今回は先手矢倉に、後手も矢倉に囲う将棋を検討したい。

こちらの記事でも少し触れた内容になっています。

目次

第1図 相矢倉

手順 ▲26歩△42銀▲25歩△33銀。

▲26歩に△74歩▲25歩△32金とするのが後手の主流の対策だ。

▲24歩からの歩交換を許すが、その分、△73桂や△73銀ー△64銀などの活用が早い。

△63銀型に組む将棋は、こちらの記事で検討した。

今回は▲26歩に△42銀▲25歩△33銀と後手も矢倉に組む変化を検討したい。

△22角のラインが止まるので、じっくりした展開になる。

第2図 後手はどう駒組みするか

手順 ▲48銀△32金▲58金右△52金▲36歩△41玉▲56歩。

お互い駒組みに入る。

▲58金右、▲36歩、▲56歩はどの順番で指しても良い。

先手が▲78金を保留するのは、▲68玉ー▲78玉の早囲いの含みを残す意味だ。

最終図から後手はいろいろな駒組みが考えられる。

第3図 △54歩と突いた場合

手順 △54歩▲78金△44歩▲69玉△43金右▲37桂△31角▲46歩△85歩▲66銀。

△54歩と突いてきた場合、5筋が争点になるので先手は急戦調の将棋を目指しやすい

▲37桂ー▲46歩と攻め駒の活用を優先する。▲37桂に代えて▲79角と引くと第5図の変化に合流する。

▲66銀と繰り出して▲55歩を狙う。

第4図 桂損でも先手指せる

手順 △74歩▲55歩△同歩▲45歩△同歩▲55銀△54歩▲44歩△53金▲45桂△55歩▲同角△64銀▲77角△55歩▲33桂成△同桂▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲34飛△42桂▲54歩△同桂▲22歩。

▲66銀に対抗して△64歩と突くのは、▲57銀引が好手。以下△65歩は、▲45歩△同歩▲24歩△同歩▲45桂△44銀▲24飛△23歩▲29飛で先手ペース。

△74歩は次に△73桂と活用する意図だが、すかさず▲55歩△同歩▲45歩の仕掛けが成立する。

△45同歩▲55銀△54歩▲44歩△53金に▲45桂と踏み込む。

△55歩▲同角△64銀(△64金は▲33桂成△同桂▲24歩△同歩▲43歩成△同金▲44歩で先手良し)で駒損だが、じっと▲77角と引く。

△55歩に▲33桂成△同桂(△同金にはじっと▲45銀と置いておく)▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲34飛と取って次に▲54歩を狙い、△42桂にも構わず▲54歩と打つ。

▲54歩に△同金は▲43銀。△34桂も▲53歩成△同銀上▲43銀で先手良し。△54同桂と辛抱するが、▲22歩が継続手だ。

最終図以下△22同角は▲24歩△同歩▲43銀△23金▲35歩として次に▲54銀成△同金▲43歩成を狙う。△22同金も▲43銀で次に▲54銀成△同金▲43歩成を狙い、いずれも先手指せる。

どこかで▲95角と出られるのも大きい。

第4図からの△74歩がやや危なく、代えて△86歩▲同歩△同角▲87歩△42角や△14歩でこれからの将棋。

△14歩に▲16歩ならそこで△74歩として、第4図の最終図になったとき、△22同角▲24歩△13角のように対応できる。1筋の交換が入ると先手は仕掛けづらくなる。

他にも、△31角と引かずに△22角のまま待機する対策もある。

△54歩と突いても一局の範疇だが、急戦調の将棋を誘発する。

第5図 △54歩を保留する工夫

手順 △74歩▲78金△44歩▲69玉△43金右▲79角△54歩▲66歩△31角▲67金右△64角▲37銀△31玉▲46角△73銀▲79玉△85歩。

△54歩と突くと急戦調の将棋を誘発する。

△54歩を保留する工夫がある。5筋が争点にならないので、▲66銀ー▲55歩の仕掛けがない。

▲79角で急戦調の将棋がなくなったのを見て△54歩と突く。▲66歩でも同じ理屈だ。

最終図は先後同型で、脇システムと呼ばれる形だ。

脇システムの変化は、こちらの記事で検討した。

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