相掛かりで、▲96歩に△52玉と上がる将棋を検討したい。
先にこちらの記事からお読みいただくと、より理解が深まります。
目次
第1図 △94歩と△73桂の分岐点
手順 △94歩。
第1図が△94歩と△73桂の分岐点になる。
第1図からすぐ△75歩と突くと、▲97角で取られる。△94歩は▲97角に△95歩を用意し、次に△75歩と突く狙いがある。
一方、△73桂だと△75歩の狙いはないが、桂を活用しつつ、次に△86歩▲同歩△同飛▲87歩△81飛と手順に下段飛車に引く狙いがある。
どちらも難しいが、△94歩の方が突っ張った指し方だ。
第2図 △75歩を取らせる将棋
手順 ▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛△75歩▲68銀△34歩▲56歩△73銀▲57銀△42銀▲66銀△64銀▲58金。
△94歩に▲24歩△同歩▲同飛と歩交換する作戦もあるところ。
△23歩に▲74飛もあるが、△86歩▲同歩△同飛▲75飛△24歩のように指されたとき、▲47銀型と横歩取りの相性が悪く、先手が苦労する将棋になる。
▲97角に△95歩と突ける格好なので、△75歩と突ける。
▲68銀に△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛を優先させると、▲66歩△34歩▲67銀の余地を与える。
▲68銀に△34歩は、▲66歩を防いだ細心の駒組みだ。
最終図は一局。
後手は△74銀型に組むのもあるところ。上記の手順△64銀に代えて△74銀だと▲76歩△同歩▲75歩が気になるので、△42銀に代えて△86歩▲同歩△同飛▲87歩△84飛を急ぎ、▲66銀に△74銀と上がることが予想される。
第3図 後手の理想図
手順 ▲76歩△34歩▲24歩△同歩▲同飛△73桂▲28飛△86歩▲同歩△同飛。
△75歩を防いで▲76歩と突く指し方を見ていきたい。
▲76歩と突かせたので、後手はその歩を狙う指し方を目指す。
△34歩▲24歩△同歩▲同飛△73桂と跳ね、▲28飛に△86歩▲同歩△同飛と動くのが後手の理想だ。
△23歩を打たずに済んでいる点が大きい。
最終図以下、▲22角成△同銀▲77角は、△89飛成▲22角成△27歩▲同飛△35桂で後手良し。
△86同飛に▲87歩でも、▲68玉でも、▲66歩でも何でも△76飛と取って動くことができる。
後手が主導権を握っていて、先手不満と見られている。
最終図の局面を避けて、▲28飛に代えて▲77角もある。
1筋の交換が入っていない格好なら、△77同角成に▲同桂△22銀▲75歩△84飛▲56角△23銀▲28飛△75歩▲74歩△24歩▲73歩成△同銀▲15桂で攻めが続く。
こちらの記事で検討した。
今回の場合、1筋が入っているので▲15桂がない。▲74歩△24歩で攻めが続かない。
この変化もとても重要なので、また検討したい。
第4図 テーマ図
手順 ▲77角△同角成▲同金△73桂。
△34歩に▲77角と上がる手を検討したい。
△同角成に▲同桂は、△22銀▲24歩△同歩▲同飛△73桂で第3図に合流するうえに、△73桂に代えて△33角の変化を与える。
▲77同金が勝り、△73桂と跳ねて△65桂を狙う。
第5図 ▲66歩の変化
手順 ▲66歩△22銀▲24歩△同歩▲同飛△86歩▲同歩△85歩▲75歩△86歩▲88歩△84飛▲74歩△同飛▲56角。
△65桂を防ぐなら▲66歩と▲56銀だが、変化が大きく変わる。
▲66歩△22銀で、次に△33銀と上がられると▲77金型の分だけ先手が損だ。
△22銀▲24歩△同歩▲同飛と歩交換するが、△86歩▲同歩△85歩の反撃がある。
▲85同歩には△33桂と跳ね、次に△85桂と△85飛▲86歩△25飛を狙えば後手ペース。
△85歩▲75歩に、△86歩の取り込みが入る。
以下▲74歩には△23銀▲28飛△87歩成▲73歩成△同銀▲83歩△同飛▲65角△74角で後手良し。
このとき▲47銀が浮いている。
▲88歩と受けさせてから△84飛と受ける。
最終図以下、△84飛と△75飛のいずれも有力。
形勢は難解だが、後手番としてはまずまずな展開だ。
第6図 ▲24歩に代えて▲56角
手順 ▲56角△33銀▲74角△84飛▲75歩△83銀▲56角△54歩。
▲24歩に代えて▲56角も有力。どちらかといえば、▲24歩よりこちらを選びたい気がする。
▲56角に△84飛と△74歩を受けるのは、▲34角と取って、次に▲15歩△同歩▲24歩△同歩▲12歩の狙いができる。
▲34角△33銀▲56角△64歩としても、▲36銀ー▲35銀の応援が利く。
▲56角に△33銀と受けると、▲74角△84飛▲75歩として、次に▲95歩△同歩▲92歩を狙う。
それを防いで△83銀▲56角△54歩と角にプレッシャーをかけるが、後手陣は乱れる。
最終図はこれからの将棋だが、後手は神経の使う将棋だ。
第7図 ▲56銀の変化
手順 ▲56銀△33金▲66歩△64歩▲36歩△62金▲48金△63銀▲37桂△81飛▲68玉△22銀。
▲56銀に△22銀の場合、▲24歩△同歩▲同飛△86歩▲同歩△85歩▲75歩△86歩に▲74歩が成立する。
以下△23銀▲28飛△87歩成▲73歩成△同銀▲83歩△同飛▲65角のとき、▲47銀が浮いていないので△74角の切り返しがない。
一方で、▲56銀には△33金と上がりやすくなる。
▲66歩の場合、△33金だと▲56角△84飛▲36銀△44歩(▲45銀の防ぎ)▲45歩と動くことができる。
△33金以下お互い駒組みして、角換わりの将棋になる。
最終図、▲77金△33金型の角換わりだ。後手は機を見て△32金と引きたい。
例えば、最終図以下▲29飛と引いた瞬間が△32金と引くタイミングだ。▲24歩△同歩▲同飛に△86歩▲同歩△85歩と反撃できる。
第8図 ▲24歩の変化
手順 ▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛△65桂▲55角△93角。
▲24歩と突く手もある。
△同歩▲同飛に△22銀とすると、▲56銀と上がり、第7図の変化を回避できる。
△22銀に▲66歩だと第5図の変化に合流する。
だから後手は△23歩▲28飛△65桂と勝負する。
▲55角に△93角が好手だ。
このあと、一気に終盤戦になる。
次回の課題局面にしたい。