前回は脇システムに至るまでの手順について調べた。

基本図

第1図から①▲64角 ②▲26銀に分岐する。▲64角は昔からある指し方で、▲26銀は新しい指し方だ。

手順 ▲64角△同銀▲26銀△69角。

▲64角に取り方が△同銀と△同歩のどちらも考えられる。まずは△同銀から。

対して▲26銀から端攻めを狙う。▲26銀に後手も△75歩▲同歩△同銀▲76歩△84銀と端攻めを狙いたいが、▲15歩と先に端を攻めることができる。

後手は端攻めは間に合わないが、先手から角交換してもらったので先に銀を四段目に出ている。それを生かして△69角から攻め合いを目指す。まずは▲48飛と受けるとどうなるか。

手順 ▲48飛△75歩▲79金△76歩▲同銀△75歩▲85銀△87角成▲同玉△85飛▲86歩△82飛▲77歩。

▲48飛には△75歩と攻める。これに▲同歩と取ると、△同銀▲76歩△86歩で棒銀が成功して後手ペースになる。

△75歩には構わず▲79金と角を取りに行く。これで角の行く場所がない。▲68金寄もあり、この方が上部に強いが、同様に進んだとき△59銀のキズがある。△75歩に▲68金引では△78角成とされて玉が薄くなる。以下▲78同金△76歩▲同銀△86歩で攻めが続く。

△76歩▲同銀△75歩に▲69金とすると、△76歩▲78金△86歩▲同歩△75銀で厚みを作って攻めが続く。▲85銀が手筋だ。△同飛なら▲69金△76銀▲78金で後手の攻めが細い。

▲85銀には△87角成が好手。形を乱している。

最終図、△76銀を消して▲77歩と受けた図は難しい。以下△76歩▲同歩△75歩と継ぎ歩で攻めるか、じっと△73桂としておいて歩が入ったときの△85歩▲同歩△86歩を狙う。歩が入らなくてもすぐ△85歩▲同歩△同桂▲86歩△77桂成の攻めもある。

互角ながらも受け身になる先手は好んで選びづらい変化か。

手順 ▲15歩△同歩▲同銀△47角成▲24歩△15香▲23歩成△同金▲15香。

△69角には手抜いて▲15歩と攻め合いたい。△同歩▲同銀に△47角成には▲24歩と攻める。△同歩には▲同銀△同銀に▲11香成が好手だ。▲24同飛では△23歩▲28飛△19香成で香損になる。

しかし一方で▲11香成は王手でないので△23歩と受けられる。以下▲45歩と攻めてどうか。確実に銀香交換をしたい場合は△24同歩に一回▲12歩を入れるのが良いだろう。△同香と取らせて▲24銀と出れば△同銀▲同飛△23歩に▲12香成が王手で入る。

銀香交換できれば先手十分なので、▲24歩の瞬間△15香と取る。▲23歩成△同金の形を乱して、▲15香となった図はどうか。

手順 △27歩▲26香△28歩成▲23香成△同玉▲14角△22玉▲41角成△32銀▲23歩△同銀▲12金△同銀▲同香成△同玉▲23銀△11玉▲12歩△同飛▲同銀成△同玉▲17飛△13歩▲47飛△42金打。

一回△27歩とたたく。対して▲26香は鋭い一手だが、△28歩成ときっぱり取って後手良しだ。

手順は長いが、最終図△42金打まで進むと先手の攻めが遠のいている。

手順 ▲27同飛△36馬▲37飛△25馬▲83香△42飛。

△27歩に▲26香と打てないので▲27同飛になる。△36馬に▲17飛は△14歩と受けられる。▲37飛に△同馬は▲同桂で先手の持ち駒が角2枚になるので攻めが繋がる。よって△25馬と逃げることになりそうだ。

待望の▲83香で、△同飛は▲61角が両取りになるので△42飛と逃げる。

最終図の形勢は難しい。先手は直接的な攻めではなく、曲線的な攻めだ。お互い入玉を意識しながら指すことになる。脇システムで持将棋になりやすいのは、こうした展開が多く現れるからだ。

形勢自体は難しいが、先手を持って指すことに不安を感じる人が多い気もする。

手順 ▲11角△12玉▲13歩△同桂▲23歩成△同金▲15香△14歩▲同香△24歩▲16香△22銀打。

戻って△15香に▲23歩成△同金▲15香とせずに▲11角も考えられる。△同玉なら▲23歩成で破れる。

△12玉とかわずが、▲13歩とたたく。▲23歩成△同金▲13歩は手順前後で△13同金と取られる。▲13歩△同桂▲23歩成△同金▲15香で、△14歩▲同香と、▲14歩と打たれる手を消してから△24歩と受ける。

▲16香の足し算に△22銀打がしっかりした受け。先手の攻めが細い。

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