目次

第1図

△41飛は次に△44歩として▲45歩に△52玉で対応できるようにした手だ。

△41飛と回らずに△44歩だと▲45歩で先攻される展開になる。

しかし△41飛と回った局面は玉飛接近の形だ。▲45桂からの攻めが怖い。

第2図

類型のテーマ図として、△54銀を保留して△41飛と回る手もある。これなら△63銀が桂頭を守っているので▲45桂の攻めがやりづらい。

△41飛以下▲66歩△44歩に▲45歩と仕掛けるか、▲79玉△44歩に▲45歩と仕掛けるか、この変化も難しい。

第3図

そこで▲29飛を保留して駒組するのが先手の工夫だ。

これなら△41飛に▲79玉として、△44歩に▲45歩とできる。第2図と比べて▲79玉まで囲えているのが大きく、先手ペースだ。

△54銀を見て▲29飛とすれば、先手は第2図を回避できる。

ちょっとした形の違いで、できる変化とできない変化がある。

▲45桂に△44銀と逃げると▲24歩から歩交換する。▲45桂が取られる心配がなく、先手に不満がない進行だ。

△22銀に①▲75歩 ②▲95歩のどちらも考えられる。

また、①▲75歩△同歩にも、(a)▲53桂成 (b)▲24歩の攻めが考えられる。

今回は▲53桂成を調べてみたい。

▲53桂成に△同金は▲74歩△63金▲72角で先手良し。▲74歩が先手にならないように△53同玉が勝る。▲74歩に△44歩も大切な手。▲45銀を消した意味だ。

対して▲73歩成は△同金で手がかりがなくなるので、▲82角と打ち込んで攻めを繋げる。

第4図

▲82角に対して①△84角 ②△72金に分岐する。

△84角はしっかり受けた手だ。

対して▲86歩は好手だ。△同歩なら▲同銀△85歩▲75銀で先手良しになる。

▲86歩に一回△55歩と銀を追う。このとき▲67銀は自然な手だが、△45歩▲同歩△同銀で4筋が薄い。▲47銀なら4筋をケアしている。

▲47銀にも同じように△45歩は▲同歩△同銀▲73歩成△同角▲同角成△同金▲46歩△同銀に▲26角がぴったりした手。▲48金に紐をつけている。

後手も▲47銀には△45歩と行きづらいので、△81飛から受けに回る。

▲73歩成に△同金と取ると、▲同角成△同角▲72金△83飛▲73金△同飛▲82角で先手良し。

よって△同角になり、▲同角成△同金▲85歩とした局面は角桂交換で、歩の損得もない。

ここからも一手一手お互い手が広い。

第5図

▲85歩に△同飛は自然だが、▲74歩が好手。△同金は▲41角、△72金は▲61角がある。

△63金は仕方ないが、▲97桂△84飛に▲41角から金を入手し、▲85金と押さえる。

△84飛に代えて△81飛と引いても▲72角△84飛▲63角成で似た展開になる。

最終図▲75金とした局面は先手が手厚い。先手から次に▲85桂や▲76桂がある。

△85同飛は危なそうだ。

▲85歩に△33銀と壁銀を解消する。

対して▲86銀と歩を取りに行くと、△76歩と逃げられて味の良い取り方がない。

▲76歩△同歩▲同銀と位を消す。

そこで後手は△42金ー△43玉の格好を目指すか、△42金ー△42玉の格好を目指すか分岐になる。

△43玉の形の固さが不明なので、△43金ー△42玉としたいところだろう。

▲77桂と跳ねる。次に▲65桂打を狙っている。

△42玉に▲84歩が好手だ。この手も見慣れないが、△同飛は▲62角。△同金は▲73角の打ち込みがあり、この歩を取ることができない。

△32玉と囲った手に対して、▲85桂△84金▲73桂成と桂馬を成ることに成功した。

▲73桂成以下もまだまだ難解な変化が続く。

第6図

▲73桂成に△65歩と攻める。▲72角△71飛を入れて▲65歩と戻すか、単に▲65同歩とするかの比較が必要だ。

単に▲65同歩の方が棋理だろう。

対して△67歩が好手。△67歩に▲同銀だと△75金と出れるようになる。

最終図は先手の歩の少なさが気になる。

△67歩には▲同金が勝りそうだ。

△75歩▲87銀に△76桂が継続手。▲58玉△88桂成で銀を狙う。

先手が困ったようだが、▲85歩もいい手だ。△同金と取ると、▲66桂△65銀▲63角△84飛▲86歩△同金▲同銀△同飛▲77金△84飛▲85歩で飛車が取れる。

よって▲85歩に△87成桂▲84歩と取り合いになる。

後手に手番が渡ったので△78銀と攻めてどうか。先手はどこかで▲24桂からの寄せを狙いたい。

ここまで進んでも非常に難解だ。

▲72角△71飛▲65歩と戻す変化を見てみたい。これなら△67歩に▲同銀△75金▲76歩で問題ない。

▲65歩の次に▲66桂と打てれば先手が良くなる。

▲66桂を受けて△66歩と垂らすのは次の狙いに乏しい。▲62成桂△72飛▲同成桂と取ってどうか。

△66歩よりも、△75歩▲67銀△66歩と先手を取って防ぎたいところだろう。

以下▲66同銀に△85金として△76金を狙う。▲77歩と受けても△74桂がある。

▲72角は飛車先をずらす狙いだが、角が重くなるのでリスクがある。

第7図

△42金ー△43玉と囲う順はどうか。

△42金と寄った手に、すかさず▲24歩とつく。これに△同歩だと▲35歩△同歩▲34歩で先手指しやすくなる。

△24同銀とさせれば、銀の働きが落ちる。

そこで先手の方針がいろいろある。まず▲67桂はどうか。5筋の位を狙った手だ。

▲67桂△63桂の交換なら先手が得する。

あっさり△43玉とする手が有力そうだ。▲56歩△同歩▲55歩△63銀▲56銀△53歩と進んで、5筋の位を取れたがどこまで大きいのか不明だ。▲56銀が動くと△56桂のキズがある。

△43金ー△42玉のときと同じように、▲77桂から▲84歩が有力だ。

▲84歩に△同飛は▲62角。△同金は▲73歩が好手だ。△71歩の受けに▲22角や▲61角で先手良しだ。

△42玉型では▲73角で先手指せたが、△43玉型だと▲73角△75歩▲82歩△61飛で後手指せる。

形によって指し手が変わる。

この変化も難解だが、▲24歩△同銀の2手で後手玉が薄まっているのが大きいだろう。

後手としては△43金ー△42玉型で△65歩とした第6図が本命で、この局面の評価が▲82角に△84角と打つ将棋の成否のカギを握りそうだ。

まとめ


△54銀型ー△41飛は変化が膨大だ。

△63銀型-△41飛は後手有力な作戦だが、先手が工夫して駒組することで牽制することができる。

▲82角には△72金と△84角の分岐点。△84角は受け重視の手だ。

後手が△43金ー△42玉とするか、△42金ー△43玉とするかの比較は難しい。

ただ、△42金だと▲24歩△同銀が入る。これが入るのは後手気になるところだ。

△43金ー△42玉で、△65歩とついた局面の成否はとても重要。

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