テーマ図
手順 △44銀。
今回は▲88玉+▲45桂仕掛けを検討したい。
先手はこの局面に誘導したいので、▲69玉と手数を調整している。
▲69玉と手数をずらす理屈はこちらで検討した。
▲45桂に対して、△22銀と△44銀に分岐する。
▲45桂に△22銀▲35歩△44歩とする変化はこちらで検討した。今回は△44銀とかわす変化だ。
手順 ▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛△65歩▲同歩△75歩。
△44銀とかわすと▲45桂を歩で取られる心配がない。悠々と▲24歩から歩交換できる。
後手は手番を生かし、△65歩▲同歩△75歩と仕掛ける。
ここで▲22歩、▲69飛、▲64歩の分岐になる。
▲64歩の変化
手順 ▲64歩△86歩▲同歩△65桂▲同銀△同銀▲63歩成△76歩▲62と△45銀。
まず▲64歩と突く変化から見ていきたい。後手は△86歩と突く。
▲86同銀は△76歩▲77歩△22角のラインが止まらない。よって▲86同歩になり、△65桂と跳ねる。
▲66銀とかわすと、△45銀直▲同歩△33角のラインが受けづらい。
△65桂に勢い▲65同銀△同銀▲63歩成と踏み込むが、△76歩▲62と△45銀と切り返す。
最終図は後手指せる。▲45同歩は△77歩成▲同桂△75桂。▲51角△31玉▲24歩も、△86飛▲87歩△66桂や△87歩として寄せを狙える。
▲64歩は危険だ。
▲22歩の変化
手順 ▲22歩△同金▲64歩△86歩。
単に▲64歩は△86歩▲同歩△65桂の攻めが嫌だった。そのため一回▲22歩△同金を入れてから▲64歩と突く。これなら△86歩▲同歩△65桂は壁金になっているので、▲同銀△同銀▲63歩成で先手良しだ。
▲22歩△同金を入れることで△22角の余地をなくす、という意味もある。
一方で、歩切れの後手に歩を渡すデメリットもある。持ち歩を生かして△86歩から攻める。
△86歩に▲同銀と▲同歩のどちらで応じるのが良いか。
▲86同銀と取った場合
手順 ▲86同銀△76歩▲77歩△95歩▲同歩△98歩▲同香△77歩成▲同玉△97歩▲同香△96歩▲同香△74角。
▲86同銀△76歩▲77歩とする変化から。▲22歩△同金を入れたので、△22角と打たれない。
△95歩と端から攻める。▲同歩△98歩▲同香△77歩成に▲同金は、同じように△97歩▲同香△96歩▲同香△74角で先手玉が戦場に近い。▲77同玉と応じるのは端から遠ざかる意味だ。
最終図△74角と打った図は難解。▲68玉△96角▲74歩△同角▲75銀が予想される。
▲86同歩と取った場合
手順 ▲86同歩△85歩▲69飛△86歩▲82歩△71飛▲75歩。
次に▲86同歩の変化だ。後手は歩を持ったので、△85歩と継ぎ歩できる。
対して▲66銀△86歩▲75銀は、△74歩▲同銀△84飛▲63歩成△同銀▲同銀成△同金で△87銀が残る。▲75銀にすぐ△87角と打ち込むのは、▲82歩△同飛▲71角や▲83歩で対応できる。
▲69飛△86歩▲82歩が反撃含みの受けだ。△同飛は▲83歩△同飛▲63歩成△同銀▲74角で先手良し。
△71飛と寄ることになるが、8筋の脅威は少し緩和される。
この局面も後手の分岐点だ。
次回のテーマ図
ここから後手がどう攻めを繋げるのか、次回見ていきたい。