すぐに役立つ戦術を紹介したい。
今回はマニアックな後手の作戦だ。
3手目▲75歩に△24歩
手順 ▲76歩△34歩▲75歩△24歩。
3手目▲75歩は石田流を目指した手。
対して△42玉と上がって右四間飛車+エルモ囲いを目指すのも有力な作戦だ。
こちらの記事で検討した変化だ。
今回紹介するのは、△24歩と突く手だ。
力戦模様を好む方におすすめの作戦だ。
向飛車にして後手満足
手順 ▲66歩△44角▲78飛△22飛▲68銀△25歩。
▲66歩と止める手から見ていきたい。
対して△44角と上がる。▲66歩と止めてくれたからこそ上がれる手だ。
▲78飛△22飛で相振り飛車になる。
最終図は後手満足。3手目▲75歩に△54歩▲66歩△44角▲78飛△22飛という相振り飛車があるが、それと比べて△54歩を省略できている分、後手が得している。
▲26歩は怖くない
手順 ▲26歩△54歩▲68玉△88角成▲同銀△22飛。
△24歩は角の頭を突く手なので、▲26歩と突く手が気になる。
これには△54歩と突く。
以下▲68玉に△88角成▲同銀△22飛と回れば、角交換振り飛車系の将棋になる。
△54歩を突かずに△88角成▲同銀△22飛とすると▲65角の筋がある。△54歩は▲65角の筋を消している。
△54歩に▲25歩△同歩▲同飛は、△88角成▲同銀△22飛で対応できる。以下▲22同飛成△同銀▲53飛は△52金左▲54飛成△27飛▲28歩△23飛成と竜を作り合って、後手陣の方が安定している。
意表の△22飛
手順 ▲78飛△88角成▲同銀△45角▲76角△22飛。
最後に▲78飛と回る変化を見ていきたい。
対して△88角成▲同銀に△45角と打つ。
他にも△88角成▲同銀△22銀▲58金左△33銀▲48玉△22飛の相振り飛車も有力。
△45角に▲76角と打つのが部分的な定跡だが、▲43角成を受けずに△22飛と回るのが意表の一手だ。
最終図から▲38銀は△42銀▲46歩△54角で、△28角のキズが残る。
▲38金も△42銀▲46歩△54角でこれからの将棋だが、先手陣より後手陣の方が駒組みの自由度が高い。
▲28銀は△25歩▲38金△26歩▲同歩△同飛で△76飛を狙える。
△22飛に▲43角成と馬を作られる順が怖いが、後手も△67角成と馬を作ることができる。形勢は互角だが、力戦に誘導したい方にとっては満足の序盤戦だろう。