△54銀と出ないで、△35歩から石田流を目指す順はこちらから。
目次
第1図
前回は△54銀に代えて、△82玉▲78銀△35歩と石田流を目指す順を調べたが、後手がうまくいかなかった。
そこで△54銀と上がって△65銀を見せて、▲66歩をつかせて△35歩と石田流を目指す順もある。
▲78銀より▲86歩を先にしたのは、▲66歩とつきたくないからだ。▲78銀△54銀▲86歩は△65銀で一歩損になる。
▲86歩なら△54銀に▲57銀△65銀▲87玉と受けることができる。
角道を通しておくための、先手の工夫した駒組だ。
▲78玉→▲88玉→▲87玉で一手損するが、後手も△65銀を引くので手の損得はなくなる。
▲66歩で追い返す手もあるが、▲55歩はもっと得しようとした手だ。
次に▲75歩とつかれると銀挟みになる。
それを避けて△74銀と引くと、先手は▲56銀で位を取ることに成功した。
第2図
△43金から△52飛は5筋の位を奪還する狙いだが、最終手▲65銀が好手で先手ペースだ。金か銀が入れば、43にキズがある。
▲65銀を避けて一回△64歩とつきたいが、それだと▲58飛が間に合う。
後手が5筋の位を奪還するのは大変そうだ。
5筋の位を諦めて、今度は石田流を目指す順はどうか。
第3図
スムーズに△34飛ー△33桂と組めれば、後手不満ない。
最終図以下は△62角から△45歩とついて、次に△36歩▲同歩△54歩を狙うイメージだ。
先手は素直すぎた。
第4図
△35歩に▲57金△42角▲46金は、直接的に咎めにいった手だ。次に▲68角とすれば△35歩が取れる。
しかし△33桂が好手。次に△45桂と跳ぶ狙いだ。
▲24歩△同歩▲同飛△45桂に▲21飛成は△34飛で、次に△24飛を狙われる。
▲23飛成は仕方ないが、△33飛▲26竜△57桂成で、振り飛車の左桂が捌けた。
これも難しい将棋だが、後手からいつでも△54歩▲同歩△85歩を狙えるので振り飛車が勝ちやすい将棋だろう。
△33桂では△43金として、▲68角△31飛▲35金△54歩▲同歩△同金として2筋3筋は放棄し、△85歩の攻めに期待する順も有力だ。
第5図
△35歩に▲16歩ー▲26飛も、▲57金ー▲46金も後手は十分戦える。
▲46歩ー▲47金と組むのはどうだろう。
△34飛には▲66角と様子を見る。対して△85歩▲同歩△同銀は、▲77桂△86歩▲97玉△74銀▲86玉で先手指せる。
▲66角に△83銀上は▲75歩で銀が取れるので、受けるなら△83銀引だが▲45歩が継続手。
△33桂▲44歩△同飛▲54歩に△同飛は▲44歩で、▲65銀と▲24歩を狙って先手良し。
最終図▲23歩と垂らして、△31角には▲22歩成△同角▲45銀がある。
▲22歩成を受けることができず、先手が指せる。
△43金と上がって▲66歩を見て△35歩と石田流を目指す順もあるが、▲65歩の位が大きい。
左辺を充実できれば、後手に石田流を組ませても問題ない。
最終図は先手作戦勝ちだ。
第6図
△74銀と引くところで△54歩と頑張る手には、▲66歩△74銀▲54歩△43金▲56銀△52飛▲67金で、第2図の変化と合流する。
他にも、△54歩に▲24歩△同歩(△同角は▲54歩)▲66銀とぶつけ、▲23銀を狙う順が有力だ。
▲66銀に△74銀と引いても▲54歩△43金▲55銀と支えて先手指せる。
まとめ
△54銀を警戒し、早めに▲86歩とつくのは先手の工夫だ。これなら▲66歩とつかなくて済む。
後手は△65銀と出ることができるが、▲55歩ー▲56銀の位が大きい。
△43金ー△52飛の5筋奪還も、△35歩から石田流を目指すのも、後手今ひとつだ。