前回の続き

第8図

前回は△51飛とした局面で、△31銀を検討した。

△51飛は次に△33銀を狙った手。そのときに▲41銀を未然に消している。まずは一目の▲23歩はどうなるか。

△23同歩に▲同銀成は△31金で、これ以上前に進めない。▲同銀不成は△31金なら▲34銀成と成れるが、今度は△33金とかわされる。▲22銀不成△26歩とした図は先手いまひとつ。

以下▲11銀成は△34金、▲11銀不成は△32金で先手大変だ。

▲23歩は後手の待ち受けるところでもあった。代えて▲24歩と垂らす手がある。

第9図

この手の意味も難しい。狙いは▲23歩成ではない。▲23歩でも△同歩だからだ。後から▲23歩だと手抜かれるが、▲23歩成なら取ってくれるという意味。また、後手の狙いであった△33銀には▲23歩成△同歩▲同銀成で先手良しになる。

△94歩▲96歩で、△64歩は▲79金との交換になり、先手が得をする。

▲56同歩に△56同飛は▲65角がある。以下△55角▲25飛△99角成▲56角△95歩▲79金の順も考えられるが、後手の駒が少ない印象だ。

後手は△64角▲37角としてから△56飛とすることで、▲64角△同歩となり、手順に▲65角を消すことができる。△64角には▲18飛△33桂▲65角△31金の順も先手有力。ただ▲37角△56飛▲23歩成からの攻め合いがより良さそうだ。

最終図、▲29飛と引いた図は先手良し。△31飛は▲26飛、△31銀は▲38歩、△37飛成は▲41成銀△53銀▲52歩の要領。

▲23歩でも△同歩なだけに▲24歩とするのは盲点だが、有力な手だ。

▲24歩では▲38金も有力。△33銀▲45銀△62角▲35歩で、△同角なら▲37金から金銀を全面に出していく指し方。この順も有力ながら腕が必要な将棋なので、選ぶかどうかは棋風によるだろう。

第10図

▲45銀に△32金は▲34銀と出て、△22角と△44角のいずれも戦えた。△51飛は△32金を保留した手。▲34銀△44角▲24歩と進んで2筋はノーガードだが、▲65角の筋がないので△56飛と走りやすくなっている。

△56同飛とした図は▲65角には△36飛とできる。図も難しいが、後手の主張は通っている。

△51飛の狙い筋として、▲58金右だと△32金以下、▲24同飛に△33銀とぶつけることができる。△56歩まで進めば振り飛車が捌けている。

▲34銀△44角▲24歩なら△56歩が成立したので、先に▲24歩とする手もある。△同歩なら▲34銀△44角▲24飛で先手十分。△56歩としてから△24歩と戻し、▲46歩とした局面は一局。歩の損得はないものの、2筋は後手の負担になり、先手不満ないだろう。

後手は△32金ー△44銀ー△33桂の形は目指しづらいので、後手は以下、△32金ー△14歩ー△13桂ー△21飛を目指す展開が予想される。

このあたりが▲45銀の将棋の基礎知識になる。後手が銀対抗を目指さず、△62玉から美濃囲いを目指す進行が減ったのはこの▲45銀が手強いからだ。しかし変化は膨大で、先手は若干の良さ、ソフトでいう+100点~+300点の良さを維持するのも大変である。

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