先手中飛車と後手の中飛車では性質が全然変わる。
現在ゴキゲン中飛車には超速が有力と見られている。超速について研究してみたいと思う。
第1図
ここで後手が△42銀▲37銀△53銀▲46銀△44銀と合わせると銀対抗という形になる。△42銀と上がらずに△62玉とするのは軽い捌きを狙った指し方。
後手は一目散に美濃囲いに囲って一安心。先手は機を見て▲45銀を狙っていく。しかし、すぐ▲45銀とするのは△32銀▲34銀△42角から△64角を狙われる。以下が一例。
先手としては▲68銀として次の後手の手、△32銀か△42銀か△32金かで方針を決める。
第2図
この図で、①△42銀 ②△32銀 ③△32金と分岐する。
△42銀は▲77銀なら△53銀▲66銀△54銀と上がれる主張。△44銀型の銀対抗と違って△64歩から△65歩を見せてプレッシャーをかけることができる。
一方で△42銀と上がると△42角から△64角がなくなるので▲45銀と上がりやすくなる。
▲45銀と出た変化の研究が本線だが、少し脱線して▲45銀では▲58金右も有力。対して△56歩か△32金が考えられる。
△56歩だと先手は5筋の位を取って厚みで勝負する将棋。
△32金▲77銀にはさっきと同じように△53銀▲66銀△54銀になる。
単に▲77銀とする変化より先手は△32金を決めさせているので少し得をしている。
△32金に▲37桂として△53銀を阻止して次に▲77銀とする指し方もあるが、▲37桂を見ると後手は△56歩がつきやすくなる。
同じように進めて、さっきの変化との違いは▲37桂と△32金が入っているかだが、そこで△35歩が狙い筋になる。
▲26飛と受けるのは△55歩▲65銀△15角▲16飛△14歩として次の△45歩が受からない。▲58金と受けても△33桂の応援がきく。
よって△35歩には▲同銀になるが、△55歩▲65銀に△15角~△42角がいい揺さぶり。先手の銀を下がらせて棒銀を緩和する狙い。最後△33桂とした図は振り飛車が軽い形だ。
この筋を気にするなら▲56銀に代えて▲16歩と備える手もあるが、△64歩とされ、▲56銀にやはり△35歩がある。▲26飛に△15角はないが△36歩▲同飛△38歩で歩成りが受からず先手が忙しい。▲37桂が負担になりスムーズに▲56銀ー▲55歩の形がなかなか実現できない。
第3図
これまで見てきた変化もよく実戦に現れるが、どれも一局の範疇だ。先手の▲45銀は一番強い手。後手としてはこの手に対して何か用意の手がないとこの形は指せない。