

この変化は、こちらで記事で検討した。△44銀に代えて△52金▲78銀△62金とひたすら待機した場合も検討したので、併せてお読みいただくとより理解が深まります。

第7図 △52金型の場合

手順 ▲88金△52金▲67銀△44銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛△55銀▲47金△65歩▲56金。

第1図から第6図までは、第1図で▲48金ー▲58金と駒組みした場合を見てきた。

手損せずに▲58金と上がった場合と比較してみたい。

すぐ▲58金と上がったので、△52金型になる

第7図から▲67銀△44銀と進むと、第6図で▲88金が入っていない場合と合流する。

この変化も先手は考えられる。デメリットとしては9筋が薄い点だ。

▲88金△52金▲67銀△44銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩に▲25飛と引くと、△55銀▲56歩△46銀▲45桂△44歩のとき▲43歩と垂らせない。

△52金型は4筋は固いが玉が薄いので、△23歩に▲28飛と引き、△55銀▲47金△65歩に▲56金とぶつけて強く対応する。

最終図以下△39角や△66歩が候補で、形勢不明だ。

目次に戻る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA