すぐ役立つような手筋を紹介していきたい。
今回は相掛かりで使える手筋だ。
金冠を作るための▲77金
手順 ▲77金△33角▲47銀△84飛▲86歩△74歩▲87金。
△74飛と揺さぶった局面。▲22角成△同銀▲82角と打てるが、△93香と逃げられて大したことがない。
先手は▲77金と歩を守る。先手の角道が止まったので、後手は△33角と2筋を受けることができる。
▲47銀△84飛に▲78金では、△33角の主張を通して先手がつまらない。▲86歩から金冠を作るのが先手の工夫だ。△74歩に▲87金と寄って先手にも主張ができた。
陣形を低く構えるより、盛り上がった方が手厚い陣形を作ることができる。先手は▲87金型に組んだ主張、後手は2筋の歩交換を防いだ主張があり、これからの将棋だ。
自ら金冠を作りにいく
手順 ▲77金△82飛▲86歩。
△74飛▲77金は成り行き上、仕方なく▲87金型を作った意味もあった。次に紹介するのは先手が自ら金冠を目指した場合だ。
図では▲24歩△同歩▲同飛が自然で、こう指す人が多いだろう。2筋の歩交換を保留し、▲77金△82飛▲86歩とするのが先手の工夫だ。
しかしこの場合は、後手は玉の位置を決めていない、△82飛まで引けているなどプラスがあり、△73銀ー△64銀ー△75歩の仕掛けを目指しやすい。
▲77金は先手の作戦の一つであるが、局面によって有効かどうかが変わる。
△63銀の格好なら▲77金と上がりやすい
手順 ▲77金△82飛▲86歩。
先ほどの局面と比べて、後手は△63銀と形を決めている。この場合の方が先手は▲77金と上がりやすい。
△74歩を突いているので△74銀もない。先手は安全に金冠に組める。
応用の▲77金
手順 ▲77金△33角▲86歩△22銀▲87金△24歩▲37桂△23銀。
最後に応用バージョンだ。
図では▲66角が一般的な手。△同角▲同歩△22銀▲88銀△33銀▲77銀とお互い矢倉に組むのがよくある進行だ。
▲66角とせず▲77金が工夫の駒組だ。▲86歩ー▲87金と寄って金冠が完成する。後手は銀冠に組んで、金冠VS銀冠の構図になる。これからの将棋だ。
▲87金型はソフトの影響で注目され、今や定跡化された組み方だ。でも局面によって有効かどうかが変わるので、見極める必要がある。
最後に次の一手に挑戦してみよう。