相掛かりの重要な課題局面を検討したい。

目次

第1図 テーマ図

手順 △44歩▲46歩△42銀▲48金△43銀。

△74歩を取らせる間に△73銀ー△64銀と繰り出し、先手は一歩得、後手は手得という構図だ。

△74歩を取らせる作戦は▲68玉型に有効だ。こちらの記事で検討した。

図から△44歩と止めて雁木を目指す。△64銀が先手の角を狙えそうな格好なので、後手は角交換をしないほうが良い。

最終図、後手は△42銀ー△43銀の雁木に組めた。ここで先手の駒組みが分岐する。

第2図 テーマ図に至るまでの手順

手順 △94歩▲36歩△86歩▲同歩△同飛▲68玉△14歩▲37桂△74歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲74飛△73銀▲75飛△64銀▲87歩△82飛▲25飛△34歩▲76歩△44歩▲46歩△42銀▲48金△43銀。

テーマ図に至るまでの手順を簡単に振り返りたい。

▲96歩に△14歩と受け、▲36歩△86歩▲同歩△同飛▲58玉△82飛▲87歩とした変化はこちらの記事で検討した。

▲96歩△94歩の交換が入った場合は、▲36歩△86歩▲同歩△同飛に▲68玉が有力だ。

代えて▲58玉もあるが、以下△52玉▲76歩(▲37桂は△87歩▲97角△82飛がある)△34歩▲37桂△76飛のとき△88角成の先手になる。

▲68玉型なら同じように△52玉▲76歩△34歩▲37桂△76飛と進んだとき、次に△88角成がないので▲24歩△同歩▲同飛とできる。

▲96歩△14歩▲36歩△86歩▲同歩△同飛に▲68玉と上がるのは△74歩で、△94歩を省略して駒組みできるので後手が得している。

ややこしいが、端歩の関係を見て先手は玉の位置を選ぶことができる。

一方後手は、▲68玉を見たので△74歩を取らせる作戦を選べる。

お互い、相手の手に対応した指し方だ。

第3図 ▲47銀と上がって▲58玉

手順 ▲47銀△52金▲58玉△33桂▲29飛△72飛▲77金△54歩。

後手は△33桂と飛車を追って、△75歩▲同歩△同銀と棒銀するのが狙い筋だ。

▲68玉が戦場に近いので、先手は▲58玉ー▲68銀の2手を指したい

▲47銀△52金に▲58玉と寄る変化を見ていきたい。

△33桂▲29飛に△75歩は、▲同歩△同銀▲68銀としておいて、△76銀や△86歩▲同歩△同銀は▲55角で切り返せる。

△33桂▲29飛に△72飛と揺さぶる。▲77金と形を乱してから△54歩と駒組する。

第4図 後手は△45歩から動く

手順 ▲68玉△31角▲78銀△82飛。

図から先手の手が広い。

▲68銀は、△45歩▲同歩△46歩▲同銀△13角▲47金△55銀▲同銀△同歩▲38銀が一例。形勢は難しいが、一方的に銀を使わされるので先手面白くない。

▲16歩と突いて、将来▲15歩△同歩▲14歩を狙う手にも△45歩は有力。

以下▲45同歩は△46歩▲同銀△13角▲47金△55銀の筋がある。▲45同桂△同桂▲同歩△65銀▲44桂△55桂と攻め合ってどうか、という将棋になる。

いずれも先手は△45歩の筋が怖い。

▲68玉と戻れば△45歩の仕掛けを警戒できる。▲58玉ー▲68玉と往復して何をしているか分からない手順だが、後手が△72飛と8筋から逸れたので▲68玉と寄りやすくなっている。

▲68玉△31角▲78銀で、△75歩は▲同歩△同銀▲76歩△同銀▲同金△同飛▲45歩と反撃できる。

▲78銀に△41玉は▲66金△82飛▲56金とスライドして、次に▲45歩を狙う。

後手の△41玉がやや甘く、先に△82飛が勝る。これなら▲66金には、△75歩や△53角▲56金△75歩で後手ペースになる。

最終図はこれからの将棋。

第5図 ▲47銀を省略して▲58玉を急ぐ

手順 ▲58玉△33桂▲29飛△72飛▲45歩△76飛▲44歩△54銀。

▲47銀を省略して▲58玉を急ぐ工夫がある。

△52金は▲68銀△33桂▲29飛△72飛のとき、▲66歩△76飛▲67銀△71飛▲76歩として、第3図の▲77金と受けた変化と比べて先手の形が良い。

▲68銀と上がられる前に△33桂▲29飛△72飛と揺さぶるのが一案だ。

対して先手は▲45歩と仕掛ける。△同歩は▲44歩△54銀▲35歩で桂頭が受からない。△45同桂も、▲同桂△同歩▲22角成△同金▲69玉で後手陣がバラバラだ。

△76飛▲44歩△54銀が勝る。

最終図以下▲77歩△46飛▲68銀と駒組するのが予想され、形勢不明。

第6図 △35歩と仕掛ける

手順 △52金▲68銀△35歩▲26飛△34銀▲47銀△45歩▲22角成△同金▲77角△33桂▲45桂△43金▲35歩△同銀▲29飛△36歩▲69玉。

▲58玉に△33桂▲29飛△72飛は後手有力の変化だ。もう一つの手段を見ていきたい。

△52金▲68銀に△35歩と突く。▲47銀を保留しているのを咎めている。

△35歩に▲47銀は△45歩の変化を与えるので、▲26飛△34銀▲47銀が勝る。

対して△36歩▲同飛△35歩▲26飛△43金右▲66歩△41玉▲67銀・・・の持久戦もあるが、少しずつ後手が凝り形になる印象だ。

▲47銀に△45歩と突っかける。▲22角成△同金に▲45歩は、△15角▲16飛△37角成▲同金△25銀で後手指せる。

△22同金に▲77角△33桂▲45桂で先手好調のようだが、△43金と受けられて難しい。以下▲35歩△同銀▲29飛△36歩に▲69玉と逃げる。

代えて▲38歩は大人しく、△44歩▲33桂成△同金寄で難しい。▲69玉は頑張った一手で、△15角が気になるが、▲26歩△同角▲同飛△同銀▲16角が痛い。

まとめ

今回は相掛かりで、▲96歩に△94歩と受け、△74歩を取らせる変化を検討した。

▲58玉と寄るタイミングで分岐する。

▲47銀ー▲58玉は、△33桂▲29飛△72飛の揺さぶりに▲77金と受けることになる。

以下△54歩に▲68銀や▲16歩は△45歩の仕掛けがあるので、▲68玉と戻る。難しい手順だ。

▲47銀を省略して▲58玉は、今度△33桂▲29飛△72飛だと▲45歩と仕掛けることができる。

以下△76飛▲44歩△54銀▲77歩△46飛▲68銀の進行は形勢不明。

もう一つ、△52金▲68銀に△35歩の仕掛けも考えられる。先手も怖いが、後手もバラバラで怖いところだ。

先手の指し方も後手の指し方も手が広く、奥が深い。

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