第1図

第1図で▲58金左、▲68銀、▲48玉に対して△14歩▲16歩△65歩と速攻する変化を前回は調べた。△65歩の仕掛けを見送って、駒組した場合を見てみたい。

第2図

▲74歩から歩交換したいが、△同歩▲同飛△65歩となって、角が浮くので取れない。これは先手が困っている。まずは自然の▲67銀から。

▲67銀には△65歩と仕掛ける。▲68飛と数を足す受けに△66歩▲同角△55銀で抑え込みを狙う。

△55銀では△同角▲同銀△45角の攻めもある。▲56角は△同角▲同歩△79角があるし、▲67歩は△66飛▲同歩△89角成で二枚替えになる。後手陣が飛車に強いからこそできる強襲だ。

飛車を渡すのが嫌な人はじっくりした展開を目指す。

最終図以下後手は△51金から△41金右と固める方針か、△52金から△63金として△54金を狙う方針か。先手はどこかで▲56歩△同銀▲66角と捌きたい。

△65歩に▲同歩だと△同銀で、▲22角成に△同金と取れるのがエルモ囲いの長所だ。

△同玉だと▲66歩で、王手飛車があるので取ることができない。

△同金と取ると▲66歩には今度△同銀と取れる。

飛車の捌き合いになった図は、後手陣に飛車の打ち込むスキがない。

△94角も頻出する急所のラインで、後手良しだ。△66同飛に▲77角△69飛成▲68飛も△同竜▲同金に△33桂と、▲41銀を消しておけば後手指せる。

▲22角成△同金の格好が嫌な人は△88角成と自ら交換する手もある。壁金にはならないが、ラインは残るので▲66歩と打つことができる。

△44角▲77角を利かして△54銀と引いて、▲86歩には△55銀と出る。

▲86歩に代えて▲56歩とすると△74歩▲同歩△64飛と動く筋がある。機を見て△66銀を狙う。

▲68飛で▲86飛も△64銀▲76銀△55銀で千日手狙い。△64銀に▲76飛とすると△65歩と打てるようになる。

最終図、▲67銀は△64銀で千日手狙い。▲65歩とつくと△66歩と垂らしておく。この図は△65歩に▲68飛とした変化と似ているが、先手が▲85歩と2手得している。その2手を生かして▲88飛は気になるが、△74歩▲同歩△72飛▲75銀△62飛と動く順があるので後手が対応できる。

▲67金と受けるのは有力で、対して△64銀と引いて▲88飛なら△55銀▲68飛△64銀の千日手を見せたいが、△64銀にじっと▲56歩で△55銀を消しておいて、これは一局だ。

△55銀とするところでは△74歩も有力。

▲同歩は△64飛で▲76銀△74飛▲75歩に△94飛が好手。

△64飛は▲65歩で、△同銀は▲44角△同歩▲65銀△同飛▲98角で王手飛車がかかる。△73桂と桂馬が使える格好になれば後手ペースだ。

ただ、△74歩には▲85歩△75歩▲84歩の攻め合いが気になる。以下△76歩▲同銀△55銀が一例だ。一気に激しくなるので、△55銀と△74歩のどちらを選ぶかは難しい。

こうした展開に自信がなければ、▲65同歩に△88角成とはせずに、△65同銀になりそうだ。

▲67銀は△65歩と仕掛けられたとき、当たりが強くなる意味があった。▲68銀で待機するのは有力だ。

▲46歩と一手待ってみる。

同じように△65歩と仕掛けると最後▲77銀で、▲67銀と違って△66歩と打たれない。△88角成で△65同銀としても▲22角成△同金or△同玉▲77銀で同じ理屈だ。

最終図は▲55角のラインがあり、△66銀とぶつけづらい。△33桂と跳ねると▲68飛△66歩▲36歩で桂頭が狙われる。▲77銀と上がられて、▲68飛を見せられると後手は突然攻めづらくなる。

そこで後手は△65歩と仕掛けずに一回△33角と形を整える手が有力だ。

次に△65歩と仕掛けることができれば、▲同歩△同銀▲33角成に△同桂と形良く取ることができる。△33角に▲36歩は△33同桂に▲35歩を用意してた意味。

そこで後手は△65歩▲同歩に△88角成とあえて手損するのはアイディアだ。▲36歩を突かせれば△55角のラインや△24桂の筋ができて、先手陣が薄くなる。

最終図以下、▲66歩は△55銀。△54銀に▲68飛の捌きにも▲37歩型より後手が得をしている。

▲56歩は次に▲57銀と活用しようとした手だ。△65歩の仕掛けには▲77銀ではなく▲57銀で対応する。

しかし、▲77銀と違って△33角のラインが気になる。▲77角は△同角成▲同桂△76銀で後手良しなので、▲55角はやむを得ないが△54歩で1手得できる。後手の駒には勢いがある。

最後に▲77角だ。飛車先を止めるので思いつきにくい手だ。

△65歩には▲同歩で、△77角成に▲同桂を用意している。

△65歩▲同歩△同銀は▲22角成△同金or同玉▲77銀で対応する。

しかし、△33角のとき次の手が難しい。意味は先ほど同様、△65歩▲同歩△同銀▲33角成に△同桂と取れるようにした意味だ。

▲46歩だと△65歩で▲46歩とついた変化と似た変化になるし、▲67銀も△65歩で、▲同歩は△同銀、▲68飛は△66歩で▲67銀と上がった変化に似る。どの変化も△33角がプラスになっている。

まとめ

3手目▲75歩の三間飛車に右四間飛車+エルモ囲いは有力な作戦だ。攻撃力もあって、爆発力もある。

△65歩の速攻を選ぶか、エルモに囲う順にするかは好み分かれるところ。

居飛車からいつでも△65歩があるので振り飛車は序盤から緊張感がある。

△65歩▲同歩△同銀のとき▲22角成△同金と王手飛車の筋をなくしているので、エルモ囲いを生かしている。▲11角成となった場合にも△31金型が固い。

▲67銀と上がったら当たりが強くなったので△65歩と仕掛けやすい。

▲68銀で待機された場合には△65歩だと▲同歩△88角成▲同飛△65銀に▲77銀で対応しやすい。

こんなとき△65歩▲同歩△同銀▲33角成△同桂と形良く取れるように一回△33角は有力だ。

攻め将棋にはうってつけ、指してみたい作戦だ。

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