今回は△33金型角換わりの変化を検討したい。

目次

第1図 テーマ図

手順 △44歩▲37桂△52金。

第1図から△62金▲37桂△81飛▲48金△54銀▲56銀△44歩と進んだ変化は、こちらの記事で検討した。

以下▲29飛△32玉▲45歩△同歩▲同桂と仕掛ける変化よりも、▲45歩△同歩▲24歩△同歩▲45銀と仕掛ける変化が有力だった。

第1図に至るまでで、後手は早めに△14歩と突くのが序盤のポイントだ。その理由についても上記のリンクの記事で検討した。

今回は第1図から、△44歩▲37桂△52金とする変化を見ていきたい。

△44歩を急ぐことで▲45桂を消し、後手はいつでも△75歩▲同歩△65桂の仕掛けを見ている。

第2図 ▲29飛や▲48金には△75歩

手順 ▲29飛△75歩▲同歩△65桂▲88銀△35歩▲同歩△86歩。

△44歩ー△52金は、△75歩と仕掛ける準備だ。

▲29飛や▲48金の瞬間は形が不安定なので、△75歩と仕掛けていく。

対して▲48金は△76歩▲同銀△54角で、▲77歩は△74銀、▲75銀は△74歩▲66銀△86歩で後手好調。

よって▲75同歩が勝る。

△65桂に▲66銀は、△86歩から一歩交換しておいて後手まずまず。

△65桂▲76銀は、△86歩▲同歩△同飛として、▲87銀△81飛▲86歩と▲87金△81飛▲85歩のいずれも△88歩▲同金△57桂成▲同玉△79角がある。

△65桂▲76銀に△54角も見えるが、▲74歩で切り返される。

△65桂▲88銀には、△35歩▲同歩△86歩と攻める。

最終図以下▲86同歩△同飛▲87銀は、△81飛▲86歩△88歩▲同金△57桂成▲同玉△79角がある。

▲86同歩△同飛▲87金は、△同飛成▲同銀△88歩▲77桂△79角がある。

△86歩を取らずに▲48金には、△87歩成▲同銀△86歩▲76銀△87角と打ち込んで攻めが続く。

この変化は、こちらの記事の第2図で検討した変化とほぼ同じ理屈だ。比較して見ると面白い。

第3図 △75歩を警戒する▲58金

手順 ▲58金△32玉▲45歩△同歩▲15歩△同歩▲45桂△43金寄▲24歩△同歩▲12歩△同香▲24飛△22歩。

▲29飛や▲48金は、瞬間が不安定なので△75歩の仕掛けを誘発する。

▲58金と上がれば△75歩の仕掛けを警戒できる。

▲58金型は先手陣に隙がないので、△75歩は▲同歩△65桂▲76銀(△54角は▲74歩)で後手無理筋だ。

△32玉に▲79玉は△75歩▲同歩△65桂の仕掛けが成立する。

△32玉に▲56銀も、▲37桂の頭が薄くなるので△75歩▲同歩△65桂が成立する。将来△35歩の攻め筋が絡む。

△32玉▲56銀△75歩に手抜いて▲45歩は、△76歩▲同銀△86歩▲同歩△同飛で、▲87銀は△56飛▲同歩△46角。▲87金は△81飛▲86歩△88歩▲同金△86飛で千日手模様だ。

△32玉に▲29飛△54銀▲48金とすれば下段飛車に構えることができるが、以下△65歩▲56銀△64角と打って、一局ながら後手まずまずの序盤だ。

▲58金ー▲48金の動きで一手損しているのが先手悔しいところ。

△32玉に▲45歩と仕掛ける順は考えられる。

手抜いて△75歩は、▲同歩△65桂▲66銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛に▲44歩の取り込みが大きい。

△45同歩▲15歩△同歩▲45桂△43金寄▲24歩△同歩に▲25歩もあって、△同歩なら▲15香△同香▲25飛とする狙い。

▲25歩に△37角▲27飛△19角成▲24歩△26歩▲同飛△22歩▲12歩(△同香は▲23角で先手指せる)△37馬▲11歩成が予想され、先手ギリギリの攻めだ。

△24同歩に▲同飛は△23歩▲29飛△22銀で攻めが細い。△22銀に代えて△44歩は▲12歩△同香▲41角で先手良しになる。

△24同歩▲12歩△同香▲24飛とすれば△23歩に▲41角を用意できるが、今度は△22歩と下から受けられる。

最終図以下、一番激しく行くなら▲15香だ。△同香には▲13歩△11香(▲14飛に△13香を用意)▲14角△23角▲12歩成△同香▲23角成△同歩▲41角で先手指せる。

▲15香には△42角が好手。飛車を逃げると△15角で失敗なので、勢い▲12香成△24角▲21成香△同玉▲25歩△15角▲24桂と攻めてどうか。

形勢は難しいが、後手玉はとても怖い格好だ。

無難に指すなら最終図から▲25飛と引く。次に▲15香や▲24歩ー▲23角を狙っている。

先手に手段が多く、攻めが続きそうだ。

第4図 ▲58金に△54銀の変化

手順 △54銀▲56銀△32玉▲47金△22玉▲45歩△同歩▲35歩。

▲58金に△32玉と寄ると▲45歩と仕掛けられる順が気になった。

▲58金に△54銀と上がれば▲45歩の仕掛けを警戒できるが、銀が上がると▲73角や▲72角の隙や▲74歩の突き出しが生じるので△75歩▲同歩△65桂の攻めがやりづらくなる。

△44歩ー△52金とした当初の後手の狙いとは外れている。

△54銀に▲56銀と上がる。△75歩▲同歩△65桂の攻めがやりづらくなった瞬間なので上がりやすい。

△32玉に▲79玉も自然な手で有力。▲47金はバランスを取った手だ。

△22玉にはすかさず▲45歩△同歩▲35歩と攻める。以下△同歩は▲45桂△34金▲71角と打つ。▲45桂に△43金寄も▲44歩△同金▲24歩で十字飛車だ。

△22玉に代えて△65歩▲79玉△64角と牽制しても、▲29飛△22玉▲45歩△同歩▲同桂△44金▲24歩△同歩▲25歩△同歩▲15歩△同歩▲同香と攻めて先手ペースだ。

後手としては不本意な展開だろう。

△44歩ー△52金は△75歩の仕掛けを見せた手だが、▲58金△32玉に▲45歩の仕掛けが有力だ。

△33銀型では無理筋だが、△33金型なので成立する。

後手は△75歩と先攻して主導権を握る予定が、▲45歩と先攻されるのが気に入らない。

とはいえ先手の攻めもギリギリなので大変な将棋だろう。

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