今回は▲58玉△52玉型の相掛かりを検討したい。

目次

第1図 テーマ図

手順 △52玉▲66角。

第1図は後手の作戦の分岐点だ。

△74飛と寄る手や、△34歩▲24歩△同歩▲同飛に△52玉と上がる手も有力。以下▲22角成△同銀▲66角は△23歩で受かる。

▲24同飛に△52玉と上がるのは、△23歩を保留してひねり飛車の含みを残している。突っ張った指し方だ。

今回は△52玉と上がる将棋だ。

対して▲36歩だと△34歩▲24歩△同歩▲同飛△74飛▲77金△35歩と動かれる。

後手はすでに8筋の歩交換を終えているが、先手はまだ2筋の歩交換ができていない

△23歩を打っても一局の将棋だが、打たずに利を追求できるかどうかがこの図のテーマになっている。

△34歩と突いていないのを咎めて、▲66角と上がる。

第2図 △82飛は後手不満

手順 △82飛▲77角。

△82飛と引く手には、▲77角と引く。また△84飛と浮くと▲77角の一手分、先手が得する。

▲77角に△34歩は▲24歩△同歩▲同飛で、△23歩は▲34飛とできるし、それを防いで△84飛と浮くと、第1図で△34歩▲24歩△同歩▲同飛△52玉▲77角と上がる変化と比較して、先手が一手得している。

▲77角に△64歩と突くと、▲24歩△同歩▲同飛で、△23歩は▲64飛で一歩得。△63銀は▲23歩△13角▲28飛△24歩▲15歩△23金▲14歩△22角▲27銀で先手指せる。

△82飛と引かせたことによって、△34歩や△64歩が突きづらくなっている。

第3図 △74飛に▲75角

手順 △74飛▲75角△34歩▲88銀△35歩▲46歩△34飛▲47銀△62玉▲68玉△42銀▲79玉△71玉▲58金。

△74飛と寄りたい。

対して▲75角と上がる手から見ていきたい。△76飛を受けつつ、△84飛と戻させない意図だ

△84飛と戻れないので△34歩▲88銀△35歩からひねり飛車にするのは自然な発想だが、通常のひねり飛車よりも先手玉が固くできる。

最終図から▲86歩ー▲77桂ー▲87銀と銀冠に組みたい。

最終図は先手十分。

第4図 ▲75角に△54飛の変化

手順 △54飛▲88銀△83銀▲66角△74銀▲77角△65銀▲26飛△74飛▲75歩△同飛▲24歩△同歩▲同飛△54銀▲86歩。

△54飛と回る変化を見ていきたい。

対して▲66角は△74飛で千日手模様になる。

▲88銀に△83銀から銀を繰り出していくのが△54飛の狙いだ。

△65銀に▲26飛と浮いて、後手が何もしてこなければ▲86歩ー▲87銀を間に合わせる。

△74飛と回って△76銀を狙う手に、▲75歩△同飛▲24歩△同歩▲同飛と対応する。

次に▲84飛を狙っていて、△72金と上がって受けると、▲25飛と引いて▲24歩と▲76歩を狙う手がある。

△54銀が勝り、▲86歩ー▲87銀を目指してどうか。

最終図は先手一歩損だが、後手の△75飛が中途半端でまとめづらい。

▲16歩△14歩が入っていない場合、▲24同飛に△54銀と引くと▲23歩がある。後手としても▲16歩△14歩の交換が入っているからこそできる変化だ。

▲26飛に△74飛と回らず、△71金(△72金は▲75歩△74歩▲86飛で後手困る。△71金なら▲86飛に△75歩▲83飛成△76歩として後手指せる)▲86歩△34歩▲48金△33桂▲87銀△74飛とする順も、次に△13角ー△35角を見て、▲16歩△14歩の交換を生かしている。

個人的には△74飛▲75歩・・・の順よりもこちらの順をやってみたい。

第5図 ▲75角に△83銀の変化

手順 △83銀▲77桂△54飛▲68銀△74銀▲66角△64歩▲56歩△同飛▲48玉△65歩▲57角△34歩。

単に△83銀も有力。

対して▲88銀や▲68銀には、△84銀▲66角△76飛▲77銀△74飛とできる。

△83銀に▲77桂とすれば△84銀▲66角△76飛とはできないが、△54飛と回って、第4図より▲75角が狭い。

△64歩に▲56歩△同飛▲48玉は一歩を犠牲に後手の形の悪さを主張する順だが、先手も▲46歩ー▲47銀ー▲58金のように駒組みするにはまだ時間が掛かる。

最終図の形勢は難しいが、先手が好んで指すかは不明だ。

第6図 △74飛に▲77桂

手順 ▲77桂△76飛▲24歩△同歩▲同飛△34歩▲68銀△66角▲同歩△22銀▲36歩△23銀▲28飛△24歩。

△74飛に▲75角は後手まずまずだった。

▲77桂と跳ねる手は、一歩を犠牲に駒組みを優先する意図だ。

▲24同飛に△23歩は▲26飛△74飛▲68銀と進んで、△34歩は▲22角成△同銀▲82角の打ち込みがある。

△34歩のタイミングを逃すと突きづらくなる。

▲24同飛に△34歩と突き、▲22角成△同銀▲82角は△93香▲91角成△33角で後手指せる。

△34歩▲68銀△66角▲同歩△22銀に▲82角は、△93香▲91角成△66飛と取られ、馬の働きが今一つな上、歩損が気になる。

△22銀に対して▲67銀△74飛▲36歩とすると、△88歩▲同金△95歩▲同歩△98歩▲同香△99角のスキが生まれる。

単に▲36歩と突き、▲37銀や▲37桂の活用を狙うが、後手も△23銀ー△24歩と手順に銀冠に組める。

最終図は後手一歩得VS先手手得、という構図だ。どちらを持ちたいか分かれるところだろう。

形勢は難しいが、後手番でこの展開なら不満ないようにも見える。

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