テーマ図

今回は△75飛と引く将棋を検討したい。△75飛では△74飛とぶつける手もあるところ。その変化はこちらで検討した。

△75飛は中途半端な位置だが、先手の▲37桂ー▲45桂の攻めを未然に防いだ意味がある。

手順 ▲37桂△44歩▲38銀△43金▲35飛△同飛▲同歩△36歩▲25桂△15角▲16歩△37角成。

▲37桂に△44歩と突く。この手は油断ならない手で、▲38銀と駒組すると△43金と上がって後手良しになる。▲35飛△同飛▲同歩△36歩▲25桂に△15角が厳しい。▲16歩と角を追っても△37角成と成って攻めが止まらない。

▲38銀が甘い手だった。

手順 ▲76歩△同飛▲35飛△34歩▲85飛△82歩▲38銀△36飛▲25飛△24歩▲29飛。

後手の横利きをずらす▲76歩が勝る。△同飛に▲35飛と引く。これで先手の横利きが復活する。

対して△34歩は▲同飛なら△75飛で千日手狙いだ。▲85飛△82歩と打たせ、▲38銀と駒組する。

最終図は先手作戦勝ちだ。先手は2歩損だが手得で、横歩取りは手得、手損が形勢に直結するほど重要だ。最終図は先手だけ桂馬が使えているのが分かる。こうした戦いは後手避けたい。

手順 △85飛▲86歩△15飛▲44飛△同角▲同角△22歩▲26角打△54飛。

△85飛▲86歩△15飛とあくまでも飛車の横利きをキープする手が考えられる。▲16歩と追うと△14飛で、▲35飛△24飛▲25歩△22飛となって先手不満。△14飛に▲同飛は△同歩で△35歩のキズが残る。

先手もここは▲44飛と踏み込む。△同角▲同角△22歩と受けるが▲26角打が飛車取りと▲53角成の両狙いだ。後手も△54飛と切り返す。△43金と飛車を温存したいが、▲15角△44金▲23歩で攻めが続く。

後手は綱渡りの順だが、先手もここで方針を迷う。

手順 ▲15角△44飛▲38銀△14歩▲26角△24飛▲25歩△34飛▲27銀△35歩▲同歩△44飛。

▲53角成△同飛▲15角と一歩得に目が眩むと、△56歩▲同歩△27角のように反撃される。横歩取りは手の損得、手番が重要だ。歩得はその次に考えれば良い。

盤面に飛車と角、持ち駒に飛車と角がある場合、「盤上に角、持ち駒に飛車」の方が強い。つまりこの場合は先手の方が条件が良い。後手はこのまま駒組になると作戦負けになるので、早い動きが求められる。

▲27銀の受けに△35歩▲同歩△44飛と動いていく。次に△46歩の狙いだ。△44飛に▲34歩△同飛▲36歩は△35歩▲同歩△44飛で千日手模様。

最終図以下▲34歩△同飛▲38金が予想され、一手一手難しい将棋になる。

手順 ▲66角△14飛引▲38銀△42銀。

▲15角と飛車角を取り合わずに▲66角と引いておく手もある。後手の飛車2枚を負担にさせる狙いだ。△14飛引▲38銀△42銀となって、先手はどう駒組するか個性が出る。

▲68銀と中住まいにする手もあるし、▲68玉ー▲88銀と銀冠を目指す手もある。後手は将来△24飛と回る筋があるので、▲25歩と打っておく手もある。いずれにしても力戦の将棋で、後手としてはこうした展開に持ち込めたなら十分、という見方もできる。

まとめ

△75飛は変化球の手だ。△75飛に▲37桂△44歩で、次に△43金と上がられると先手困るので▲35飛と引けるように▲76歩が大切な手になる。歩の損得はあまり関係ない。

進んで▲26角打△54飛に▲15角か▲66角か迷うところ。▲66角と引いたとして、△14飛引▲68銀△42銀にどう駒組するか個性が出る。

力戦調の将棋だ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA