今回は先手早繰り銀の変化を検討したい。
目次
第1図 ▲56歩保留のテーマ図
手順 ▲68金△74歩▲38飛△73桂▲26銀△43銀左▲35銀△62金。
▲78玉型に組むと、後手は△33角と設置しやすい。
その理屈については、こちらの記事で検討した。
第1図から▲38飛△74歩▲26銀△43銀左▲35銀とすぐ攻める手も考えられるが、以下△75歩▲同歩△55角と反撃されるのが気になる。
一回▲68金と上がってから▲38飛と寄る。
最終図は▲56歩を省略した場合のテーマ図だ。
最終図から▲56歩は、△75歩▲同歩△65桂や△86歩▲同歩△85歩で後手ペースだ。後手が先攻する形になると、先手は不本意だ。
▲56歩を省略した分、△55角の反撃が生じる。具体的には、最終図以下▲34銀に△55角とできる。
この変化は、こちらで詳しく検討した。
今回は▲56歩と突く場合について見ていきたい。
第2図 ▲56歩を優先
手順 ▲56歩△74歩▲38飛△73桂▲26銀△43銀左▲35銀△62金。
▲56歩を優先させる変化を見ていきたい。
△74歩▲38飛△73桂▲26銀△43銀左▲35銀と進んだ図は、第1図と比べて▲68金が▲56歩に代わった計算になる。
▲35銀に△75歩▲同歩と味を付けてから△62金と上がる順もあるが、単に△62金としても後手不満ない。
▲35銀に代えて▲34歩△22角▲35銀の場合、△62金と上がると▲24歩△同歩▲同銀△23歩▲33角で先手指せるので、△75歩▲同歩△62金の方を選びたい。
最終図以下、▲34歩には△77角成▲同玉△75歩と強襲して後手ペース。
▲56歩よりも▲68金の方が価値が高そうだ。
第3図 △81飛は甘い
手順 △81飛▲56歩△62金▲24歩△同歩▲34歩。
△62金と上がると第1図になる。
△62金と上がると▲71銀や▲71角のキズがあるのが気になった。先に△81飛と引けばキズはない。
△81飛に▲34銀は△同銀▲同飛△43銀打▲36飛△62金で、後手陣にスキがない。
しかし△81飛に▲56歩のとき、後手が損する。
△81飛が△62金に代わっていれば△75歩▲同歩△65桂や△86歩▲同歩△85歩と攻めることができたが、△62金が間に合っていない。
最終図▲34歩と打って、△22角に▲24銀△23歩▲33角と打って先手指せる。
▲56歩と突く余裕がある場合もある。後手としても、攻める陣形を作ることを急ぎたい。
第4図 △72金型
手順 △72金▲56歩△73桂▲26銀△43銀左▲35銀。
第4図から△62金と上がり、▲26銀△43銀左▲35銀に△86歩▲同歩△85歩▲同歩△73桂とするのは、▲34銀△同銀▲同飛△85桂▲86銀△88歩▲71銀で先手指せる。
△72金と上がるのは▲71銀のキズを生じさせない一手だ。
同じように▲26銀△43銀左▲35銀△86歩▲同歩△85歩▲同歩△73桂▲34銀△同銀▲同飛△85桂▲86銀と進むと、△88歩で後手指せる。
▲83歩△同飛▲84歩の王手飛車ラインはあるが、△81飛と引いて問題ない。
この変化は王手飛車ラインよりも▲71銀のキズがない方がいい。
△72金を見て▲56歩と突いてみる。
△86歩▲同歩△85歩▲同歩△73桂には、▲24歩△同歩▲22歩△同角▲23歩と攻めたり、歩得を生かして▲84歩△同飛▲87歩と受けに回るのも有力だ。
▲38飛が通っているので、反撃しやすい。
最終図以下、△86歩▲同歩△85歩▲28飛△86歩▲88歩△77角成・・・が一例だ。
形勢は難解だ。
他にも、△72金にあえて▲36銀と出る手もある。やや凝った手だ。
△72金に▲26銀△43銀左▲35銀△86歩▲同歩△85歩▲同歩△73桂に▲88銀△55角▲77角とするのは、△19角成▲11角成△29馬で後手指せる。
△72金▲36銀で、△86歩▲同歩△85歩▲同歩△73桂▲88銀△55角▲77角なら、△19角成▲11角成△29馬▲21馬が金取りになるので先手指せる。
▲36銀に△73桂なら、▲35銀△43銀左▲34銀とぶつけて、▲56歩を省略できる。
後手の手が広く、先手指せるとは言えないが、先手のアイディアの一つだ。
本研究が参考になりましたら、継続のためのご支援をいただけると励みになります。
