第1図
今回は先手が▲75歩と石田流を目指したのに対して、△64歩と対抗する手を見てみたい。
△64歩は▲59角に△65歩と仕掛ける手を狙っている。他に△63銀と受けれるようにもなっている。
後手が△74歩と石田流を防ぐ指し方はこちらから。
石田流に対して、△53銀ー△64銀と繰り出す指し方はこちらから。
▲59角に△65歩と仕掛ける。
以下進んで、△86歩▲同歩△88歩は気になる手だ。▲77桂△89歩成に▲45歩と角を追う。
△53角に▲85歩△99と▲86飛も考えられるが、△63銀▲84歩△72銀と我慢されて後続手が難しい。
▲65銀は後手玉にめがけて攻める手だ。▲54銀に△42角は▲44歩△同歩▲43歩△51角▲65桂が好手。▲65桂以下△53歩は▲63歩、△64歩は▲56飛△65歩▲63歩で先手指せる。
よって△35角とかわすことになりそうだ。対して▲66飛と寄っておく。△84飛には▲36歩△24角▲43銀成があるので、後手は動かす駒に悩む。
これは先手も戦える。
△86歩▲同歩△88歩もあるが、△65歩と押さえてじっくり指すのは有力だ。
▲65同銀と取ると△99角成で先手悪い。通常の左美濃と比べて、▲77角が王手にならない。ミレニアムの形が生きている。
よって▲77銀と引くことになるが、形が悪い。
△63銀▲36歩△53角▲56歩△72飛で、△74歩を狙って居飛車まずまずだろう。手順中の△53角は▲26角のぶつけを警戒した丁寧な一手だ。
第2図
△64歩を見て▲56銀とチェンジする手もある。
最終図は一例の進行だ。以下▲46金から桂頭にプレシャーをかけたいが、△24歩ー△23銀でカバーされる。
後手はどこかで△44歩▲同歩△同角から動きたい。
最終図は評価分かれそう局面だ。居飛車が勝ちやすそうにも見えるし、振り飛車側もこれなら一局と思う人もいそうだ。
最後に、△65歩と仕掛けずに△63銀とする手はどうか。
▲76飛には△72飛と反応していく。振り飛車は7筋を逆襲されても、▲36歩や▲56歩に手を回し、▲58飛や▲26角の構想で指したい。
▲76飛に代えて▲47金と待つ手も考えられるが、△65歩▲76飛△66歩▲同銀△65歩で、▲59角にすぐ△65歩と似た将棋になる。
最終図以下、▲36歩△75銀▲78飛△76歩▲56歩が予想される。▲56歩を先にすると△63銀と引かれる可能性がある。このとき▲36歩になっていれば、▲72飛成△同銀▲58銀で、▲26角のぶつけがあるので先手指せる。
▲56歩△63銀には▲75歩と押さえて難しいが、▲56歩△75銀でも結局合流しそうなので△63銀の余地を消して先に▲36歩が良さそうだ。
△64歩は△53銀ー△64銀と違って、狙いが分かりやすい。
▲59角に△65歩を用意している。もちろん△63銀もある。
△64歩に▲56銀なら駒組に入る。先手の組み方はいろいろあるが、第2図のように組み合った図の評価が重要になる。好みにもよりそうだ。
△64歩は後手有力な変化だ。