▲58玉と上がった局面で、△82飛と引く手が前例が多い。△82飛と引く変化はこちらで検討した。△74歩は変化球の指し方だ。△73桂の活用を見せ、将来△36飛と取ったとき▲82歩に△73桂と逃げられるようにしている。

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲74飛△73銀▲75飛△82飛▲76歩△64銀▲25飛。

△74歩が出っ張っているので、その瞬間に▲24歩と突く。△24同歩▲同飛△23歩には▲74飛と一歩得する。

後手は一歩損と引き換えに手得を主張する。△82飛に▲76歩が細かい一手だ。△86歩と垂らすと▲55角△64銀▲83歩△同飛▲64角△同歩▲72銀と攻めて先手良しだ。

△82飛に▲87歩もあるが△24歩の変化を後手に与える。△82飛▲76歩に△24歩なら▲77桂▲97桂と跳ねて▲85飛を狙える。左辺で戦いになれば△24歩がマイナスになる。

最終図は無事に▲25飛と2筋に戻ることができた。後手は△54歩ー△42銀ー△41玉のような駒組が一案だが、▲87歩と打って駒組を進め、先手不満ない序盤だろう。

手順 △82飛▲87歩△23歩▲74飛△73銀▲75飛△24歩▲35歩△23金▲76飛△34歩▲同歩△同金。

△74歩を取らせる構想なら、先に△82飛と引いて▲87歩と打たせてから△23歩と打つ方が勝る。これなら▲75飛と引いたとき△24歩と突くことができる。

△24歩に▲25歩と合わせても△23金▲24歩△同金で先手の飛車が2筋に戻れない。

▲35歩は次に▲76飛から▲26飛と戻すのを目指しているが、△23金から△34歩と駒を押し上げて勝負する。

最終図は先手の一歩得VS後手の手得という構図だ。先手の飛車の安住の地をどこにするか迷う。どちらを持ちたいかは好みだが、これからの将棋だ。

手順 △73桂▲74飛△36飛▲76歩。

△74歩を取らせる指し方も有力だが、一歩損するのが嫌な人もいるだろう。

△73桂と活用する手も考えられる。対して▲74飛と取ったら、後手も△36飛と取る。一気に激しい戦いになった。

手順 △28歩▲37銀△34飛▲同飛△同歩▲28銀△88角成▲同銀△87歩。

まず△28歩が目に付く。▲37桂は△29歩成で後手良しだ。

▲37銀が自然だが、△34飛とぶつけて後手良しになる。最終図は攻めが繋がっている。

手順 ▲23歩△同金▲24歩△13金▲37銀△35飛▲28銀。

▲37銀の前に▲23歩と打つのが勝る。△13角にはそこで▲37銀とすれば△34飛とできなくなっている。

▲23歩△同金▲24歩△13金を利かして▲37銀とすれば△34飛に▲同飛△同歩▲22角成△同銀▲32角で先手良しだ。よって△35飛となって▲28銀と戻すことができた。

最終図以下△42玉と上がって形勢は難しい。歩の損得はない。△13金の格好をどう評価するかが焦点になる。

手順 △34飛▲75歩△28歩▲37桂△29歩成▲83歩△81歩▲34飛△同歩▲29銀。

単に△34飛とぶつける手はどうか。▲同飛△同歩となれば先後同型のような格好になる。△34飛には▲同飛とせずに▲75歩が好手だ。△74飛なら▲同歩で、手順に桂馬を攻めることができる。

最終図は後手の攻めが細い。先手指せる変化だ。

手順 ▲37桂△36飛▲76歩△34歩。

▲74飛に代えて▲37桂はどうか。後手は△36飛と取る。対して先手も▲74飛と取ると、△73桂に▲74飛△36飛▲37桂とした局面と合流する。以下先手より先に△34歩と角道を開けられ、先手不満だ。

△36飛に▲74では先手の主張がないので、▲76歩と角道を開ける。△同飛なら▲77金△75飛▲86金と駒を押し上げていく。

後手も△34歩と突いた局面からお互い手が広い。

手順 ▲75歩△23歩▲29飛△76飛▲22角成△同銀▲77桂△42玉。

局面が収まると先手の一歩損になるので▲75歩から反撃したいところだ。△同歩なら▲74歩△65桂▲22飛成△同銀▲82角となって先手良し。△23歩▲29飛△75歩も▲48金としておいて▲74歩のキズが残る。

▲75歩を取らず、△76飛が良い動きだ。次に△88角成があるので▲22角成△同銀▲77桂と受けるが、じっと△42玉と上がっておいて後手十分だ。

次に△44角▲68銀△85桂のような攻めがあり、後手が主導権を握っている。

番外

手順 ▲24歩△同歩▲同飛△73桂▲74飛△36飛▲76歩△28歩▲23歩△13角▲37銀△35飛▲28銀△65桂▲66角△25飛▲38金△26飛。

▲58玉型に構えるのではなく、▲68玉型に構える手もある。この場合は▲58玉型より△74歩の指し方が有力になる。

一番の違いは▲68玉型だと△65桂と跳ねたとき57の地点を守りづらい点だ。そのデメリットを咎める指し方になる。

進んで最終図。▲58玉型なら▲68銀と上がって何でもないが、▲68玉型なので次の△66飛▲同歩△57角成が受からない。後手優勢だ。

まとめ

今回は▲58玉型に△74歩と突く指し方を検討した。△82飛と引く指し方が多いので、珍しめの指し方だ。

▲24歩△同歩▲同飛に、△82飛▲87歩△23歩▲74飛と一歩を犠牲に手得をする指し方もあるところ。

▲24同飛に△73桂は後手も△36飛と取ろうとする積極的な手だ。

△73桂に▲74飛△36飛▲76歩が本命の順で、以下△28歩と打ってどうかという将棋。

△73桂に▲37桂は△36飛▲76歩△34歩となって、後手が一歩得になる。後手不満ないだろう。

▲68玉型に△74歩ー△73桂とする指し方はより有力になる。

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