今回は角換わりで、▲48金型VS△52金型の将棋を検討したい。
目次
第1図 千日手を狙う△65銀
手順 △65銀。
第1図から△74歩▲66歩△73桂と進むと、こちらの記事で検討した変化になる。
以下▲45歩と仕掛けて、形勢は難しいが先手の攻めが繋がる。
△74歩にすぐ▲45歩の仕掛けには、△同歩▲同桂△42銀と攻めを受け止める指し方と、△73桂▲44歩△同銀として攻め合いを目指す指し方のどちらも考えられる。
第1図から△65銀とぶつけてみる。
▲47銀△54銀▲56銀△65銀・・・と進むと千日手模様になる。
△65銀▲47銀に△54角は、▲75歩△76銀▲同銀△同角▲45歩で後手の攻めが空振っている。
第2図 ▲79玉を見て△74歩
手順 ▲47銀△54銀▲79玉△74歩▲56銀△73桂▲66歩。
▲47銀△54銀に▲56銀は△65銀で千日手模様になる。
千日手を避けて▲79玉と駒組みするが、▲79玉を見て△74歩と突く。
以下▲56銀△73桂▲66歩となった最終図は、第1図から△74歩▲66歩△73桂に▲79玉と引いた局面と合流している。▲79玉に代えて▲45歩と仕掛ける局面を後手は避けることができる。
最終図以下△84角▲45歩△65歩、△65歩▲同歩△75歩、△65歩▲同歩△同桂▲66銀△35歩などが有力。
形勢はいずれも難しいが、後手が先攻できる形にできている。
第3図 ▲55銀の変化
手順 ▲55銀△54銀▲64銀△62飛▲75銀△55銀▲83角△35歩。
△65銀に▲47銀△54銀▲79玉の変化もあるが、後手の主張が通る。
▲55銀とかわす変化を見ていきたい。
対して△54銀とぶつける。
▲54同銀△同歩となると次に△47銀▲同金△38角の狙いができる。▲58玉と防いでも△43金右ー△22玉と駒組みして後手十分。
△54銀に▲64銀は、△62飛▲75銀△55銀と出る。これが受けづらい。
▲83角は、△46銀に▲47歩△55銀▲56歩△64銀▲同銀△同飛▲72角成を用意した手だが、△46銀と出る前に△35歩と突くのが好手。
最終図以下▲35同歩は△46銀▲47歩に△35銀と引くことができる。▲47歩に代えて▲56角成は△92角がある。
△35歩に▲47角成も同じく△92角がある。
後手の駒が前に出ていて後手ペース。
第4図 ▲65同銀の変化
手順 ▲65同銀△同歩▲56銀△22玉▲79玉△43金右▲88玉△54銀。
▲65同銀と取り、△同歩に▲56銀と打ち直すのが有力だ。
後手だけ銀が手持ちになるが、すぐに使う場所はない。
△22玉に▲79玉△43金右▲88玉と囲う。
▲65銀と歩を取ると△47銀▲同金△38角の隙を与えるので、動かさずに置いておく。
▲88玉の次に▲45歩△同歩▲同桂△44銀▲46歩や▲45歩△同歩▲35歩と指せれば先手ペース。
△54銀は中央を厚くし、▲45歩△同歩▲同桂に△42銀と引きやすくしている。
最終図は平成の頃に流行った将棋と合流している。
第5図 飛車の動きの駆け引き
手順 ▲69飛△62飛▲59飛△92飛▲29飛△82飛。
第5図はお互い最善形だ。一手パスして相手の形を乱したい。
第5図から▲45歩もあるが、△同歩▲同銀△同銀▲同桂△44銀▲46歩に△86歩▲同歩△85歩▲同歩△93桂のように反撃されるのが気になる。
▲69飛△62飛に▲59飛は一手パスを目指した手。以下△82飛▲29飛となれば一手パスできている。
そこで後手も▲59飛に△92飛と調整する。以下▲29飛△82飛と進むと元の局面に戻る。
これを繰り返すと千日手になってしまう。
先手は▲69飛△62飛▲75歩や▲59飛△92飛▲47銀ー▲56歩など形を変えて打開を目指したい。
第6図 △65歩と同じ
手順 △65歩▲79玉△43金右▲88玉△22玉。
第4図と第5図の局面は、△65銀に代えて△65歩としたことと同じだ。
△65銀には、千日手模様にして▲79玉と引かせ、後手が先攻する形を作る意図があった。
△65銀でも△65歩でも同じ局面になるのでは、後手としては不満だろう。
後手に課題が残る。