第1図
角換わり▲66歩の研究はこちらから。こちらの記事では▲49飛と逃げた局面付近で、研究を打ち切っている。
形勢は難解で、実戦でやってみないと分からないという局面だろう。
終盤は序盤、中盤よりも手が広くなるので研究しづらい。しかし形勢判断の要素や部分的な攻め方を覚えておくと、まったく同じ局面にならなくても類似型で役立つ。
第1図から、詰む詰まないが絡むあたりまで調べてみたい。
手順 △26角▲13香成△37桂成▲58金△45銀直▲同歩△55桂▲56銀△38成桂▲69飛△48成桂。
△18歩成に▲49飛以外の逃げ場所だと、△26角が厳しい。▲49飛は△26角を警戒した手だが、それでも△26角は考えられる。
▲13香成と香を逃げて、△37桂成には▲58金と逃げる。先手に手が回れば▲21とから確実な攻めがあるので、先手は後手の攻めをいなしたい。
▲58金に△47成桂は▲同飛△38銀▲48飛で空ぶっている。
△45銀直▲同歩△55桂▲56銀△38成桂▲69飛△48成桂とひたひたと寄せていく。
手順 ▲49香△58成桂▲同玉△37角成▲14角△15金▲46銀△14金▲37銀△13金▲46桂。
△48成桂を手抜いて▲21とから攻めたいが、△51玉と早逃げされる。以下▲22と△42金▲23成香に△58成桂▲同玉△67歩で後手良しだ。
▲49香に代えて▲49銀は△58成桂▲同銀△52玉で、先手玉は安全になるが戦力がダウンするのが気になる。
▲49香は駒を温存した受けだ。
△37角成で次に△36馬を見せるが、▲14角がぎりぎりの受けだ。
△15金に▲46銀で切り返せる。
対して△28馬とするのは、▲32角成△同玉▲55銀右△同銀▲同銀△同馬▲44桂△同歩▲同歩で先手勝ちだ。▲44桂に△51玉と逃げても▲51銀△同玉▲63桂以下詰みになる。
△14金からの取り合いなるが、最終図▲46桂とした図は先手指せる。13成香は取られてしまったが、先手玉が安全になったのが大きい。
手順 △16角▲56香△37桂成▲58銀。
▲49飛で△26角を警戒されているのに、△26角と打ちづらいのが人情だ。▲49飛を咎める意味で△16角は有力だ。
▲69飛と逃げたら△27角成と成っておく。
▲38角には△同角成▲同金△26角▲13香成△37桂成とする。今度△37桂成が先手にはならないが、△45銀直とせずに金が取れるので後手が得している。
△16角に▲58銀としても構わず△37桂成がある。▲同金は△49角成▲同銀△39飛で後手良しだ。
△37桂成に▲56香で合流するが、▲58銀に△28と▲13香成△38と▲19飛△17歩▲47金△37との変化を与えるので先に▲56香が勝る。
手順 △45銀直▲同歩△46桂▲67銀△49角成▲同金△29飛▲39銀△48成桂▲71角△61金▲54香△71金▲64角△62金▲53香成△同金▲73角成△81飛▲65桂。
▲58銀に45銀直▲同歩△46桂は厳しい攻め方だ。▲37金は△58桂成▲同玉△49角成▲同玉△29飛で怖い格好だ。
▲67銀とかわし、△29飛に▲39銀と壁を作る。▲39銀と▲49金を犠牲に手を稼ぐ方針だ。
△48成桂に▲71角から▲73角成まで一直線で進んで先手良しだ。
最終図以下△54金は▲63馬。△52金は▲64馬△53歩▲63銀の要領だ。
手順 △38桂成▲37金△49成桂▲54香△59成桂▲79玉。
△49角成に代えて△38桂成が有力だ。先手はこのタイミングで▲37金を取る。
△同成桂は▲46飛△47金▲54香△46金▲64角で先手優勢だ。
△49成桂▲54香△59成桂に▲79玉と逃げる。▲同玉は△39飛▲68玉△49角成で一気に危ない格好になる。終盤は駒得に走らない方が良い。
▲54香に△同歩は▲79玉△59成桂▲71銀△72金▲64角が厳しい。
最終図以下△86歩▲同歩△87歩は▲同金△69飛▲88玉△67飛成▲71角で攻め合って先手良しだ。
△49角成なら▲64角で、△86歩▲同歩△87歩に▲68金で耐える。△67馬▲同金△88銀▲同銀△69飛▲78玉△88歩成▲同玉△67飛成と迫りたいが、▲53香成△同金▲54桂以下詰む。
駒を渡さず先手玉に迫るのが難しい。
手順 ▲69銀△49角成▲同金△29飛▲71角△61金▲54香△71金▲64角△62金▲53香成△同金▲51銀△52玉▲73角成△49飛成。
▲67銀ではなく、▲69銀とかわす手もある。
△29飛から△49飛成としても、△69金がないので詰めろにならない。なので△49角成▲同金△29飛に手抜いて▲71角が考えられる。
しかし進んで最終図は先手が足りない。
▲62馬△41玉▲53馬としたいが、△58桂成で▲同銀も▲79玉も長手数で詰む。
△49飛成に▲79玉△58桂成▲88玉と早逃げし、△69竜に▲62馬△41玉▲33桂△同金▲42銀打△32玉▲33銀成△同玉▲79金打は最善の頑張りだ。しかし以下△78竜で、▲同金は△69銀。▲同玉は△68金で、▲同銀も▲同金も先手玉が詰む。
手数は長いが、後手は大量の駒を持っている。△67香に合駒して△58銀▲同玉△49角まで進めば分かりやすい。
▲69銀と引いても△29飛には受ける必要がありそうだ。
手順 ▲67角。
△29飛に▲39銀と受けると、▲67銀と逃げたときと似た展開になる。△59成桂が銀に当たるので▲39銀と打つ展開を選ぶなら▲67銀と逃げる方が勝るだろう。
▲69銀と引いたメリットは、▲67角と打てることだ。この格好が安定している。
手順 △38桂成▲37金△49成桂▲54香△同歩。
△49角成▲同金△29飛は▲67角がきいた。△67歩▲79玉△29飛なら▲67角がないが、▲71角と手抜くことができる。
△49角成では△38桂成が良さそうだ。▲37金△49成桂▲54香で、△59成桂は▲同玉△29飛▲68玉△49角成が甘い。次に△59馬としても▲67玉と逃げられる。▲67銀の場合の方がこの筋は厳しい。
手順中△39飛は金取りになるが、△38飛成とできないので攻めが遅くなるケースがある。この場合は金を取るより△28飛成を残す方が勝る。
▲54香には△同歩が冷静だ。▲54香を放置すると、いつでも▲71角△61歩▲51銀△同玉▲53香成の筋がある。
最終図は後手指せる。
▲46桂には△75歩がぴったりだ。
まとめ
第1図から①△26角 ②△16角がある。
△26角なら先手玉を安全にしながら攻めを組み立てる。△16角は▲56香から一直線の攻め合いだ。
△16角▲56香△37桂成▲58銀△45銀直▲同歩△46桂には▲69銀か▲67銀の岐路だ。
▲69銀は▲67角の余地を残しているが、将来△59成桂が銀に当たる。
▲67銀は下段がスカスカしているが、▲79玉ー▲88玉と逃げだすイメージだ。▲79玉の一手はとにかく大きい。
先手指せる変化が多そうだ。