テーマ図
今回は△43銀と上がった局面を検討したい。△43銀では△22飛と回って▲45歩の仕掛けに備える前例が多い。△43銀は▲45歩の仕掛けを誘って、軽く指す意図がある。
今回の研究はこちらの記事でも扱っています。
手順 ▲45歩△35歩▲同歩△45歩▲24歩△88角成▲同銀△35飛▲23歩成△36歩▲25飛。
▲45歩に△35歩とする手から見ていきたい。▲35同歩に△45歩と捌く狙いだ。しかし角交換になるので▲24歩の攻めが実現する。△24同歩は▲33角成△同飛▲44歩でも、単に▲44歩でも先手良し。
△88角成▲同銀△35飛とするが、▲23歩成が間に合う。△36歩に▲25飛がうまい切り返し。最終図は先手良し。
△36歩に代えて△55角も、▲44歩△同銀▲32とから攻めて先手指せる。こうした攻め合いになったとき、△71玉型がたたる。
手順 △22飛▲44歩△同角▲47銀△88角成▲同銀△54銀▲77角△33角。
▲45歩に△35歩は無理筋だった。次に△22飛と回る手を見ていきたい。▲44歩△同角となって、角交換振り飛車のような将棋になる。
最終図からお互いどう駒組をするか個性が出る。いくつか想定される局面を見たい。
手順 ▲44歩△42飛▲24歩△同歩▲56銀。
▲44歩と垂らすのは積極的な一手だ。放っておいたら▲56銀から▲45桂がある。▲44歩に△43歩も考えられるが、▲同歩成△同金▲29飛と駒組して、△43金が上ずっている。△42飛から動く筋が消えている点も大きい。
後手としては△42飛と反応したいところだ。対して▲24歩と突く。△44角は▲23歩成△27歩▲同飛△77角成▲同銀△47飛成▲同金△38角▲28飛△47角成▲32と、として先手優勢。
最終図▲56銀と上がった局面は、次に▲45桂や▲48飛から▲45銀を見ている。スムーズに駒が運べているので、先手まずまず。
手順 ▲86歩△42飛▲46歩△77角成▲同銀(▲同桂)△55銀。
▲86歩から銀冠を目指すとどうか。これには△42飛と回る。対して▲24歩△同歩▲33角成△同桂▲24飛は△15角▲27飛△26歩で、▲28飛は△22飛。▲29飛は△47飛成▲同金△38銀がある。
▲46歩と受ける手には、△77角成▲同銀△55銀から動いていく。他にも▲46歩に△35歩▲同歩△36歩▲同銀△46飛▲47金△76飛の順も有力だ。
形勢は難しいが、動ける格好なので振り飛車ペース。
手順 ▲46歩△82玉▲86歩△64歩▲29飛△74歩▲87銀△43金▲88玉△84歩▲78金△73桂。
次に▲46歩とする変化だ。先手悔しいようだが、未然に△64角や△42飛をケアした意味がある。▲46歩と打つとしばらく駒組になる。
△43金はバランスを取った手。角交換系の将棋はバランスが大切だ。△63金では駒が偏ってしまう。△42飛を警戒して先手は▲46歩と打ち、それを見て△43金とシフトしている意味もある。
最終図はこれからの将棋。先手は銀冠に組むことができたが、この後の攻めのプランが難しい。じっくりした戦いになる。
まとめ
ここで先手は①▲44歩と打って戦うか、②▲46歩と打って手堅く駒組するかの分岐になる。
▲46歩と打たずに▲86歩から銀冠を目指すと、△42飛から動かれる。▲46歩は△64角や△42飛を未然にケアしている。
どちらを選ぶかは棋風だろう。