テーマ図
今回は▲67銀型で▲45桂仕掛けを検討したい。通常は▲56銀型だが、▲67銀型なのが特徴だ。先手玉は固いが、銀を攻めに使うことができない。一長一短ある。
テーマ図の▲45桂に①△22銀と②△44銀の分岐になる。今回は①△22銀の変化を考えたい。
▲75歩に△同歩の変化
手順 △22銀▲75歩△同歩▲53桂成△同玉▲74歩△44歩▲56歩。
△22銀に▲75歩△同歩▲53桂成△同玉▲74歩と、後手玉を乱しつつ桂馬を取りに行く。△44歩は将来の▲45桂を消した意味だ。△33桂も意味が同じだが、▲35歩の桂頭攻めが残る。
△44歩に▲56歩の味が良い。次に▲59飛を見ている。最終図はこれからの将棋だが、先手まずまずと見たい。
手順 △65桂▲同歩△同銀▲24歩△同歩▲同飛△23銀▲同飛成△同金▲63歩。
△44歩や△33桂に代えて、△65桂▲同歩△同銀とするのが、後手の最強手だ。▲74歩が残るので後手玉は怖いが、△76桂の打ち込みの楽しみがある。
先手はじっとしていられないので、▲24歩△同歩▲同飛と動いていく。対して△23歩は▲34飛と寄って、△33銀は▲45桂が両取りになる。△23銀は▲34飛を消した手だが、あっさり▲同飛成△同金▲63歩と攻めて先手指せる。
最終図以下、△同金は▲72銀。△同玉は▲55桂△53玉▲63銀△同金▲72角。△72金は▲73歩成△同金▲82銀△同飛▲71角。△52金は▲72角△71飛▲73歩成。いずれも攻めが続く。
手順 △76桂▲79玉△23銀▲29飛△24歩▲69玉△74銀▲58玉。
△23銀と上がると▲同飛成△同金▲63歩の攻めがあった。△23銀の前に一回△76桂と王手する手は考えられる。▲98玉は△95歩がある。よって▲79玉と引くことになるが、そこで△23銀と上がれば▲同飛成と切りづらくなっている。
▲29飛と引くことになり、△24歩で落ち着く。以下先手がどう駒組するかだが、▲69玉が好手だ。△76桂から遠のいている。
最終図まで進むと△76桂が重くなっている。△76桂よりも先手の持ち駒の桂馬が大きく、先手を持って指してみたい。
▲75歩に△63銀の変化
手順 △63銀▲74歩△同銀▲56角△65歩▲同歩△44角▲64歩△65桂▲76歩。
次に△63銀と引く変化だ。この手は▲67銀型だからこそできる手だ。▲56銀型だと▲74歩△同銀▲55銀のように先手の銀が威張る。
▲74歩△同銀に▲56角と設置する。対して△52角と受けると▲75歩△同銀▲53桂成△同玉▲74歩となって、先手の角の方が働きが良い。▲56角に△84飛は▲75歩△63銀(△同銀は▲53桂成△同金▲76歩)▲76銀右で、次に▲74歩△同銀▲同角△同飛▲75銀打がある。
▲56角には△65歩が勝る。▲65同歩に△同桂は▲76銀直△64歩▲75歩△63銀▲66歩で先手良し。▲65同歩に△同銀も▲74歩で先手良い。
▲65同歩に△44歩も自然だが、▲64歩△65歩▲76銀右で後手の形が悪い。桂得くらいでは追いつかない。
▲65同歩には、先手玉を睨む△44角の設置が有力だ。先手の▲56角の筋違い角のラインと、後手の△44角の通常のラインの場合、角の働きは後手に軍配が上がる。
△44角に▲64歩も急所の一手。△81飛と△62金の格好は、63の地点が急所だ。将来▲63歩成△同金▲72銀や▲72角を狙える。
▲64歩に△65銀は▲74歩△56銀▲同歩△65桂▲55銀で先手良し。▲64歩に△75銀も▲79玉△64銀▲66歩で▲74歩が残る。
△65桂▲76歩と受けた図が重要な課題図だ。
課題局面
ここで後手の手が広い。順に見ていきたい。
①△77桂成
手順 △77桂成▲同桂△65歩▲26桂△52玉▲34桂△13銀▲79玉。
まず目に付く△77桂成だが、▲同桂が▲74角の先手になる。△65銀打としたいが、▲66桂で先手優勢だ。仕方なく△65歩になるが、ターンが先手に渡る。▲26桂が痛い。
最終図▲79玉と引いて、次に▲65角や▲65桂、▲15歩△同歩▲同香△14歩▲24歩△同銀▲22歩の攻めを狙う。先手指せる。
②△73金
手順 △73金▲66銀左△64金▲35歩。
▲64歩が嫌らしいので、△73金から回収する手も考えられる。▲66銀左とかわし、△64金に▲35歩と攻める。△35同角は▲75歩で催促できるし、△35同歩は▲79玉と引いておいて▲34桂のキズがある。▲35歩は取れない。
最終図から△75歩、△95歩▲同歩△97歩、△95歩▲同歩△86歩▲同歩△87歩など複数攻め方がある。先手はかなり怖い格好だが、後手玉も壁銀の上に△74銀と△64金が上ずっていてとても薄い。先手は良いタイミングで反撃したい。
形勢は難しいが、後手は選びづらい順だろう。
③△86歩
手順 △86歩▲同歩△85歩▲66銀直△77桂成▲同金△86歩▲74角△87歩成▲同金△66角▲78玉△99角成▲63歩成。
△86歩▲同歩△85歩の継ぎ歩攻めはどうか。▲85同歩は△同銀で、▲82歩△同飛▲83歩△77桂成(△同飛は▲79玉で先手指せる)▲同金△72飛で後手ペース。
△85歩に▲66銀直と対応するのが勝る。△86歩の取り込みには▲65角△同銀▲同銀と取れる。銀を渡すと△87銀の打ち込みがあるが、角なら渡しても大丈夫だ。
△77桂成▲同金△86歩と取り込んだら、強く▲74角と取る。△87歩成▲同金△66角に▲77銀は△86歩で後手良し。▲78玉と逃げて、△99角成に▲63歩成と攻め合えば先手指せる。
継ぎ歩の攻めは魅力的だが、▲66銀直に何か対策がないと後手が困る。
④△75歩
手順 △75歩▲66銀左△76歩▲79玉△86歩▲同歩△88歩▲同金△33桂。
△75歩が最有力だ。▲同歩は△77桂成▲同桂△75銀で後手指せる。▲66銀左△76歩▲79玉と角のラインを避けるが、△86歩▲同歩△88歩▲同金と味をつけて△33桂と跳ねる手の感触が良い。△31玉ー△21玉と逃げ込むスペースを作りつつ、攻め駒を増やしている。
最終図は後手良し。
△22銀に▲35歩の変化
手順 ▲35歩△44歩▲53桂成△同玉▲34歩△43金▲56歩△42玉▲15歩△同歩▲75歩△63銀▲74歩△同銀▲75歩△63銀▲45歩。
最後に△22銀に▲35歩とする変化を見ていきたい。▲35歩に△44歩で桂損になるが、▲53桂成△同玉▲34歩として後手の陣形を乱したのが主張になる。
△43金に▲56歩と伸ばす味が良い。▲67銀型を生かしている。
最終図▲45歩まで進むと、先手ペース。以下△45同歩なら▲24歩△同歩▲44歩△同金▲23歩で攻めが続く。
手順 △35同歩▲15歩△44歩▲53桂成△同玉▲14歩△63銀。
▲35歩に△同歩が勝る。対して▲24歩は△44歩で、▲75歩△同歩▲23歩成△同銀▲74歩△45歩▲73歩成△同金となって先手の攻めが細い。このとき▲56銀型なら最後▲45銀と出ることができた。
▲15歩に△同歩なら、今度▲24歩△44歩▲75歩△同歩に▲15香△同香▲74歩で先手良しだ。
▲15歩のタイミングで△44歩と突く。▲53桂成△同玉▲14歩と取り込むが、△63銀が好手だ。▲75歩の桂頭攻めと▲56歩ー▲55歩の両方をケアしている。
最終図は先手の攻めが細い。
まとめ
今回は▲67銀型▲45桂仕掛けに対して、△22銀と引く変化を検討した。
▲75歩に△同歩か△63銀の分岐になる。△同歩▲53桂成△同玉▲74歩となって、次に▲56歩の味が良い。形勢は難しいが、▲67銀型が生きている。
▲67銀型を咎めるなら△63銀だろう。以下▲74歩△同銀▲56角△65歩▲同歩△44角▲64歩△65桂▲76歩が予想され、△75歩と攻めて後手ペース。
▲45桂に△22銀と引いて、▲75歩に△63銀と対応する変化が後手有力だ。