目次 

第1図

今回は△54銀と出る将棋を検討したい。

先手は▲58金右を保留して代えて▲88銀と指している。8筋を守る手を優先した駒組だ。

▲58金右を保留した変化はこちらから。

▲58金右保留のメリットは多いが、デメリットはこの△54銀が成立することだ。次の狙いは△65銀。先手はこの手に対応できるかどうか。

手順 ▲66歩△64歩▲58金右△62飛▲67金△45歩。

△65銀を防いで▲66歩とすると、6筋を狙われる。

最終図は後手ペースだ。先手は△65銀を受けるのは難しい。

第1図を検討する前に、▲58金右が入っていると△54銀が成立しない。その変化から見ていきたい。

第2図

手順 △54銀▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲46銀△45歩▲35銀△77角成▲同桂△55角▲24飛△23歩▲26飛△19角成▲44銀△64馬▲33歩△22金▲31角。

△54銀で後手の角頭が薄くなったので、▲35歩から仕掛けていく。

▲46銀に△36歩は構わず▲35銀と出て、△37歩成▲26飛で先手良しだ。このとき▲58金右と上がっているので△47とと寄れない。

これが▲58金右だと△54銀が成立しない理由だ。

進んで△19角成に▲44角もあるが、△55馬で受かる。▲44銀△64馬▲33歩と攻める方が勝る。

最終図は先手良し。

第3図

手順 △54銀▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲46銀△36歩▲35銀△37歩成▲同桂△36歩▲25桂△同歩▲同飛△22歩▲44銀△65桂▲66角△37歩成。

さっきと同じように仕掛ける。しかし今度△37歩成のとき▲26飛は△47とで後手指せる。

△37歩成に▲同桂になるが、△36歩で後手桂得になる。

途中△22歩が好手で、角のラインをケアしている。

以下後手の角は取れる格好だが、と金が大きい。最終図は後手ペース。

手順 △36歩▲27飛△37歩成▲同飛△52金。

▲27飛と受ける手は考えられる。

△37歩成▲同飛となった局面は後手の手が広い。△64桂、△43銀も目につく。

△52金は▲44銀なら△65桂▲66角△43金右と対応する狙いだ。

最終図の形勢は難しいが、序盤早々桂損するので先手が好んで指す順かどうかは謎だ。

第4図

手順 ▲26飛△45歩▲35銀△37歩成▲58金右△77角成▲同桂△15角▲16飛△14歩▲44角△48と▲11角成△58と▲同金△89金。

△36歩に▲35銀の変化を調べた。他に①▲26飛 ②▲38金 ③▲78玉の分岐がある。

▲26飛と△37歩成を警戒する手はどうか。しかしこれにも△45歩▲35銀△37歩成が成立する。▲同桂は△36歩▲同飛△77角成▲同桂△27角がある。▲58金右と上がっていないのがたたっている。

後手はギリギリまで△77角成としないのがポイントで、早く角交換すると▲44角が発生する。と金が作ることができれば、▲44銀から角銀交換になっても後手は問題ない。

△37歩成に遅ればせながら▲58金右とするが、手番が後手に渡る。△77角成▲同桂△15角がある。

▲16飛に△48と▲15飛△58と▲同金△25金とする順も有力だ。△77角成に▲同銀とすると、将来△39飛が89桂取りになるのでこの順を選びやすい。

最終図△89金以下、▲78玉は△88金▲同玉△69銀。▲79銀は△86歩。▲88銀が受けづらく、後手十分だ。

第5図

手順 ▲38金△45歩▲35銀△77角成▲同桂△64角▲24飛△23歩▲26飛△19角成▲34銀△55馬▲23銀成。

▲38金と受ける手はどうか。

△64角のラインは打てるが、▲34銀の棒銀が確実の攻めだ。代えて▲44角は△55馬がある。

最終図から△43金は▲32成銀。△同金▲同飛成△22飛は▲24歩。先手の攻めが続く格好だ。

手順 △65銀▲35銀△76銀▲24銀△77銀成▲同桂△64角▲37歩△22歩▲33銀成△同桂。

△45歩に代えて△65銀が良さそうだ。

△76銀に▲66角と逃げると△65銀▲77角△76銀で千日手模様になる。

▲35銀ー▲24銀と繰り出すが、後手の攻めが一足早い。

最終図は後手の桂馬が使えていて後手不満ない。次に△45桂がある。▲65銀と角を追いたいが、△75角▲76銀△64角で千日手模様だ。

▲38金は△45歩の筋には対応できるが、△65銀には対応できていない。

第6図

手順 ▲78玉△45歩▲35銀△37歩成▲同桂△36歩▲44銀△37歩成▲33銀成△同桂▲24飛△23銀▲26飛△25歩▲56飛。

△37歩成から遠ざかって、▲78玉も考えられる。△65銀の場合も▲35銀△76銀▲24銀△77銀成▲同銀と形良く取ることができる。

しかし△45歩▲35銀△37歩成を受けていない。

▲33銀成に△同金は▲同角成から▲24飛で先手良しになる。

最終図は駒得の後手が厚い。後手がどう駒組するかは難しいところだが、△64桂▲16飛△42玉が一例だ。あとは駒を前に押し出していくイメージ。

まとめ

▲58金右保留型に△54銀と出る将棋を検討した。

▲58金右と上がってある格好では△54銀が成立しない。理由は△47とと寄れないからだ。

△54銀は次に△65銀を狙っている。▲66歩と受けると、△64歩ー△62飛とされるので先手は▲35歩から動いていく。

▲35歩以下△同歩▲24歩△同歩▲46銀△36歩と進む。そこで▲35銀、▲26飛、▲38金、▲78玉が考えられる。

いずれの変化も先手は駒損のリスクがある。▲38金なら手堅いが、△65銀の変化が気になる。

▲58金右保留の変化を指したい場合、この△54銀をクリアする必要がある。

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